2024.06.15
【モテるオヤジ緊急Q&A】EDもホルモン減少による男性更年期障害?
男らしさの要、モテるホルモンと言える「男性ホルモン」が加齢で減少すると聞いて、他人事ではいられないオヤジさんのためのQ&A。新橋消化器内科・泌尿器科クリニックの伊勢呂院長に答えていただきました!
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
そこで、男性ホルモンにまつわる疑問を掲げ、新橋消化器内科・泌尿器科クリニックの院長・伊勢呂哲也先生を訪ねました。
【Q1】男性ホルモンが多いとモテそう。加齢で減少するってホント?
先生 男性ホルモンにはいくつか種類がありますが、最も重要なのがテストステロンです。男性の場合はテストステロンの95%が精巣、5%が副腎で作られ、血中に分泌されています。
テストステロンの主な働きは、筋肉量を増やして骨を太く丈夫にする、体毛を増やす、性欲を高めて精子を作ること。内臓脂肪を減らす作用、血液や皮脂を増やす作用もあります。やる気や決断力などのバイタリティの源でもあるので、チャレンジ精神や集中力も高まります。男性の心と体にとって、とても重要な役割を果たしているのです。
── まさにモテるホルモンじゃないですか! 加齢で減少すると聞きましたが、本当ですか?
【Q2】毛深い人は男性ホルモンが多い? 逆に体毛が薄いと少ない?
先生 男性ホルモンには「体毛を増やす」働きがあるので、毛深い傾向はありますね。
── 逆に体毛の薄い人は、男性ホルモンが少ないってことですか?
先生 そうですね、個人差があります。身長と同じように、男性ホルモンの分泌量も人それぞれなので、多少数値が低かったとしても心身に不調がなければ、異常ではありません。男性ホルモンの分泌量は体質なので、遺伝的な要因が大きいのですが、後天的な要因も関係していますよ。
【Q3】EDや性欲減退もホルモン減少による男性更年期障害?
先生 パートナーや家族、職場の部下から「最近怒りっぽい」と言われたとか、身近な人からの指摘を受けて来院される患者さんが多いです。
ご自身で気づいて来院するケースだと、以前は熱中していた仕事や趣味にやる気が起きず、更年期障害ではないかと疑ったり。身体的な症状ではEDで悩んで来院する方もいます。
症状は複合的な場合が多く、メンタル的に不調で、さらに性欲も減退していると言う方が3、4割はいる印象ですね。年代としては50歳前後、±3歳くらいです。
【Q4】自分でチェック!「アナタは男性更年期障害?」
先生 血液検査です。男性ホルモンのテストステロンの血中濃度を測定して、その数値が8.5pg/ml未満の場合は、男性更年期障害の可能性があります。
もう1つの検査が、下の「AMSスコア」という問診票です。身体的、精神的、性機能症状など全部で17のチェック項目があり、それぞれ5段階で回答して、その合計点で評価します。
セルフチェックもできるので、来院の目安にもなります。中等度以上の場合は、一度受診したほうがいいですね。この2つの検査結果と医師による問診で、総合的に男性更年期障害かどうかが診断されます。
【Q5】男性ホルモン補充療法ってどんなもの?
先生 男性ホルモンのテストステロンを注射する、テストステロン補充療法が一般的です。2〜4週間に1回の頻度で注射を打ち、自覚症状が改善されたか様子をみていきます。この治療は保険適用なので、診療費が高額になる心配はありません。漢方薬を併用することもあります。
── 治療期間はどのくらいですか?
先生 テストステロン補充療法の治療期間に特に決まりはありませんが、最新の論文では半年間継続して投与すると、その後中止しても経過が良好である場合が多いと報告されています。当院でも半年を目安にしています。