2024.05.28
女性美容家より【1】「女は自分のため、男の美容はモテるため、でいいと思います」
年齢をそれなりに重ね、シミ・シワ・たるみが気になり始めたオヤジさんにエイジングケアは不可欠。ただ、あれこれ気になりすぎて何から手を付けたら……とお悩みの人も多いかと。そこで、どんなところに注意して、何をしたらいいのか、事情通の女性美容家にうかがってみました。
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写真/トヨダリョウ 文/島田恵美 編集/菊地奈緒(Web LEON) 撮影協力/松倉クリニック代官山
年々進行するシミ・シワ・たるみに、オヤジはどう向き合うべき?
何から手を付けていいかわからない。美容に気を遣うことに抵抗がある。もしかしたら肌に無頓着で、まったく気づいていないなんて人もいるかもしれません。
ただ、事情はどうあれ、老化は着実に進むわけで放置は禁物です。そこで急遽お集まりいただいたのが、ビューティエディターの松本千登世さんと松倉クリニック代官山の貴子先生。オヤジ世代のエイジングの実情と打つべき対策について、ざっくばらんに語っていただきました。
「ゆるんだ締まりのない輪郭を見ると、仕事もだらしないのかなと想像します」
貴子先生(以下、貴子) スマホを操作している時のあご下のたるみと眉間のシワですね。シャツを着た時に首がシワシワしているのも気になります。
松本さん(以下、松本) シャツの襟でキュッと抑えられて、たるんでいるように見えるアレですよね?
松本 確かに眉間や首は、男女問わず老け見えしがちな部位ですよね。首の場合、女性は後ろ側を髪で隠すこともできますけど、男性は露わになって、たるみジワが目に付いちゃう。そのうえ汗をかいたりしたら、老けてる&不潔みたいなことに……。
── それ、電車の中でよく見かける気がします(笑)。
貴子 もうひとつ気になるのが、平坦なシミじゃなく、イボになったもの。日光性角化症や脂漏性角化症といって、紫外線の影響で盛り上がったものなんですが、私はシワよりコッチのほうが年齢を感じますね。
松本 私は視力が弱いので顔を全体の印象で捉えることが多いのですが、やっぱり輪郭がゆるんでいると締まりがなく感じます。
貴子 仕事もだらしないのかなと想像しますよね。でも逆に、輪郭が引き締まっていたら仕事もパーフェクトにできますよと印象づけることもできるかと。やっぱり、仕事や対人関係を良好にしたいなら、男性もエイジングケアを意識したほうがいいし、それがエチケットじゃないかと思います。
「老化がかなり進んでから気づく男性も多い。そこまで放っておいたの? みたいな」
貴子 患者さんの場合は、奥さまや彼女が付いてきて「ここを治してください」というケースが多いんです。それに比べると、自分と同じ40代の男友達からの相談はザックリしていて、「何しに行ったらいいの?」「どこを治したらいいの?」って(笑)。
── このシワが、このたるみが、ではないんですね。
貴子 動いている自分の顔を見ることなんて、以前はあまりなかったですからね。
松本 鏡を見る時の、口角を上げたりしてカッコつけている顔とは全然違うんですよね。動いている中での影っぽさとか、目元が全体的になんか気になるっていう……。
貴子 しかも男性は、老化がかなり進んでから気づく方が多い気がします。女性だったら、そこにたどり着くまでにスキンケアとか、エステや美容皮膚科とか、何かしら手を打つと思いますが、男性の場合、そこまで放っておいたの? みたいなケースが少なくないですね。
「化粧品なら悩みに合ったもの、美容医療なら痛くない照射系がおすすめです」
松本 スキンケアに関しては、先生の指摘通り、これまで散々放置してきて今に至っている男性が多いと思うので、そこで化粧品で何かを劇的に変えるのは難しいのかなという気がします。化粧品は予防や維持の役割が大きいですし、成果が出るのに時間がかかりますから。
── スキンケアは継続してこそ、ではありますよね。
貴子 男性はガジェット好きなので、飽きっぽい女性よりマメに継続できそう。
松本 トリセツをじっくり読み込んだりしてね(笑)。あと、アイケアはシミ・シワ・たるみのすべてに対応するうえで欠かせないので、ぜひ習慣化を。
── 日焼け止めもマストですよね?
松本 もちろんです。男性はまだ知らない方が多いですが、紫外線はシミだけでなく、シワやたるみの原因にもなるので、老化全般を防ぐために徹底していただきたいです。
── 美容医療にはどう向き合ったらいいですか?
貴子 まず前提として、男性は痛いのが苦手なんです。
貴子 ええ、同じ治療でも女性は全然平気です(笑)。また、男性はメイクをしない人がほとんどで隠すことが難しいので、跡が残らずダウンタイムがないことも重要ですし、ボトックスとか注射系に抵抗がある方も多いので、まずはレーザーなど照射系の肌治療から始めるのがいいかと。
── 具体的にいうと?
貴子 シミであれば光治療のライムライト、たるみならオンダプロです。オンダプロは脂肪層にアプローチしてくれるので、丸顔で顔が四角くなってきたと感じる方や、ブルドックみたいになったとお悩みの方に向いています。
── シワにはどんな治療が?
貴子 効果ならやはりボトックス注射ですが、抵抗のある男性にはスカーレットリフトが選択肢に。極細の針で真皮層に高周波を照射して肌を引き締める治療で、おでこや目尻、皮膚の薄いまぶたにも施術できます。
「男性は“清潔感”レベルに留めるべき。やりすぎるとオバサン化するので要注意」
貴子 たるみやシワをどうこうするとなるとハードルが上がるので、とりあえず肌ツヤがよくなることを目指すのがいいと思います。つまり、スキンケアからちゃんとやってみる。
松本 たとえば化粧水を使うと、角質層が素早く潤って、肌が一瞬でパッと明るくなって、お風呂上がりみたいな状態になるんですよ。そういったベーシックなケアで、まずは肌がどれだけ変わるのかを実感してみてほしいです。
── それでも頑なに「美容なんて」というオヤジさんに、いいアドバイスはありますか?
貴子 私たちの間では定説ですが、女の人の美容は自分のため、男の人の美容は他人のため、なんです。結局、男性はモテたいからやるんですよ(笑)。なので、パートナーや好きな人に「僕のどこが気になる?」と率直に聞いてみて、その意見に応えるかたちで少しずつやっていくのがいいかと。
── それが一番モチベを上げてくれますよね、きっと(笑)。ただ一方で、美容にハマりすぎて不自然なレベルまでいっちゃうケースもありそうな気が……。
貴子 女性はツヤっとしていればしているほどキレイですけど、男性が同じようにするとちょっと中性的になっちゃうので、そこは要注意です。
── つまり、オバサン化しちゃうと?
松本 そうやってちょうどいいところで止めてくれる先生なら男性も安心して任せられると思います。
貴子 男性も女性も-5歳の、「ちょっと若いね」と言われるくらいを目指すと自然なのかなと思います。特に男性は、若さより“清潔感”や“丁寧さ”を大切にしてほしい。
松本 若さより“丁寧さ”ということでいうと、表面のことだけ頑張っても違うのかなという気がします。
貴子 食事だとか、睡眠、運動なんかも含め、トータルバランスですよね。
松本 でも、これは食べる、あれは食べないとか、水は1日何リットルだとか、ストイックになりすぎないで自然にね(笑)。
貴子 そうそう、何事もやりすぎちゃうとおかしくなるので“適度”が肝心です。
■ 松倉クリニック代官山
健康美という視点から、美容医療とエステの連携で一人ひとりに最適な治療と施術を提供。肌治療をはじめ、痩身、育毛、栄養療法など、豊富なメニューでQOLを支えてくれる。
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