2025.04.13
【第105回】
「控えめなイケオジにキュンと来る」美女がつい惹かれちゃう男性って?
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第105回目のゲストは、前回(こちら)に続いて風花さん(23歳)です。
前編では、学生の頃は自分に自身がもてずに男性の求めに嫌々応じていたこと、モラハラ気質な男性付き合いがちなことを話してくれました。後編では、そんなモラハラ男性との恋愛を深堀ります。

彼氏が奢ってくれていると思っていたら"ツケ"でした
「ありました。人の話を聞いていないから自分のことばかり喋っているし、基本的に自分より仕事ができない人が苦手というのがもうビンビンに伝わるし。ちょっと愚痴をこぼしたら、共感せずに『お前が悪い』と。付き合う前からその予兆はありましたし、付き合った後もそうでしたね」
── え〜、感じ悪いなあ。でも運命を感じちゃうと目を瞑ってしまうか。付き合ってからはもっとひどくなったんですか。
「お金に関して揉めました。彼は『お前のせいで金がない』とか文句を言いながらいつも奢ってくれるので、そう言いつつ奢るというスタイルの人だと思っていたんです。ありがたいというか、彼を立てて奢ってもらっておく、という部分もありました。でもそれ、奢りじゃなくてツケになっていたんです」
── え!? ツケ!? 彼がそう言ったんですか?
── えええええええ!? そんな人いるんだ。うわあ〜気持ち悪い。凄いな。それ大丈夫でした?
「いや最後の方は20万円くらいになっていて、これを払わないでいなくなったら刺されそうと思ったから、計画的に返しました。で、払い終わってから『もう無理』って別れを切り出したんですよね」
── そんな人好きでいられませんよね。
「はい、その前にも何回か別れたいとは言ったんです。でもその度に『君がいないなんて考えられない』と言われて戻ってしまって」
── 彼も好きなんでしょうけど、やり方がねえ。
「大学生の頃は良かったんです。同じ分野で得意なことが違うし、センスも合っていたから、お互いに尊敬があった。でも就職してから関係がおかしくなってしまって」

売れ残ったイケメンには何かがある
「同じ業界に就職したんですが、私は大手、彼はベンチャーに行ったんですね。彼はプライドが高いので、ベンチャーに行ったこと自体面白くないと思うのですが、仕事の話でバチバチしてしまって。何かといえば理詰めでものを言うし、私のちょっとした話を曲解してわざと傷つくように責めてくることが増えました」
── それは相当なモラハラ体質だと思います。仕事の嫉妬も絡んでると思うなあ。厄介ですね。
── 奢るという行為には何かの意味がありますからね。
「そうなんですよね。いろんな思惑があってお金を出すんでしょう。元彼の場合は見栄だったと思いますが、その時点でちょっと浅いし、今の私は自分で払えますから」
「自分はもうおじさんだから」って言う方が女子はキュンときます
「う〜ん、なんだろう。やっぱり『この人に抱かれたい』って思う瞬間って、その人に認められたいってちょっと思った時だと思うんですよね」
「私の場合、魅力的で余裕のある、尊敬できるような男性が対象になるのですが、そういう男性から求められると、よっしゃ〜!と思います」
── そうか、それってちょっと年上の男性ってイメージですけど、年上のイケオジみたいな人にガンガン口説かれるといい気分になる?
「あ〜、ガンガン来ないほうがいいと思います。下心を感じると簡単に手に入っちゃう感じがするので、抱かれたいとは思わないかな。結構年上の人だったら『もう自分はおじさんだから』って言ってるほうが女子はキュンてすると思う」
── え、そうなんですか。本当かなあ(笑)。

── 実際にそういう経験ってありました?
「一回だけ。見た目が好みだったし、酔っ払っていたのもありますが、その人に認められたい、夢を応援したいって思っちゃってあっさり寝たことがあります。すごく年上なのに『夢があって』なんて明らかにヤバい奴の言うこと、ほぼホストの口説き文句なんですけどね」
── わ〜、そう思っててもいっちゃうのか〜。
「遠回しじゃなくて、下心を隠すような怯えもなく、ストレートに誘われたんです。そんな風に言ってくれるんだったらOK、全然行っちゃうよ〜って(笑)」
── なるほど、それは上級者しかできない誘い方かもしれませんね。やっぱり自信なのかな。
「そう、自信があって、私のことをちゃんと見てくれる、素敵だよと褒めてくれる、それは口説かれちゃいますよ」
── 余裕と自信ですね。とても参考になりました。今日はありがとうございました!

【林さんから〆のひと言】

■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)、『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)。最新刊は『恋愛は時代遅れだというけれど、それでも今日も悩みはつきない』(Pヴァイン)