2025.01.04
【第100回】
女子校育ちの美女「初めての時に上手くできなかったら、AVを見せられました」
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(Web LEON)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
記念すべき第100回のゲストは、春奈さん(30歳)です。
ドラマみたいな恋愛に憧れた女子校時代
「こんにちは、素敵なお店ですね。こちらこそよろしくお願いします」
── ありがとうございます。早速ですが、お話を始める前にここでのニックネームを決めたいのですが、誰かに似ていると言われませんか。
「ああ、そうですね。川口春奈さんに似ていると言われることがあります」
── 確かに似てる! では春奈さんで決まりですね。春奈さんのご職業は何ですか。
「舞台中心の俳優をしています」
── あ、お芝居をされている方なんですね。いつ頃から始めたんですか?
「大学生になってから本格的に始めました。中高はとても校則の厳しい女子校だったので、卒業してからです」
「中高生の時には誰とも付き合っていません。周囲の人も彼氏がいる子はほとんどいなかったんです」
── そうなんですね。中学校受験には理由があったんですか。
「兄が地元で話題の問題児だったんです(笑)。アイツの妹だって言われるのも嫌だったし、母も受験した方がいいと言って、それで受けたのがたまたま女子校でした」
── あらら、お兄さんが(笑)。それは大変でしたね。でも校則が厳しくてもデートくらいしたいとは思いませんでしたか?
── おお〜! やっぱり男の子と付き合ってみたかったんですか。
「はい。とはいえ、当時は習い事に夢中だったので、強く欲していたわけでもなかったんです。ただ、ドラマとかを観て、いいなぁ、あんな青春してみたいな、とは思っていました」
男性経験がないと大学で舐められるかもと思っていました
「そうそう! 結局、その彼とは何もせずに大学生になりました。でも、大学に進学する前に恋愛を知っておかないと、という焦りはあったように思います」
── へえ〜。男性は大学デビューの時に童貞かどうかってすごく差があるんですけど、女性もあるんですよね。
「なんか、話に入っていけないんじゃないかって思っちゃって」
── そうか。真面目な学校出身だし、大学に行ったら遊んでる子たちがいっぱい来るかもしれないし、そういう考え方なんですね。
── そんな風に思うんですね。なるほどな〜。大学ではどうでしたか。新歓などで抜群にモテてしまいそうですけど。
「サークルに入って良い思いはさせてもらったんですが、ガツガツした人はいなくて、本当に優しくて面白い先輩ばかり。仲間意識は芽生えましたがサークル内で恋愛は起きませんでした。でも、国立大の学祭に行った時に医学部生にナンパされて、その後付き合うようになりました」
初めての彼はリードしてくれず……
「斎藤 工に似た、エロっ気のある6コ上の人でした。初めてはその彼です」
── 初めての時って「あ、これは来るな」みたいな感じはあるんですか。
「これはそうだろうなとは思っていました。でも何もわかんないし、彼に初めてって言ってなかったんです。でも、したことないってすぐにわかりますよね。最初頑張ってみたんだけどうまくいかなくて、そうしたら彼はテレビをつけてAVを流して、『これと同じようにやってみて』と言いました」
── え〜〜〜!! それはちょっと変です。
「凄いですよね(笑)。『これ見た方がわかりやすいでしょ』みたいなこと言ってましたけど」
「そう。一生懸命見て真似してみるみたいな。だから『初めてってどうだった?』って聞かれても、覚えてないんですよね」
── その彼とはその後上手くいったんですか。
「しばらくしたらあまり連絡が取れなくなって、自然消滅しました。実習が始まるとあまり連絡が取れないとは言っていたんですが、私はその頃から舞台の仕事をしていて忙しく、お互い忙しいなら好都合と捉えていたんです。でも彼は自分の都合に合わせて、なんとしてでもスケジュールをあけてほしという考えで、無理でした」
── え〜わがまま! やっぱりそういう人ってわがままなんだ。なかなか最低な思いをしてしまいましたね。
先輩のオススメのお酒を飲んだら記憶がなくなって
── えっ、どうしたんですか。
「大学が自宅から遠く、仲間のみんなで飲んでたら終電を逃してしまい、そのままとある先輩の家に行ったんですよ。バイトでバーテンダーをやっているようなちょっと派手な先輩で、家にもバーカウンターがあって。
それで『どんなお酒が飲みたいの?』って聞かれて、その頃の私はもうイキがっちゃってたので(笑)、『先輩のオススメをください!』なんて言っちゃって。出されたお酒をクイっと飲んでから記憶がなくなりました」
── ひどい!! それ常習的ですよね。
── それは賢明な判断だと思います。後編では良い意味で心に残っている恋愛談も聞かせてください。
後編に続く。
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)