2024.07.29
夏デートに効く香水って?【ディナー&Bar編】
暑さで不快指数が高まる今の時期こそ、オヤジさんは香りを味方につけて、大人の男の色気をさわやかにアピールしたいところ。そこで、夏のデートシーンにおすすめの香水と香らせ方をプロにうかがいました。今回は夜デート編をお届けします。
- CREDIT :
写真/小川 剛(KONDO STUDIO) イラスト/羽鳥好美 文/島田恵美 編集/菊地奈緒(Web LEON)
プロが指南! 夏の夜デートをさわやかにキメる香り【4選】
そこで、夏の夜デート編として、ディナーとBarタイムを想定して、おすすめの香水とその香らせ方をフレグランスアドバイザーのMAHOさんに教えてもらいました。香りをイメージしやすいように本誌LEONのデートシーンをイラストで再現したので、そちらにもご注目。
ディナーデートに効くのは……
ディナーデート【1】 イタリアンBBQ
その名も“ビストロの水”の香りで、前菜から肉まで完璧に堪能
MAHO 食事に合うのは間違いない感じですよね。ネーミングの面白さというところも、デートでぜひ話題にしていただければ(笑)。実際、香りもすごくヘルシーで強すぎないので、前菜からメインまですべての料理のシーンに上手くマッチしてくれるんです。
── 具体的な香りの特徴は?
MAHO 最初にくるのはコリアンダーシードというスープやサラダに使われるスパイスの香りですね。そこからバジルのグリーン感が強くなっていって、さらにナツメグという肉のにおい消しに使う香辛料の力強いスパイシー感が出てきます。
── まさにビストロですね。(香りを試して)軽やかでハーブの香りなのか、少し青々しい印象がします。ちょっとスッとするような感じも。
MAHO バジルが効いているので、クールで暑苦しくない雰囲気ですよね。
MAHO とても合うと思いますよ。香りに変化があるといっても劇的な感じではないですし、全体的にライトなフレグランスなのでどんな食事の時も邪魔にならないかと。暑さで食欲がないような時も、アペリティフみたいな感覚でピリッとさせてくれると思います。
── (再び香りを試して)あっ、徐々にスパイシー感が出てきました……。
MAHO そうなんです、それで肉が焼ける頃までにはちょうどいい仕上がりに。
── なるほど。つけ方はどうしたらいいですか?
MAHO レストランに行く時の香りは控えめがいいので、ウエストラインより下、足元につけるのがいいですね。お出かけ前の着替えるタイミングなら、ももの裏側。外出先でなら、スラックスの裾をまくってアキレス腱やふくらはぎにスプレーしてみてください。
ディナーデート【2】 エスニック
スパイシーな香りを纏って、混然一体で楽しむのが正解
MAHO 「ジャンジャンブル」は、フランス語でショウガの意味。つまりジンジャーをイメージした香りなのですが、名前の通りジンジャーのフレッシュなキレがあって、エスニック料理にぴったりなんです。嗅いだらもう食べたくなっちゃうみたいな……。
MAHO ジンジャーは辛さや根っこの土っぽさが目立つケースもありますが、これはライムのような柑橘が効いていて、本当にフレッシュな仕上がりなんです。
── 確かに柑橘の皮っぽさを感じますね。でもとにかくスパイシーで、なんか楽しくなるというか、気分が上がるというか……。これ、女性にも好きな人が多そうです。
MAHO ええ。女性も使いたくなるくらい、シンプルですけどオシャレ感のある香りだと思います。それにエスニックといっても、デートのお店となると洗練度も重要ですよね?
── ええ。屋台っぽいのも悪くないですが、デートならちょっとキレイめが望ましいかと。
MAHO この香りはそんな洗練されたムードのある、たとえば野菜がウリの自然派エスニックみたいなお店によく合うと思います。タイ料理でもインド料理でもいいし、ココナッツのカクテルなんかにもしっくりくるかと。
MAHO ジェームズ・ヒーリーという調香師がみずから創設したブランドです。ファッションの有名ブランドに比べたら、本当に知る人ぞ知る感じの香水に特化したブランドなので、誰かと被る香りは避けたい男性にもおすすめです。
── つけ方はどうしたら?
MAHO 食事の場面ですが、ひじの内側あたりにつけて思い切り楽しんでいただいていいかと。エスニック料理のお店って、結構わちゃわちゃですし、テラス席も多い。店内にもスパイシーな香りが充満しているので、渾全一体で楽しんでいただければ(笑)。
Barデートに効くのは……
Barデート【1】 ジンを嗜みに
香りもジンで合わせれば、ひときわクールで刺激的な一夜に
MAHO ジンを使ったカクテルをイメージした香りです。ジンの香りづけに用いられるジュニパーベリーを効かせながら、アンゼリカという少し苦味のあるハーブ、ペッパーなどのスパイスを加えて、よりお酒らしく、女子っぽくならないカクテル感を醸し出しています。
── (香りを試して)まさにジンという印象ですね。シャキッと爽やかで、ピリッとしていて、なんか弾けるような感じ。
MAHO ジン好きな方なら、この本当にジンらしい雰囲気にすごく納得いただけるかと。
MAHO スーッとしたジンの冷たさが心地いいですよね。それでいて、冷たくなりすぎず落ち着いてくるサマというのが、とてもよくできているなと感じます。あと、やっぱりペンハリガンならではの品がある。
── お酒の香りですけど、確かに気品を感じるというか……。そういえば以前、ペンハリガンの別の香りで「イギリス首相の○○が愛用していた」みたいな説明を見たことがあります。
MAHO イギリスで1800年代から続くフレグランスブランドですからね。英国王室御用達でもありますし、そんな歴史あるブランドの中で、この「ジュニパースリング」は、小説『華麗なるギャツビー』に描かれたような1920年代の享楽的な空気感、お酒を楽しむ華やかな雰囲気を表現しているんです。
── なるほど、そこから着想した香りなんですね。
MAHO なのでお酒を飲まない方でも、読書好き、名著好きにはぜひおすすめしたいです。
── つけ方はどうしたら?
MAHO バータイム前に肩のラインにつけて、ちょっと身を乗り出した時に香らせる作戦がいいかと。大人っぽくセクシーですし、これならカウンターの上も邪魔しません。ただ、この香りは軽めなので、お好みでひじの内側にプラスしてもいいと思いますよ。
Barデート【2】 ウイスキーを嗜みに
深く甘いウイスキーの香りで、心とろかすメロウな時間を
MAHO ウイスキーブランドとのコラボから生まれた香りで、ゆったりとした時間を感じさせるような深いウイスキーの熟成感、樽の雰囲気、甘みやとろみといったところが見事に表現されています。今回紹介した中では最も甘く、夜のイメージがありますね。
MAHO ウイスキーそのものから採った香りを使っていますからね。そこにベルガモットの柑橘やアイリスのフローラル感、ウッディな要素を加えて、女性らしいなめらかさみたいなところとダンディズムを上手く融合させている気がします。
── 夜でもかなり深い時間に合いそうな雰囲気がします。それに本当に、グラスにウイスキーを濃いめのロックでいただきたくなるような感じがある(笑)。
MAHO そうですね、上質なグラスと、そこにロックでカランカランっていうイメージ(笑)。ついでにチョコレートなんかも食べたくなりません?
── いいですね、ギュッと濃厚なチョコレートケーキとか。
MAHO たぶんこれ、ワイン好きな人も結構好きだと思います。ちょっと甘いですけど。
── 甘いけれど濃厚というか、ビターというか……。
MAHO そうそう、子供っぽい甘さじゃないんですよね。こちらは今回デートにおすすめしていますが、疲れて帰宅した夜のリラックスタイムにも合うと思います。お酒を飲まない男性でも、この香りが気持ちをほぐしてくれるかと。
MAHO インパクトのある香りなので、バータイムに照準を合わせて肩だけにつけるのがいいでしょう。食事のあとに出先でつけるなら、ロールオンタイプのアトマイザーで携帯すると便利。シャツの胸元を開け、肩のラインをコロコロなでる感じでつければ、周囲に広げず品よく香らせることができますよ。
フレグランスアドバイザー MAHOさん
香水の魅力を伝える巧みな話術と表現力で、メディアやセミナーでの情報発信、トレーニングサポートなどに携わる。フレグランスカウンセリングの先駆者で、予約制のプライベートサロンは男女から人気。日本フレグランス協会常任講師。日本調香技術普及協会理事。
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アイビシトレーディング(ヒーリー) https://aibishi.shop-pro.jp
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