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2022.08.07

【第67回】

「男性がコロっていく瞬間を見るのが一番好き」な“大悪魔”美女の手口とは?

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真/玉井美世子 文・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第67回のゲストは前回に引き続き、看護師の菜名さん(26)です。前編では、初彼との嫌な経験をバネにキャバクラで男性を見る目を磨いたり、パパ活を始めたりしたことを伺いました。後編では、その後の菜々さんの恋愛模様と“大悪魔”っぷりをお聞きします。
美人はスーパーカーである【恋愛編】 清野菜名
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ヤバい男は“火遊びする程度”がいい

── 前回、パパ活が流行り出す前に自分で価格設定をして昼飲みをビジネスにしていたと聞きましたが、その後はちゃんと恋愛はできましたか。

「はい、システムエンジニアの彼ができました。草食系男子と言いますか、穏やかな人でしたね。元彼のトラウマがあって、あまりセックスしたくないって伝えたら、私がいいよって言った時だけしか手を出してこないような人」

── へ〜、いいよって言うまで我慢してるんですね。

「そう、それがたまんないんですよ〜(笑)」

── あ、男性をコントロールするのってたまんないですか。
美人はスーパーカーである【恋愛編】 清野菜名
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「そうですね、どちらかというと、自分が転がせられる男性との方が恋愛はうまくいくんだなということが、2番目に付き合った男性から得た分析結果でした」

── 菜名さんはもう、オラオラ系の男性は好きにならないですか。

「今でも、そういう男性が好きな女性の気持ちはわかります。私は映画を見るのが趣味で、物語の中ではオダギリ ジョーみたいなヤバい奴がめちゃくちゃ好きなんですけど、そのタイプはたまに火遊びする程度がいい。実生活ではコントロールをちゃんとしておきたいなと思ってます」

── そうか、真面目にお付き合いする男性と火遊びする男性で使い分けているんですか。火遊びする人とはセフレのような関係になるってことですか。

「あ〜キス止まりですね。寝ないです。私、性欲はそんなにないんですよ。だからこそ、ただ一緒にいるだけで楽しいって思ってくれる男性のことは、私も好きになっちゃう」
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3、2、1で男性が落ちるのを見るのがたまらないんです

── なるほど、逆にそこまでならないと好きにはならないし、寝ようっていう気持ちはないんですね。

「思わせぶりで寸止めしているところはあるかもしれません。それで男性が悶々としている姿を見るのもたまらないんです(笑)」

── いけるんじゃないかって相手に思わせて、恋愛の春ばかりを楽しむ女子っているんですよ。そういう気持ちなんですね。やっとわかりました。でも、キスは楽しいんですか。

「うん、キスは楽しい。上目使いでキュンってして目が合った時、3、2、1、で男性がグッときた表情して、あ、落ちてる落ちてるってなるのが好き。多分、男性脳なんですよね、私。男性が『女性を落とす』というのと同じ感覚で、男性がコロっていく瞬間をちゃんと見るのが一番好きなんです(笑)」

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── あ〜なるほど! やっとわかった! 男性がコロッと落ちていくのを見るのがたまんないんですね。

「そう。たぶん男性ってその先にセックスがあって、そこをめがけて進んでいくんだけど、女子はマックステンションのボルテージの場が違うんですよ。友達に話すと小悪魔を通り越して“大悪魔”だねって言われます」
美人はスーパーカーである【恋愛編】 清野菜名
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彼を追いかけて「先生と飲みに行きたいです」とだけ伝えてピュ~って帰りました

── ちなみに今、付き合っている人はいるんですか。

「はい、同じ職場の医師とお付き合いしています」

── お医者さんって2種類に分かれるって聞くんです。遊びまくってる悪い男もいるけど、本当に普通の感覚で、落ち着いている人もいて、彼はどっちですか。

「落ち着いた人です。そういう感じの人を狙って付き合うので(笑)」

── そうだった(笑)。 それってどうやって捕まえるんですか? これ、女性読者全員が気になっていると思うので教えていただきたいです。
美人はスーパーカーである【恋愛編】 清野菜名
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「彼は6歳上なんですが、まず看護師のいる飲み会には来ないんですね。で、職場で一同僚として話した時に、ちょっとを私がニコッとしただけで凄く赤くなったんです。あ〜これは狙い目だな〜って思いました(笑)。私、長期的にお付き合いしたり、結婚したりするなら絶対に浮気されたくないんです。それくらい女慣れしてない人と付き合いたいなって思ってたので」

── そんな彼をどうやって誘うんですか。

「病棟に来て仕事を終わらせると、先生はピュ~っと自分のデスクに戻っちゃう。だからその時に『先生待ってください!』って追いかけて、周りに誰もいないことを確認してから『先生と飲みにいきたいです』って言って、ニコって笑ってピュ〜って帰りました(笑)」

── えええええ〜〜(笑)。

「わざわざ走って、はあ、はあってして」

── あ〜〜可笑しい〜〜!  そりゃもう落ちるわ〜。
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男子校育ちの彼を確実に射止める手口

「そしたら彼は『なんでわざわざ走ってそんなこと言いにきたんだろう』って思いますよね。そうやって着火させて、信頼できる先輩ナースに協力してもらって、3人で犬カフェに行きましょうって誘いました。その時に『先輩、私、彼とふたりで行きたいので、体調不良ってことにしてくれませんか』って頼むんですよ」

── 凄いな〜(笑)。

「良い先輩だったんで、快く送り出してくれて(笑)。ふたりで犬カフェに行ったのが最初です」

── その後どうやって恋人まで持ち込んだんですか。

「彼は男子校育ちで本当にウブなので、これはデート、とかカップル、とか明らかに好意を寄せていることがわかるワードを使わないと伝わらない。そうやって気があることを伝えまくって、その年のクリスマスの前、丸の内のイルミネーションを見ながら、寒空の下で告白させました!」

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── させたんですか!? させた! 凄い。その後、ちゃんと彼は段階を踏めたんですか?

「はい、私が初めてだったみたいです」

── どんな人なんですか。

「清潔感がある人です。医者一家ではなく、普通の家庭で育ったのに勉強ができて、塾に行かないで医学部にストレートで受かったって。そういうところが好きなんですよ。淡々と勉強して、職業として医者を選んでいる、出世欲とかはそんなにない、緩い余裕を感じるのがいいんです」
美人はスーパーカーである【恋愛編】 清野菜名
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稼ぐ男も地位のある男も、結婚の対象にはならないかな

── それはいいですね。その彼と結婚の話は出ないんですか。

「出ていますけど、まだ私の覚悟が決まってなくて。彼は凄く一途で誠実だし、ちゃんと生活を共にできる人なんです。でもいつか自分が傷つけちゃうんじゃないかなって。ガツンと強制的に籍という枠に入れられたら、逃げたくなっちゃうかもしれない。それが少し不安」

── そこまで自分のことを分かっているって凄いことです。

「うん、そんなことになったらあちらの家族にも迷惑かけちゃうし。結婚するなら彼以上の人は生涯現れないだろうってわかっているし、いい人なんですけどね」

── このインタビューで30代の女性にもたくさんインタビューしていますけど「20代の時に付き合っていたあの彼と結婚しておけばよかったんだろうなって分かっているんです」って話はたくさん聞いてますよ。それですよねたぶん。

「それですよ。きっと10年後、『なんであの時結婚してなかったんだろう』って思う、その選択をした人です。そうなることはもう分かってる(笑)」
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美人はスーパーカーである【恋愛編】 清野菜名
── もう一度念押しみたいに聞いちゃいますが、稼いでいる男とか、有名な男と結婚したい気持ちはありませんか。

「パパ活で学んだことは、お金や地位がありすぎると男性は女性を口説くし、綺麗な女性も近寄ってくるってことです。あの時に口説いてくる男たちに鞍替えして、結婚って道も全然アリではあったんですが、果たして10年後、その寄ってくる女たちに自分が勝てるかというと、自信はなかった。だから稼ぐ男も地位のある男も結婚はナシだな、と思いました」

── おお〜、「自分の市場価値」から始まって、ちゃんとここで落としましたね。話の流れも素晴らしい! 今日はありがとうございました。
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【林さんから〆のひと言】

奈名さんは行動力と、自分の感情の動きを客観的に見つめられる冷静さがあるから、男性を上手くコントロール出来るんですね。多くの女性ってそれが難しいみたいで、素晴らしいと思います。これからもお幸せに!

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。

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