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2024.06.29

【第94回】

「初めて付き合った彼は、アレが気になりすぎて蛙化しました」

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)

「ワイングラスの向こう側」(KADOKAWA)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第94回のゲストは、美桜さん(25)です。
美人はスーパーカーである 恋愛編 大人 モテ エロ ラブホテル
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初めての彼は、TwitterのDMがきっかけで付き合いました

── こんにちは、林です。今日はよろしくお願いします。

「はい、よろしくお願いします」

── 早速ですが、まずはここでのニックネームをつけたいと思うんですが、誰かに似ていると言われたことはありませんか。

「え〜、誰だろう。あ、一度、今田美桜さんに似ていると言われたことがあります」

── 確かにクリっとした目が似ていると思います。今日は美桜さんと呼ばせてください。

「はい、とても光栄です」

── まずは最初にお付き合いした人の話から教えていただいていいでしょうか。

「はい、高2の時にTwitterのDMがきっかけで付き合った人が初めての彼でした」

── Twitterで本当にそういうことがあるんですね。

「たまたま回ってきた投稿の動画に私がいいねをしたら、メッセージが来たんです。『いいねをありがとう!』って(笑)」

── なるほど! そういう風に始まるんだ。

「友達の友達みたいな距離感だったので存在は知っていたんですが、彼はちょっと遊び人風なので近寄らないようにしていたんですね。でもそのツイートが動物の動画でしたから彼って気付かず、そしたら連絡が来てまんまと引っかかった、って感じです」

── やっぱり彼は遊んでる人だと思いました?

「そうでもないんですが、確かに連絡の仕方は上手だったかもしれないです。とはいえ3、4ヶ月ぐらいで振られちゃったから」
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「寂しいから別れよう」って、ふつう逆じゃない?

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── あらら。理由はなんだったんですか。

「彼は指定校推薦で大学が決まっていましたが、私は受験生だったのでなかなか会えなかったんです。それを理由に『寂しいから別れよう』って言われたんですよ。勉強が忙しいからって私が振るならわかるけど、ふつう逆じゃない?って思いました」

── ワハハハ!まあ要するにたくさん会って、いろんなことしたかったんですね。彼とはキスとかはあったんですか。

「ファーストキスはその人でした。でもキスまでだったんです。それ以上のことは怖くて。自分の体にも自信がなかったし」

── こんなに可愛らしい方なのにそう考えるんですね。

「だからこそかもしれないです。見た目はいいと思ってくれても、脱いだら『思ってたのと違う』って思われたらどうしようって」

── そうか、そう思っちゃうのか。
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キスをしたら鼻息祭りみたいになっちゃって、すっかり冷めました

── “でもキスはしたい”という女性は意外に多くてちょっと不思議なんですが、なんでキスが好きなんですか?男性はキスはひとつの通過点と考える人が多いんです。

「う〜ん、相性がいいかどうかみたいなことはわかりますよね。唾液の味?みたいなのがダメな人とはキスしても気持ちが良くないし」

── やっぱり女性ってキスで確認しているんですね。違うと思う時もあるんですか。

「ありましたね。大学に入ってすぐに付き合ったサークルの先輩がそうでした。新歓の後ご飯に誘われて、2回目のデートで告白されたんですけど、多分私は押されたら結構ちょろいタイプで(笑)、5月にはもう付き合っていました」

── 押しに弱いんですか(笑)。

「はい(笑)。でも、その彼とも長続きはしませんでした。デートの帰りに公園でキスをして、その後ホテルに誘われたんですが、その時点ですでに蛙化してしまっていたというか」
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── 嫌なところが見えた?

「あのですね、彼がすっごく鼻息が荒い人だったんですよ。手を繋いで歩いたら、もう鼻息が気になっちゃって仕方なくて」

── えええ〜〜そんな理由〜(笑)。

「“カッコよくて落ち着いた先輩”というイメージだったので、入りからもうハードルが上がっていたのかもしれません。それで余計に『鼻息が荒くてなんか嫌だな』って思っていたところに、キスで距離が近くなったらもう“鼻息祭り”みたいになっちゃって。それですっかり冷めてしまって、3日後ぐらいに私から別れを切り出しました」

── 鼻息祭り(笑)!! 彼はすぐに納得しなかったんじゃないですか? 20歳そこそこだし、なんで嫌われたんだろうって考え込んだかもしれないですね。

「そうなのかもしれませんが、彼には童貞を早く捨てたいという気持ちがあったみたいで、その焦ってる感じが伝わって、余計に……」
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この人を笑わせてみたい、オトしたいと思った

── そうか〜、そういう感じ、女子にとっては嫌かもしれませんよね。その後は誰かとお付き合いしましたか。

「はい。その年の秋頃かな、授業で隣の席になったのがきっかけで付き合うようになって。まあ色々ありましたが、それが今の彼氏で、今年6年目になります」

── え、凄い! 6年ずっとその彼と付き合っているんですか?

「一度別れた期間はありましたが、そうですね」

── 彼はどんな人なんですか。

「ちょと地味な感じの人で、女っ気がない雰囲気。そういう人に惹かれがちで『あ、この人を笑わせてみたい、落としたい』と思っちゃって」

── へぇー。

「女っ気がない人って、笑いかけたり話しかけたりすると、焦ったりするじゃないですか。あれがいいんですよね(笑)」

── あ〜わかります。そういう女性がいるのは知っているんですけど、でも美桜さんはそういうタイプには見えないですね。
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イケメンよりも、女っ気のない人を惚れさせるのが好き

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「逆にイケメンを前にすると緊張しちゃうので、彼みたいな人を自分の方から好きにさせる方が好きかもしれません。それで好意を持たせて、ご飯とかに誘ってもらって、結果告白してくれた、みたいな感じです」

── イケメンにオラオラ来られると無理で、いいなと思った男性にそれとなくアプローチして、向こうを夢中にさせるのがたまらない、という女性はたまにいます。

「あ、それです」

── 彼のいいところってどこですか。

「とにかく私のことが大好き。就活の時にも私に休日を合わせてくれましたし。背が高くてスマートで、ちゃんと包容力もあって」

── それはいいですね。すると彼って他の女性からもモテるんじゃないですか?

「いや、どうなんでしょう。女子の友達には『今の彼氏じゃもったいないよ』って言われていますから(笑)」

── 女友達にはそう言われているんですね。彼、頑張らないと(笑)。長く付き合っていたら結婚の話も出るんじゃないですか。

「そんな匂わせはありますが、私はまだ結婚とか考えられなくて。それに私、彼が初体験の相手なんですよ」

── あ、そうか。大学1年の時に付き合った人ですもんね。わぁー気になる。その彼との話を後編で詳しく聞かせてください。

後編に続く。

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(‎幻冬舎)

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