2024.07.12
あなたの知らないサウジアラビア Part.2
「サウジアラビアのいまを見に行きませんか?」そんなお誘いから始まった今回のプレスツアー。サウジって渡航できたっけ? お酒が飲めないのでは? 治安はどうなの? どんな料理が食べられる? そもそもサウジってモテるの……? モヤモヤいっぱいのなか、LEON編集長ダイリの未知旅、3つのパートに分けてお届けいたします。
- CREDIT :
文/堀川正毅(LEON編集長代理)
◆ Part.2
モテるオヤジはラクダ持ち!?
らくだは馬と違って3〜4日くらいなら水を飲まなくても平気だそうで、砂漠の多いサウジアラビアでは重宝するのだそう。いわば燃費の良い電気自動車といったところでしょうか。高級車に乗り慣れた淑女にとって、らくだに乗ることのほうがワクワクする可能性が高いので、ここはひとつ、彼女のために一頭いかがでしょ。
知識を共有する知的旅もまたい〜んです
ウシャイガーは農業エリアで、昔の集落がそのまま残っていて、かつてメッカへと向かう巡礼者たちの往来で賑わった形跡を見ることができます。ウナイザはカラフルな扉が特徴の町で、町の中央には「アルバッサムヘリテージハウス」があり、中央サウジアラビアの伝統的な郷土文化を学ぶことができます。
夕方になると、ヘリテージセンターに隣接するスーク(市場)にある椅子やベンチに地元の住民が集まり、郷土菓子の「クレイジャ」を食べながら、おしゃべりを楽しむ姿も。町民の溜まり場として、いまも昔も利用されているようです。ブレイダは、先に登場したらくだマーケットがあるエリアで、サウジアラビア人の国民食である「カプサ(炊き込みご飯)」もこのエリアではらくだの肉を使用しているなど、ベドウィン族のヘリテージであるらくだと密接な町なんです。
メッカは異教徒は立ち入ることはできないのですが、メディナは預言者ムハンマドの墓廟がある「預言者のモスク」には入れませんが、モスクにたくさんある門ぎりぎりまでは行けるので、その雰囲気を味わえます。どちらもジェッダ国際空港から出ている高速鉄道「ハラマイン」に乗れば2時間で行くことが出来ます。実際、駅には全身白装束というか、バスローブのようなものをまとった巡礼者たちが電車を待っている姿を目にします。
彼らはイスラムの教えで、人生で一度はメッカを訪れなければならない(病気や高齢、経済的に難しい場合は除く)とされており、サウジアラビア人だけでなく、近隣のヨルダンやオマーン、遠くはインドネシアや日本などからも教徒が聖地に訪れているんです。
また、メディナには先に登場した「預言者ムハンマドの墓廟」だけでなく、「クバモスク」など、50以上のモスクが点在しており、今年のラマダン期間中(3月〜4月)、2000万人もの人が訪れたそうです。
オイルビジネスや鉄道、インフラ整備など、国と国とで取り組んでいる事業はいくつかありますが、案外、アニメなどソフトコンテンツをしっかり届け、VISIT JAPANの目玉にする取り組みをした方が、よほど喜ばれるし、商売になるのではないかと思った次第です。
またまた脱線しますが、サウジアラビアは砂漠ばかりと思っているかと思いますが、案外そうではなくて。特にメディナは地下水が豊富にある町で、平野をクルマで走っていると、時々こんもりとした小さな森が出現します。多くは棗椰子の木(デーツが取れます)で、預言者ムハンマドが切り拓いたメディナという土地の豊かさを知ることが出来ます。
当時の人々の生活を知ることができる集落や歴史的建造物は、多くを語らずとも雄弁に物語ってくるもの。それはモテるオヤジさんそのものじゃないかと思うのですね。どっしりと構え、時々インテリジェンスを感じさせながら、包容力のあるところをアピールする。そんな男になりたいものですね。第三回は、いよいよ紅海の花嫁、ジェッダに移動し、ギネス世界記録を持つ建造物「マラヤ・コンサートホール」をご紹介します。