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2022.01.16

【第55回】

中条あやみ似美人トリマーが落ちた瞬間「酔って暴言を吐く私に彼は……」

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? 「ワイングラスのむこう側」(cakes)で人気の林伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真・構成/木村千鶴

「ワイングラスの向こう側」(cakes)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第55回のゲストは前回に引き続き、あやみさん(29歳)。

前編は20代前半で18歳上の彼氏がいたこと、その彼は奥さんと離婚していなかったこと、悪いオジサンの魅力などを聞かせていただきました。後編ではその後のあやみさんの恋愛について伺います。
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年下は恋愛対象じゃなかったけど?

── 18歳上の元彼は、大人の余裕もバイタリティもあったようですが、そんな男性と付き合ってたら、同世代の男子は太刀打ちできないんじゃないですか? 今恋人はいますか。

「今は2歳年下の彼がいます。最初は愚痴を聞いてもらう友達でした。一昨年だったかな、飲食店を立ち上げたって聞いて、お祝いにお花を贈ったんですが、コロナ禍で連絡が途絶えてしまい、経営が大変なのかなと心配してたんです」

── その時点で何もないんですよね? お花を贈ったってことは、気になってたんですか。

「いや、年下なのに頑張ってるから応援したかったんですよ。連絡が途絶えてから1年くらい経ってインスタグラムのストーリーが更新されたので、『生きてたの!?』ってメッセージ入れたら返事が返ってきて、それをきっかけに食事に行ったんです。それから何かしら理由をつけて、毎日のように私の家に来るようになって(笑)」

── あ、もうその時にはそういう関係になってるんですよね?

「いえ、これがちゃんと付き合うまでは指一本触れてないんです」

── えっ! 家まで来てるのに!?

「はい、それが凄いな〜って思って。私の中で、年下は恋愛対象じゃなかったんですね。でも彼は優しいし、会ったら楽しいし、一緒にいて苦じゃなかった」

── お付き合いに発展したきっかけは何だったんですか。
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酔っ払って暴言を吐く私に、『彼氏にならせてもらえませんか』と

「私が外で飲んでてベロベロに酔っ払ってしまったことがあったんですよ。それで終電を逃してしまい、タクシーで帰る途中に『今日も家に来るんでしょ。ポカリとカップヌードルの醤油が欲しい』って電話しちゃったんですよね(笑)」

── はいはい、酔っ払ってね(笑)。

「そう(笑)。それで私が『盛大に気持ちが悪い』とかあれこれ言ってたら、『終電で向かう』って言ってくれたんです。でもよく考えたら、彼の家は遠かったので、本当は終電ないんですよ、とっくに。でも、その時は酔っ払っていたから気づかなかった」

── わ〜彼優しい〜! 心配だったんですね。それで、来てくれた?

「はい、ポカリ2本とゼリーとカップヌードルを持って、お待たせ〜!って(笑)」

── おお〜。

「その時、私もうゲロゲロだったんです。トイレで吐いていたら、ドアの外から『はい、これで口を濯いで、これひと口飲んで』とか声をかけてくれて。それで私、後悔しちゃって。こんな醜態を晒して、嫌われちゃうんじゃないかって。

涙がポロポロって出ちゃって、その時に“好きなのかな”って気づいたんです。だから『よし、謝ろう!』と思って、トイレのドアと開けたんですが、口から出てきた言葉は『毎日毎日うちに来て、お前、私の何なんだよ!』だった(笑)」
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── え〜そんな! なんで!?

「自分でもわからないんですよね、酔っ払ってるから。そんなひどいこと言ったのに、彼は『彼氏にならせてもらえませんか』って言ってくれたんです。で、私は『その言葉を待ってたんだよ』って言って、そのまま寝落ちしてしまいました(笑)」

── おお〜! 彼すごくいいヤツじゃないですか!

「はい、本当に。それで朝起きて、『全部記憶はあります。どうもすみませんでした!』って謝って、付き合ったって感じです」

── いいじゃないですか〜。そんな風に言われたら普通は優しくできないですよ! 今は彼とどうしているんですか。

「彼が自分の家を引き払って、私の家で一緒に住んでいます。彼は会社がちょっと遠いんですが、バイクで通っています」
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付き合ったら、相手が悲しむことは絶対にしません

── そうなんですね。なんかいいな。お話を聞いていると、付き合った人数って少なそうですよね。すみません、立ち入ったことを聞きますが、恋人がいる時に、浮気をしたことはありましたか?

「それはありません。相手が悲しむことは絶対にしないです。でもフリーの時には自由なんで、回数はそれなりに稼いでいますよ(笑)」

── あ、そっか、フリーの時は自由に楽しむけど、付き合ったらしない。彼は浮気しているかもしれない、とかは思いませんか。

「彼のことは信頼していますから」

── 彼が浮気をしたら許せない?

「ん〜、たぶん許せないですけど、彼自身、仕事からすっ飛んで帰ってくるんですよ、いつも。会社の飲み会があるって言っても、なんか早く帰ってくるので(笑)」

── 惚れてるんですね、彼。結婚はしそうなんですか。

「そうですね、もうそんな話になっています」

── 結婚では何が重要ですか。性格とかお金とか……。

「やっぱり今の彼のいいところは、日々の会話だったり、性格だったり、という部分です。お金はある程度で。私生活をこなしていくうえで、多少ゆとりのある生活ができればいい。私も仕事を頑張りたいという思いがあるので、お互いの努力でそうなれればいいんじゃないでしょうか」
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仕事では新しい挑戦を始めています

── そうだ、お仕事のお話を聞いていませんでしたね。今、あやみさんはどんなことをされているんですか?

「ペットのトリマーです。動物関連の資格は5つ持っていて、起業しようと今準備している段階です」

── お若いのに凄い!  どんな内容の事業をされる予定ですか。

「ペット関連なんですが、“捨てさせない動物愛護”を発信したいんです。保護施設やボランティア活動をする人は増えていますが、そもそも動物が捨てられてしまったら、その人たちの仕事は永遠に増え続けてしまう。だから捨てさせない仕組みやツールが作れないかと思っています。

私の職場では子犬や子猫の管理・販売もしていたのですが、お客さんの中にはペットのケアが足りないんじゃないかと思われる人がいて」

── ちょっと心配になる飼い主さんがいたんですね?

「そう、なのでよく話を聞くようにしていたら、『実は躾に失敗して手に負えなくなっている』『思っていたのと違った』『高齢になっちゃって』という話をされまして。だったら、その状態になることを防げれば、捨てられる仔は減るんじゃないかと思い、個々のケースに合ったアンサーが出てくるようなアプリを開発するために、今動いています」

── それいける気がします。応援しますよ! その彼とも、もちろん仕事の方も上手くいきそうですね。若いのにしっかりしているな〜。今日はありがとうございました!

【林さんから〆のひと言】

今回は、どういう男性がモテるのか、やっぱり熱い気持ちを伝えると良いんだっていうことがよくわかりました。それから、ペットのお仕事、うまくいくといいですね。自分の仕事を見つけた女性って輝いていて素敵です。

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間 / 月~土 19:00~24:00
定休日 / 日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CD ライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセー「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。近著に小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)など。最新刊はcakesの連載から大人論を抜粋してまとめた『大人の条件』(産業編集センター)。

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