2022.10.09
第68回
肉食系な美人エステティシャン。彼氏がいない時はどうする?
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
写真/田中駿伍(MAETTICO) 取材/林 伸次 文・構成/木村千鶴
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第68回のゲストは、優子さん(31)です。
親には愛されて育ったけど、なんとなく自信がなかった
「本当ですか!? うれしいです。今日はよろしくお願いします」
── ここでは芸能人などの名前を借りてニックネームで呼ぶことになっているんです。あ、新木優子さんに似てるって言われたことないですか。
「これまで言われたことはないですが、うれしいです。今日は優子さんになります(笑)」
── では優子さん、きっと素直にすくすく育ったんじゃないかなと思うんですが。
「そうですね。母からは可愛いよ、特別だよと言って育ててもらったんですが、子どもの頃は自信のない子でした」
── 親がそう言って育てると、自己肯定感が上がるとはよく聞きますけど、そうじゃない場合もあるんですね。
「そんなこともないのかな。初めて男の子と付き合ったのは中学生の時。でも、みんなで集まって遊ぶくらいのことしかしませんでした。高校生の時に付き合った男の子とはキスをしたくらいですね。本格的に付き合ったのは、大学で東京に出てきて、ひとり暮らしを始めた頃からでした」
── 大学生になってひとり暮らしを始めると、ちょっと遊び方は高校生とは違ってきますよね。お付き合いした相手は大学内の人ですか。
「いえ、友達の友達です。どちらかというと大学はあまり楽しくなくて、バイト仲間とよく遊んでたので、その関係ですね」
── どんな人だったんですか? カッコよかった?
「う〜ん、そうですね、カッコいいというか、元ヤンチャ系(笑)。今まで悪さをしてきたりしたけど、これからはもっと真面目に一途に生きたいと思ってるタイプと言いますか」
「そうですね。彼は周りの環境が良くなくて、巻き込まれてきたような感じだったんだろうと思います。ピュアな人でした。私と別れた後早い段階で結婚して、真面目に家庭を築いています」
大学を卒業しても進みたい道が見つからなくて迷走してました
「自分の選んだ学科に迷いが生じていたんですね。そういうこともあって、大学が楽しくなかったんだと思います。就活の時期になってもどうしてもしたい仕事が見つからなくて、決まらないうちに4年生の12月になっちゃった。だから、卒業した後に美容の専門学校に入り直したんです」
── その専門学校で学んで、仕事はどうでしたか。
「やりたいことがあって美容の専門に入ったんですが、一本でやっていくにはとてつもなく時間とお金が厳しい世界だということがわかりました。もうその頃はかなり迷走してましたね。卒業してからもひとまずバイトをしながら、とにかくいろんな人と知り合っていこうと人脈を広げて。その中でフリーで美容師として活躍している人と出会って、その人からさまざまな技術を学ばせてもらいました」
「はい、そうしていくうちにエステサロンなどを経営している人と出会い、エステの施術も習うことができました。そこからフリーランスの仲間で集まってサロンを構えたんです」
── 凄い、ちゃんと迷いながらもしっかり前進してる。では今はサロンでのお仕事を?
── えっ! お肌が凄く綺麗な方だなって思っていたんですけど、アトピー性皮膚炎だったんですか。
「本当ですか!? ありがとうございます。はい、もう小さい頃からずっと。結構ひどかったんですよ」
「正しい知識とケアの方法を知ることが大事です。身体の原理をちゃんと正しく理解するとか、化粧品やケアの製品はどう作られているかとか。正しく知ることで、改善につながるケースは多いですね」
── 正しく知る、ですか。でもそのお仕事をしていると、お客さんも女性中心だから出会いは少ないですよね。
「その中ばかりだったらそうですけど、私は結構どこでも顔を出しますし、バイトの時には夜の仕事もしていましたし、男友達も多いので結構出会えている気がします」
私の場合は単なる性欲です(笑)
「あ〜、今言ってくださったようなことは全然なかったです。え〜っと私、20代は結構遊んできたんですよ(笑)。彼氏がいたら一途になりますけど、彼氏じゃなければ、相手を悲しませなければ、遊んでもいいだろうという価値観です」
「そう、向こうもこちらもフリー。でもどっちかに好きって気持ちがあると傷つくじゃないですか。例えばワンナイトするってことがあったら。相手にそういう気持ちがなければ遊んでもいいよねという感覚なんです」
── あ、なるほど。彼氏がいない時はワンナイトありなんですね。それは楽しいんですか? 男がなんかこう、口説いてくる感じがたまんないって話はよく聞くんです。可愛いって言われて、「この男私のこと好きなんだ〜」ってあの感じがたまんないって。
「あ〜そうか、確かにそれもいいですね。自分が特別にされてる感じとかチヤホヤされるのって、やっぱり女子は好きだと思うし。それは私も好き。ただ私の場合は、単純に性欲だと思います(笑)」
「これ、女子は分かれると思いますよ。それ自体が好きな人と、出来ることならセックスしたくない人と」
「いい男がいると、というのはないと思います。飲んでる時はありますが、あとは生理前に性欲が高まるとか、ホルモンバランス的にそうなる時があるんです」
── その日はそういう帽子をかぶってくれたりとかすると男子もわかるんですけどね〜。
「アハハハ、そうですね!」
後編に続く。
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。