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2022.05.29

【第63回】

夜遊び系美女が「ダメ男に惹かれる」意外な理由って?

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

写真/田中駿伍(MAETTICO) 取材/林 伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第63回のゲストは前回に引き続き、香織さん(39)です。前編では、高校中退からアパレルの販売員、デザイナーへとステップアップしたことや、離婚のきっかけなどを話していただきました。後編では香織さんの恋愛観についてもう少しお聞きします。
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あまりのだらしなさに、再婚する気持ちがなくなりました

── 前回では、「ひとつの恋愛が終わる時にちょっと被って次の人、みたいな感じ」になる、と、次の男性への助走期間があるとおっしゃっていましたね。旦那さんと離婚する時もそうだったと。その次の男性とはうまくいったんですか?

「その彼なんですが、私、実は隠してたんですよ。旦那も子供もいるってこと」

── え〜〜〜! よく隠せましたね。

「いえ、結局バレて、彼に『1カ月以内に離婚しろ』って詰め寄られちゃって」

── あ、彼としては独身同士で付き合っていると思ってたんですもんね。彼は本気だったんだ。

「そうだと思います。私も本気だったので、1カ月で別れました。これが本当の離婚のきっかけです」

── えっ、本当にそんな短い期間で離婚したんですか!? それでその彼と結婚したんですか。

「そのつもりで私も離婚したし、そうしようと思ってたんですけど、その人本当にダメな人だったんですよ。家はゴミ屋敷みたいだし、洗濯機もないし、私が家に持ち帰って、洗濯してまた戻すのを毎日のように繰り返してた。最初は苦じゃなかったんですけど、酔っ払って帰ってきてだらしない姿をいつも見せられているうちに、いよいよ疲れて、本当に無理だなって。結局は別れました」
── あ〜本当にダメな人だと思うから、再婚しなくて良かった。ちなみに、旦那さんと別れる時には好きな人がいるって言ったんですか? それ、すんなり別れられました?

「それはもう性格の不一致ってことにしました。でも、明らかにわかっているんですよ。プライドが許さないから知らん顔したんだと思うけど、じゃあしょうがないよねって。最初はもちろん揉めましたけど、私が一度言い出したら聞かないというか、覆さないのはわかっているから」

── なるほど。一回言ったら折れないということがわかるっていうのは、男性に示しておくんですか。それ最初に言っておくと楽ですよね。言い出したらもうアウトですってわかるし。

「いや、示しているつもりはないんですけど、出ちゃっているんでしょうね」

── 確かに、香織さんからそういう芯の強さは感じます。押し負けないというか。気に入ってもらえないとダメというか。今「ワンチャンいけそう」って言葉がありますけど、全然いけなそうな感じはします(笑)。

「いや、そんなこともないです(笑)」
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声をかけられたら「待ってました!」という態度になってしまいます

── 好みの男性はどんな人ですか。

「面白い人。話をしてて楽しくて、笑いのツボが合ってる人かな。私、本当に長く付き合った人って3〜4人しかいなくて。大体はセックスしても初めてした時が頂点となって、その後は飽きちゃうというか、気持ちが離れて行くんですよ。

でも、中身が好きになると体はどうでも良いって思える。ただ一緒にいれば良いかなって。でも、全員に共通して言えることは、ダメ男ですね(笑)」

── ワハハハ! ダメ男が好きなんですね。彼らは楽しいんですか。

「この人と付き合ってちゃダメだって何回も別れても、戻っちゃうし……結局は面白いんでしょうね。何だろうな、長く付き合った人は、自分の家族や友達を全員紹介してくれて、私を家族っぽく扱ってくれるから、それがよかったのかもしれません。

彼の実家に連れて行ってくれて、お母さんやお姉さんと楽しく過ごしていたんですが、彼はどこかに遊びにいって2日間ほったらかしにされたこともありましたね(笑)。楽しかったからいいけど」
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── あ〜、人間らしくて、温かくて、自分の素を見せてくれるから好きになっちゃうのかな。

「あ、そうかも! それ本当にそうだと思います」

── 香織さんは、好みの男性にはどうアプローチするんですか、スキスキ光線出すとか?

「それができないんですよ! 好きだと思ったら全然話せなくなる! 目も見れなくなっちゃうから無理無理」

── でもそうすると声かからないですよね。男性は全然いけない感じがしたら口説けないと思うんだけど。

「あ、でも話しかけられたら『待ってました!』ってうれしそうに顔も緩むから、バレてるんだと思います(笑)」

── ワハハハ! おかしい〜(笑)。待ってました、ってなるんだ。それは男性も「おっ、これはいける」って思いますよね。素直なんですね、香織さん。ではこれから再婚するとしたら、何を優先したいですか。性格重視とか、お金持ってないとダメとか。

「結婚ですよね? だったらお金。年収いくらとかは思わないけど、私、お金に関してはいまだに苦労してるので、一円でも安いものを探して買いたくない、値段で買い物したくないんです。それをしなくていいくらいの余裕があればいいです」
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幸せってお金だけじゃないですよね

── お金のある人と出会うことはマッチングアプリとかでもできますよね? 再婚を考えてアプリで出会おうとは思いませんか。

「う〜ん、お金って言ったけど、やっぱりそれだけじゃ無理なんですよね。直近の元カレは凄くお金持ちで、本当にお金はたくさん使ってくれたんだけど、手も繋がずに終わったんです。多分結婚したら幸せになったのかもしれないけど、『家を買うから一緒に住もう』って言われたら怖くなっちゃった。

生活にも困らなくて、向こうは私のことが好きで……結婚を本当にしたいって思っていたらそれでいいのかもしれないけど、結局は幸せってお金じゃないのかもしれないですね。男遊びもできなくなって、遊ぶ気もなくなったら、再婚とか考えるのかもしれないけど、今はそうでもないのかな」

── 今はまだ遊んでいるのが楽しいのかもしれませんね。可愛い人はとずっとモテちゃいますから、どうぞ楽しんでください!

【林さんから〆のひと言】

香織さん、本当に自由に好きなように生きて、羨ましい人生を送っているなあと感じました。ファッションという才能があるというのも大きいし、恋愛や人生を楽しもうという姿勢もそうさせているのでしょうね。女性が憧れる女性ですね。いつまでも楽しく生きてください。

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。

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