2023.12.04
【第85回】
「好みの男の押しにはめっぽう弱い」美女がたどり着いた今とは?
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/椙本裕子 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第85回のゲストは、前回に続いて里依紗さん(30)です。前編では、手慣れた相手にセフレ扱いされてしまったことなどを話していただきましたが、今回もまだ波瀾万丈なお話しが聞けましたよ。
名刺を渡すナンパも成功することがある!?
「コンビニで夜勤をしていた時、スーツの似合うカッコいい人に名刺を渡されて。普段そういうのって連絡しませんけど、ちょうど辞めるタイミングだったので、連絡してから会うようになった人がいます」
── その方法も成功する時はあるんですね。見た目が良かったらの話かもしれませんが。
「タイミングの良し悪しはあると思いますよ。で、食事に行ったんです。その帰り道で手をつながれて、なぜかそのまま向こうの家に……」
── 行っちゃったんですね。もしかして押されると弱いですか。
「好みの男性だったら弱いかもしれないです(笑)。でもその日、向こうに付き合おうって言われたんですよ。ただ、さすがに知り合ったばかりだから断って、そのまま曖昧な関係を続けてしまい」
── ええ! だったらそのまま付き合えばよかったのに。
「そう。だから、このセフレの関係が続くのは嫌だと、どう思ってるのか、あなたにその気がないんだったら私はもう会わないしと聞いたんです。そうしたら『今は付き合おうと思ってない』って言われて、びっくりしました。先に自分から告白したのに、断るんだ? って(笑)」
── 尻尾振って乗ってくるかと思ったら(笑)。
「本当に! マジか〜と思って、じゃあわかりましたと言って帰ったんですね。そこから1ヶ月くらい経ってから、家にあるものを返したいから会おうと呼び出されて、その日に告白されて付き合いました」
── それは本当に良かった! 時間が経つとプライドもあるし、しらけちゃったりとかもしてるし、タイミングって難しいですからね。その人と結婚の話は出ませんでしたか。
「相手の実家にも行って、そうなったらいいなともうっすら思いましたが、相手の職業が夜の仕事だったので、うちの親もいい顔はしないし、積極的にそういう話にはならなかったです」
── そうか、将来が見えづらい職業かもしれません。
『俺は今付き合っている人より幸せにできる自信があるよ』と言われて
── そりゃ好きですよ。なんとも思っていない社内の人間とふたりで飲みに行ったりしませんから(笑)。
「ちょうどその頃、私は彼氏と喧嘩してたんです。その日はオーナーとご飯を食べた後、一回お店に戻ってUNOをしようということになって。負けたら罰ゲームとして『好きな相手に言ってほしい告白の言葉』を言うルールで遊んでいたんです。だいぶ盛り上がって、私が負けてしまって。でも恥ずかしいから言いたくないので、院内を逃げ回ったんです」
── はいはい、イチャイチャな感じです。
「で、マッサージのお店だから、ベッドがいっぱいあるじゃないですか」
── いっぱいありますよねえ(笑)。
「そこで私はちょっと仕掛けました。ベッドの方に逃げてから、『もう疲れた〜!』という感じでベッドに座って」
── アハハハもう可笑しい〜。
「そうしたら、まあ案の定そうなったんですが、彼が『俺は今付き合っている人より幸せにできる自信があるよ』って言ってくれたんです」
── おぉー!
「そうだな〜、オーナーの方がしっかりしてるしな〜と思って、彼と別れてオーナーと付き合い、結婚しました」
── オーナーと結婚されたんですね! しかし女性ってそうやって仕掛けるものなんですね。
「仕掛けますね。結構やると思いますよ」
「7年続きましたが、昨年離婚しました。子どもは作らなかったです。彼、借金があったんですよ」
── 離婚されたんですね。でも事業を起こす時に借金はするものですけど、返しきれないほどだったんですか」
「いえ、それ以外にもあって、投資で失敗した借金ですね。すごい金額に膨れ上がってしまって……ちゃんとした人なんですけど、そういう賭けは下手なんだと思います」
── そうか〜。それは大変でしたね。
「はい、それでもう私といるのが辛くなっちゃったと。申し訳ないのもあるし、罪悪感があると言っていました」
── お金がないと男はそうなっちゃいますよね。
「ただ離婚の引き金はそこではなく、彼のグレーな浮気の発覚だったんですが」
── グレーな浮気?
「はい、相手の女性と不動産の内覧に行ったやりとりがメールに残ってて、それを見つけちゃったんですよ。それを問い詰めてから彼の態度が変わってしまったんです。無意識らしいんですけど、すごくそっけなくなってしまい、私の方が耐えられなくなってしまいました」
── あ〜、苦しい。男性代表として謝ります、ごめんなさいって。
「ありがとうございます(笑)。それでこちらから、もういいよ、離婚しようと言いました」
今は、お気に入りの子がいます♡
「はい、大丈夫です」
── あ〜良かった。そこはちゃんとしてくれましたか。でも女性って離婚すると急にモテるって言いますよね。
「本当にそうですね(笑)。今はめっちゃ遊んでます」
── まだまだこれから恋愛も結婚もありそうですもんね! 今、本気で付き合う人は探してますか?
「お気に入りの子がいるんですよ〜。話も合うしとにかく一緒にいて楽しいし、お酒も飲める。でも彼女がいるんですよね」
── じゃあ、狙ってるんだ。彼女と別れろ〜って今思ってるんですね。
「本人に言ってます(笑)。別れればいいじゃんって」
── ワハハハ、別れちゃえ、それで私と付き合おうよと言うんですか?
「あ、私と付き合おうとは言わないです。それは別の話ですから」
── そうか、それは重いですね。それを言われて彼はなんて言うんですか?
「もうすぐ別れるんだと言っています。まあそんなのは絶対に嘘だろうと思っていましたが、周りに聞いたらどうやら本当っぽいです」
── 彼と恋人になれたらいいなとも思うし、凄くモテそうだからまだこれからいろんな人とも出会うでしょうし、きっとたくさんいいいことが待っていると思います!
「へへへ。ありがとうございます」
【林さんから〆のひと言】
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)。