【ボッテガ・ヴェネタのレザートート】よくわからないけど、猛烈に欲しい……快感なお買い物のススメ

“五感”は人間の情報入力の手段。その内の85%が目を通して入力される視覚情報で、情報処理速度が最も早いのも視覚情報なんだとか。何かを見た刹那、訳もなく気になったり、すぐさま欲しくなってしまう“ひと目惚れ”は、こうして生まれるのですが、さて。

ボッテガ・ヴェネタのスペルメルカートバッグ（＝スーパーマーケットバッグ）は、まさにスーパーでお買い物をする際に使用するような、日常的でシンプルな仕様、なのですが、どっこい！ このビジュアルに口あんぐり。ヴィヴィッドなイエローに、うさちゃん&赤ストライプが、どう見たって目立つ、際立つ、なんじゃこりゃ！ な品であります。

うさぎは、その飛び跳ねる様子から、飛躍、ステップアップなど前向きで、大きな耳が大事な情報を聞き逃さない、さらに多産でもあることから子孫繁栄の意味を持ち……と、日本だけでなくイタリアでも幸運のシンボルであります。ボディに刻まれた「si-si」なるイタリア語は、日本語にすると「はい、はい」「そう、そう」の意ですから、今の自分を肯定する意味を持っていて……などなどなど。このビジュアルの意味を紐解くこともできなくはないですが、もはやそんなことを言うのは野暮というもの。このパンチのあるデザインに目を奪われたら、背景に潜むストーリーや費用対効果なんて考えは二の次に。迷わず行けよ、行けばわかるさなアントン師匠的ショッピングを楽しんでいただきたいわけです。

ボッテガ・ヴェネタが自信を持って送り出す、ソフトナッパの風合い、柔らかさは実に肌馴染み良く、立体感のある絵柄は、それぞれレザーパッチで丁寧に貼り付けてあって。ココンチらしい職人技術の賜物であることがよ〜くわかりますよね。

時に自分自身でも理解できない“ジャケ買い”的ショッピングの気持ちよさ、最近堪能してますか？ 机上ではない体感と出会いのお買い物考。気になる向きは、四の五の言わずに行っちゃいましょう。このバッグも「si-si」と賛同してくれていますから、ね。

スペルメルカートバッグ（＝スーパーマーケットバッグ）の名のとおり、シンプルな作りですが、上質なソフトナッパレザーを使用、ヴィヴィッドなカラーとビジュアルが際立つ逸品で、男女兼用でも使えます。装いアイテムの減る春夏期はコーディネートのアクセントにも◎。リッチな皆様、ジャケ買い気分でぜひ。

このアイテムを初めてみた時、ラグジュアリーとプレミアムの違い、なんてことが頭に浮かびました。極論すれば、前者は“大いなる無駄”、後者は“カテゴリーのNo.1”ということだと思いますが、てことは、このバッグはまさにラグジュアリー。無くても生きていけると言う意味での無駄と言う表現ですが、心が弾むという点ではこれほどまでに楽しくなれるアイテムはないかも。お値段も相当で、いや〜、ラグジュアリーですな。

1966年、イタリア・ヴィチェンツァで、ミケーレ・タッデイとレンツォ・ゼンジアーロが創業。工房を意味する「ボッテガ」を冠するとおり、高い職人技術を背景にした高品質のアイテムで名を馳せ、伝統的なレザーの編み込み技法「イントレチャート」を用いたアイテムで広く知られることとなりました。2001年、トーマス・マイヤーがクリエイティブ・ディレクターに就任し、トータルファッションメゾンとしてさらに成長。2018年にはダニエル・リー、2021年にマチュー・ブレイジーが指揮を執り、その名を不動のものとしていきます。2025年1月、新クリエイティブ・ディレクターにルイーズ・トロッターが就任。新しいクリエイティブが期待されています。

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