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2023.05.14

久々の海外ホテルデートは「カペラ バンコク」が間違いない!

ふたりで行く海外旅行で感じたいのは異国ならではの情緒やお洒落さ。チャオプラヤー川沿いに立つ「カペラ バンコク」は、そんな願望を見事に叶えるホテルです。次の休みに、隠れ家的アーバンリゾートへの逃避行を検討してみては?

CREDIT :

文・写真/大石智子

カナダ・オンタリオ州 スキーリゾート

カペラとは何ぞや?

世界中のアマンリゾーツを渡り歩く人のことを“アマンジャンキー”と呼びますが、私は“カペラジャンキー”の赤ちゃん(40歳を過ぎてすみません)でしょう。シンガポールのホスピタリティに惚れ込み、次は上海に魅せられ、今回ご紹介するバンコクでとどめをさされた。次はウブドに泊まろうと計画中です。

カペラはシンガポールに本社をもつブランドで現在はアジアに8軒を開業済み。2025年夏には日本初上陸として京都に開業予定です。
1930年代の住宅を改築した「カペラ 上海」の客室。
▲ 1930年代の住宅を改築した「カペラ 上海」の客室。
土地柄を色濃く出しながらラグジュアリーを体現するカペラに入ると、自動的に甘い情緒に包まれます。「どうだ!」って感じの豪華さではなく、地元の人もなじむ空気感。そんなホテルの5軒目として、2020年10月に「カペラ バンコク」が開業しました。
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ここではホテル梯子が大正解

いよいよ、コロナ前から期待していたカペラに手ぶらでチェックイン。なぜ手ぶらか? 実は前日まで2020年12月開業の「フォーシーズンズホテルバンコク アット チャオプラヤー リバー」に泊まっていて、同じオーナーゆえ2軒がひとつの敷地内にあるのです。だから、すべての荷物はお隣のフォーシーズンズが運んでくれる。こんな素敵なホテル梯子、なかなかないです。
カペラとフォーシーズンズというホテル好きにはたまらないブランドがお隣さん。
▲ カペラとフォーシーズンズというホテル好きにはたまらないブランドがお隣さん。
しかも立地はチャオプラヤー川沿い。オーナーであるバンコクの大手不動産会社が壮大なリバーサイド開発を進め、ベストな立地に2軒のホテルを召集したのです。フォーシーズンズはダイナミックに、カペラは隠れ家的に作っていて、レストランのジャンルまでバラけさせているから泊まり比べが本当に楽しい。不動産会社代表がこの2軒を選んで店舗アイデアを出したと聞きましたが、センス抜群で拝みたくなります。

正直、このフォーシーズンズとカペラの梯子は、アジアの大都市のホテルステイで歴代一位かなとも思う体験でした。おすすめ順序は後半にカペラです。
チャオプラヤー川に沿ってワイドに広がる「カペラ バンコク」。
▲ チャオプラヤー川に沿ってワイドに広がる「カペラ バンコク」。
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客室に入る前からうっとりしていた

「カペラ バンコク」は最初から最後までさり気なくお洒落です。外の石門の佇まいもおとなしく、その下では地域猫が寛いでいたりする。
白足袋がかわいい地域猫がお出迎え。
▲ 白足袋がかわいい地域猫がお出迎え。
▲ クラフト感のある扉と柱に刻まれた小さなロゴにぐっときます。
エントランスの先はタイの職人が作った家具が並ぶラウンジ。天井が高いわけでもないし、広いわけでもない。それでも趣がある空間は何枚でも写真を撮りたくなるし、その写真に変な補正をかけなくても美しい。花器や花の生け方まで洗練されていて、もう大人なのに、大人の階段をのぼった気分にさせてくれます。
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地味に筆者が痺れたのは、ラウンジ周辺にある水盤です。水が噴き出しているわけではなく、下から静か〜にもこもこ湧いていて、それが静寂な空間にぴったりはまっている。壮大に沸く噴水じゃなくても人を優雅な気持ちにさせるのだなと、うっとりスイッチが押されました。もうここから館内で何を見ても面白いくらいに「好き」となっていた。
あまりに静かで気づきづらいですが、湧いています!
▲ あまりに静かで気づきづらいですが、湧いています!
チェックインは宿泊客専用ラウンジ「リビングルーム」で行います。その名の通り、朝から夜まで家のように寛げる空間で、置いてある雑貨までお洒落。ここでウェルカムドリンクのカクテルをいただいて客室へ向かいます。
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「リビングルーム」にはおもちゃや工芸品が揃い、コーヒーや紅茶がいただける。
▲ 「リビングルーム」にはおもちゃや工芸品が揃い、コーヒーや紅茶がいただける。
陽の光が綺麗に入る客室前の廊下。ここから朝陽も見えます。
▲ 陽の光が綺麗に入る客室前の廊下。ここから朝陽も見えます。
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川の流れに時間を忘れる客室

テラス付きの「リバーフロント プレミア」。
▲ テラス付きの「リバーフロント プレミア」。
今回、私が宿泊したのは「リバーフロント プレミア」(61㎡)。ありがたいのが、このホテルはエントリーレベルの客室すべてがチャオプラヤー川に面していること。建物が川に沿って細長いため、通常よりワイドな間取りなのが最高です。

ベッドは窓側を向き、ソファもテラスもチャオプラヤー川を愛でるための造りと思えるほど、あのミルクティーみたいな色の川と馴染んでいる。バスルームも絶妙な目隠しがあるなかで川を感じられます。なので、川が見えないのはウォークインクローゼットとトイレくらい。すべてが理想の配置です。
見学だけしたスイートやヴィラも素晴らしかったけど、再びここに泊まる時は、また同じ部屋に泊まりたいと思うほど気に入りました。

もちろん仕事をする気にはなりません。それどころか客室が気に入った時の私的儀式として、冷蔵庫にあるシャンパンのハーフボトルを速攻で開けていた。この儀式、ホテルステイが調子づくのでおすすめです。ぼうっと川を眺めながらの泡酒はとびきり美味しく、「私はこういう瞬間のために働いているんだ!」と妙な自己肯定感まで湧いてくる。
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レストラン&バーが街のトップレベル

「カペラ バンコク」ではお願いするとバンコクの最新レストラン&バーのリストをくれて、その選びが流石の目利き。しかし、館内にある下記4軒がよすぎて街に出るのがもったいないというジレンマが起こります。

・ タイ料理「PHRA NAKHON(プラ・ナコーン)」
・ フレンチ「CÔTE BY MAURO COLAGRECO(コート by マウロ・コラグレコ)」
・ バー「STELLA」
・ ラウンジ「TEA LOUNGE」
グリーンに囲まれた「PHRA NAKHON」の店内。
▲ グリーンに囲まれた「PHRA NAKHON」の店内。
まず、タイ料理店がしっかり美味しいところに、タイ人オーナーの強い思い入れを感じます。モダンではなく、新鮮な食材を使ったトラディショナルなタイ料理。高級ホテルで食べるその国の料理は小綺麗すぎると思うこともありますが、「PHRA NAKHON」ではローカル感やワイルドさも味わえる。

ソムタムが出てきた時、野菜の活きのよさに農家との付き合いが深いシェフの心意気を感じました。食後に見せてもらった主材料の青パパイヤだってピカピカしていた。日本でよく見るものとは品種も違い巨大。「このソムタムは日本じゃ食べられない……」と軽い絶望が湧き、写真を見返す度にあのソムタムを欲してしまう。
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コームヤーン(豚の炙り焼き)でも同じ感情が起こり、イーサン流のタレに漬けた豚首肉は噛むほどに味が出て、香ばしさが食欲を加速させた。どこか田舎らしさもある肉料理を、「カペラ バンコク」というエレガントな空間でワインと一緒に楽しめて、海外旅行の醍醐味を感じます。ラーブを食べそびれたことだし、私ごとですがタイに5年住んでいた夫を連れて再訪したいですね。

ところでタイ料理を食べる前、店前で人を探していたら、ある紳士に「どうなさいましたか?」と声をかけられました。タイ料理店の店長にしてはジャケットが私服っぽい。

実はその方は支配人のジョン・ブランコさん。私見ですが、支配人が館内をうろうろしているホテルは間違いない。ジョンさんはゲストと交流するのを楽しむ面持ちで、細かなところに自ら気を配っていらっしゃった。トップのもてなしの精神が高いホテルは、やはり居心地がいいです。
米国出身でホテル業界にて約30年のキャリアをもつジョン・ブランコ支配人。
▲ 米国出身でホテル業界にて約30年のキャリアをもつジョン・ブランコ支配人。
タイ料理の前後には、「CÔTE BY MAURO COLAGRECO」でバンコクの最新フレンチを体感するのが面白いバランスです。ここは2019年に「世界のベスト・レストラン50」でNo.1に輝いた「ミラズール」のマウロ・コラグレコ氏が手がけるレストラン。マウロ氏の右腕として研鑽を積んだダヴィデ・ガラヴァリアさんがシェフ務め、2021年以降はミシュランの1つ星を獲得しています。
レバーや心臓もいただける鳩(ランチ約7000円〜、ディナー約1万6000円〜)。
▲ レバーや心臓もいただける鳩(ランチ約7000円〜、ディナー約1万6000円〜)。
メインディッシュはピジョン。バンコクで鳩とは意外かもしれませんが、それこそ才能溢れる若きシェフのスペシャリテ。濃いロゼ色の断面や隙のないジュを前に、誰がタイのフレンチに疑問を呈するでしょう? 近年、アジアの大都市で腕をふるう海外出身のシェフの活躍が目覚ましく、彼らの料理を楽しむこともアジアのグルメ事情に通じます。
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▲ カクテルとケーキを提供する「STELLA」。
女帝気分になれそうな「STELLA」のソファ。
▲ 女帝気分になれそうな「STELLA」のソファ。
夜は街の勢いを感じられるバー「STELLA」へ。店内中央に純白の孔雀が鎮座し、ジャズのライブが毎日あり、エキゾチックなカップルシートも用意。タイ版LEONがあったら間違いなく“モテるバー”として掲載されるでしょう。実際、店内にはタイ人カップルがちらほらいて羨ましくなってしまった。1杯2000円のカクテルが飛ぶようにオーダーされ、20代男性でもこなれた佇まいで、女性の髪は艶々。タイの次世代や富裕層の余裕を知ります。
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女性をもてなすならラウンジでの「カペラ シグネチャー ハイティー」もお試しを。
▲ 女性をもてなすならラウンジでの「カペラ シグネチャー ハイティー」もお試しを。
お皿までかわいいハイティーは駐在の奥さま方にも人気(2名約1万1740円)。
▲ お皿まで可愛いハイティーは駐在の奥さま方にも人気(2名約1万1740円)。
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24時間プールで街の息づかいを感じる

木々に囲まれたプール。
▲ 木々に囲まれたプール。
最後にお伝えしたいのがプールに24時間入れること。客室で水着に着替えてバスローブを羽織り、専用ラウンジの扉からいつでも自由に出入りできます。サンセット後の薄暮に入るもよし、まだ街が眠っている日の出前に入るもよし。
▲ カバナに寝転び空を見上げれば無になる。これぞ現実逃避。
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筆者は昼と早朝に堪能。まず昼はカバナでだらっと寛ぐ時間が気持ちよすぎました。カバナに横になるとスタッフがスイカのジュースとお水、日焼け止めを持ってきてくれて、あとはご自由にといったムードです。鳥のさえずりが聞こえ、見上げればリスが木を登っている。私以外は楽しそうに撮影する女子3人組のみで、プールが幸福感に溢れていました。
▲ 朝4時過ぎのプール。
早朝はまだ月が出ていてプールもライトアップされた状態。月光浴をしながら水に浮かぶのが幻想的で、明るくなってきたと思ったらホテルの後ろから太陽が燦々と上がっていた。

東京へ戻る飛行機が午前10時5分だったので、朝7時30分にはホテルを出なくてはいけなかった2泊目。プール後、チャオプラヤー川沿いで朝食をとりながら後ろ髪をひかれたのは言うまでもありません。予定が詰まっていたわけではないのに、あっという間だった。

私は既にしっかり堪能しておきながら、いまから「カペラ バンコク」に泊まるみなさんを羨ましくなっている。再びあの客室からチャオプラヤー川を行き交う船を眺める時間を夢見ています。ぜひとも彼女を連れてお試しくださいませ。

● CAPELLA BANGKOK

料金/1泊1室約8万2000円〜(編集部調べ)
HP/https://capellahotels.com/jp/capella-bangkok

大石智子(おおいし・ともこ)

● 大石智子(おおいし・ともこ)

出版社勤務後フリーランス・ライターとなる。男性誌を中心にホテル、飲食、インタビュー記事を執筆。ホテル&レストランリサーチのため、毎月海外に渡航。スペインと南米に行く頻度が高い。柴犬好き。Instagram(@tomoko.oishi)でも海外情報を発信中。

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