• TOP
  • PEOPLE
  • 武尊「最高傑作と呼ばれる試合で勝ちたい」──3月23日、ロッタン戦への心境を聞いた

2025.03.15

武尊「最高傑作と呼ばれる試合で勝ちたい」──3月23日、ロッタン戦への心境を聞いた

戦っている男はカッコいい。仕事でもスポーツでも、もちろん格闘技においても。かつてK-1史上初の3階級王座となった武尊(たける)選手は3月23日(日)に開催される「ONE 172:武尊VSロッタン」(さいたまスーパーアリーナ)で長年対戦を熱望していたロッタン・ジットムアンノン選手との一戦に挑む。ロッタン選手は元ムエタイ世界王者でありタイ格闘技界のスーパースター。大会3週間前に行われた公開練習、そして単独インタビューで武尊選手の心境に迫った──。

CREDIT :

写真/トヨダリョウ 文/野中真一 編集/平井敦貴(Web LEON)

3月23日(日)、最強VS最強の世紀の決戦

「ONE 172:武尊VSロッタン」
来たる3月23日(日)、K-1史上初の3階級王座となった武尊(たける)選手と、元ムエタイ世界王者でありタイ格闘技界のスーパースター、ロッタン・ジットムアンノン選手(以下、ロッタン選手)の対戦が決定。ロッタン選手は武尊選手がK-1チャンピオンだった時代から同じ階級で世界最強と言われてきたファイター。互いに格闘家として認めあった存在であり、長年、両者は対戦を望んでいました。

そんな中、2024年1月に武尊選手は世界最大の格闘技団体「ONE チャンピオンシップ(以下、ONE)」に移籍。その最大の理由はロッタン選手と戦うためでした。2人の試合は移籍時には既に決まっていましたが、ロッタン選手の怪我によって延期され、この度「ONE 172:武尊VSロッタン」のメインイベントとして遂に実現に至ったのです。
PAGE 2

“霊長類最強”吉田沙保里もエールを送る

3月上旬、東京・世田谷にある武尊選手のジム前には多くの報道陣が押しかけていました。中に入ると汗を飛ばしながらミット打ちをする武尊選手の姿が。この日はメディア向けの公開練習が行われ、ゲストとしてレスリング金メダリストの吉田沙保里さんも登場し、エールを送りました。
PAGE 3
公開練習では約5分間で、武尊選手はシャドーやミット打ちを行い順調な調整ぶりを披露。最後は吉田さんがミットを持ち、武尊選手のパンチを受けるデモンストレーションも。「最後は気持ち」という吉田さんの強いメッセージにも、

「吉田さんは何度も世界一になって、オリンピックで金メダルもとっている霊長類最強。僕はまず世界最強になって追いつけるように頑張りたいです」

と、武尊選手は応えていました。
PAGE 4

◼︎ 武尊選手インタビュー

「リミッターを2、3個くらい外したい」

「ONE 172:武尊VSロッタン」
── 武尊選手は「ONE」に移籍後、2024年1月のデビュー戦でフライ級王座のスーパーレック・キアトモー9選手に判定負けをしてしまいます。同年9月に開催された2戦目の相手は19歳のタン・ジン選手。武尊選手にとっては負けられない試合でしたが、1ラウンドに左フックをもらってまさかのダウン。しかし2ラウンドに逆転KOで「ONE」初勝利を手にしました。その時の心境は?
 
武尊選手(以下、武尊) 1月の試合(キアトモー9戦)で下半身を2箇所、復帰できないかもしれないと思うような大きな怪我をしてしまいました。9月の試合では『また足が壊れたら嫌だな』と思いながら下半身を気にしていたら、上(上半身への攻撃)でダウンを取られた。そこでスイッチが入りました。2連敗したら、もうロッタン戦はなくなってしまう。怪我とか考えずにやるしかないと思った。そこからデビューした頃のような“自分が壊れても相手を壊す”という気持ちが湧いてきて本来の戦い方に戻れたと思います。
PAGE 5
「ONE 172:武尊VSロッタン」
── アマチュアで快進撃を続け、2011年にプロデビューした武尊選手は2014年にK-1デビュー。デビュー当初は闘争本能むき出しで、絶対に打ち合いから逃げないスタイルから「ナチュラル・ボーン・クラッシャー」と呼ばれていました。その後、K-1では7年間無敗を続け、史上初の3階級王者となります。そして2022年に東京ドームで開催された那須川天心選手との「THE MATCH 2022」は国民的なイベントとして注目を集めました。そんなキャリアの中で、武尊選手のファイトスタイルは少しずつ変わってきた印象ですが、自身ではどう思われますか?
 
武尊 K-1チャンピオンになってからは背負っていたものもありましたし、挑戦する方ではなく、挑戦を受ける立場だったので、自分本来の戦い方ができなくなっていました。ですが、「ONE」に移籍してからはもう失うものはない。思い切りやるだけ。そのスイッチが9月の試合で入った感じがしました。今度のロッタン戦は殴りたい時に殴る。リミッターを2、3個くらい外して120%の試合をやりたい。そうすれば勝てると思います。
 
PAGE 6
「ONE 172:武尊VSロッタン」
── 武尊選手はハードな練習とトレーニングで自分を限界ギリギリまで追い込むことで有名です。以前から、試合3週間前でもまだハードなトレーニングを続けていました。
 
武尊 それが僕のスタイルというか、元々才能があったわけじゃない。練習量でここまでやってきたということを自分が一番わかっています。だから自分を追い込むしかない。ただ、メンタルコントロールは少し変えました。昔は大会3週間前になると寝られなくなるくらい気持ちが昂っていました。今はなるべく試合モードにならないように気持ちを落ち着けるようにしています。
PAGE 7
── どんな試合になると予想しているのでしょうか。またロッタン対策は?

武尊 対策はありますけど、ここでは言えません(笑)。ロッタン選手は技術もあって、ディフェンスも上手くてトータルで強い選手。でもファイトスタイルがすごく噛み合う。お互いに打ち合いが得意で、打ち合いから逃げないタイプ。アグレッシブでわかりやすい試合になると思います。

── 今回は対抗戦となりますが、他の日本人選手からは「武尊選手につなげたい」というコメントもあります。

武尊 僕は数年前から日本VS世界で「THE MATCH」みたいな試合がやりたいと思っていました。今回の「ONE」はそれにふさわしいメンバーが集まってくれた。色々と辛いこともありましたけど自分の格闘技人生は恵まれていたと思います。日本人が全勝して、世界に日本の強さを見せつけたいと思っています。
PAGE 8
「ONE 172:武尊VSロッタン」
── 武尊選手と言えば『UPD'T-UNPRECEDENTED-』というファッションブランドを展開するほどファッションへの関心が高いことで知られていますが、トレードマークの金髪へのこだわりは?

武尊 金髪は金メダルの1番というメッセージ。格闘技で言えばチャンピオン。引退するまで金髪をやめるつもりはありません。
 
── ロッタン戦に向けての話を聞いていると、これが現役最後の試合なのではという思いが伝わってきましたが、今の率直な心境は?
 
武尊 格闘技人生としては最終章に入ってきていると思います。このタイミングで同じ階級の最強選手と戦えるのは本当にうれしいです。自分の格闘技人生のすべてをかけるのはもちろん、命をかけて試合に挑んでいきたいと思っています。現役生活の中で最高傑作と呼ばれる試合で勝ちたいと思っています。
 
── ありがとうございました。
PAGE 9
ナチュラル・ボーン・クラッシャーの異名を持つ武尊選手と破壊神と呼ばれるロッタン選手。5年以上前から対戦を望んでいた2人のクラッシャーが、3月23日、ついに同じリングに上がります。
「ONE 172:武尊VSロッタン」

武尊(たける)

1991年7月29日生まれ、鳥取県出身。小学校2年生の時にテレビでK-1を見たことがきっかけで空手をはじめる。2011年に「Krush」でプロデビュー。2014年に新生K-1の旗揚げ戦でK-1デビューすると、K-1史上初の3階級王座に輝く。K-1時代の成績は45戦42勝(26KO)3敗。2022年に格闘技界待望の一戦だった那須川天心との「THE MATCH」が東京ドームで開催。観客動員数5万6千人、PPVは50万人以上という世紀の一戦だった。2023年に世界最大の格闘技団体「ONE Championship」と契約。2025年3月22日、「ONE」3戦目でロッタン・ジットムアンノン選手に挑む。

PAGE 10

● ONE Championship
2011年にシンガポールで設立された格闘技団体で、総合格闘技、ムエタイ、キックボクシング、サブミッショングラップリングなどの試合をアジアを中心に開催。80カ国以上のトップファイターが集まっており、視聴者数や契約において世界最大の格闘技団体になっている。
 
● ONE 172:武尊 VS ロッタン
開催/2025年3月23日(日)
時間/14:30開場 16:00開始 22:00終了予定
会場/さいたまスーパーアリーナ
主催/ONE Championship
放送/U-NEXT(国内PPV独占ライブ配信)
 
主な対戦カード
フライ級キックボクシング スーパーファイト/武尊 VS ロッタン(3分5ラウンド)
フェザー級キックボクシング 暫定世界王者決定戦/野杁正明 VS タワンチャイ(3分5ラウンド)
バンダム級ムエタイ世界王座統一戦/スーパーレック VS ナビル・アナン(3分5ラウンド)
フライ級MMA 世界タイトルマッチ/若松佑弥 VS アドリアーノ・モラエス(5分5ラウンド)
アトム級キックボクシング世界王者タイトルマッチ/ペッディージャー VS KANA(3分5ラウンド)
アトム級ムエタイ/ラック VS 吉成名高(3分3ラウンド)
 ライト級総合格闘技/青木真也 VS エドゥアルド・フォラヤン4(5分3ラウンド)
 
 https://www.onefc.com/jp/events/one172/

こちらの記事もオススメです

PAGE 11

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        武尊「最高傑作と呼ばれる試合で勝ちたい」──3月23日、ロッタン戦への心境を聞いた | 著名人 | LEON レオン オフィシャルWebサイト