地球にも優しい時計選び、始めてみませんか？

文明が進化することで生活は豊かになりました。しかし便利さを追求してきたことで歪みも生じています。次世代へと美しい地球を残していくために、時計業界で環境に配慮したモデルが増えてきました。

しかも時計としての価値や魅力を失っていないのも見事。こういった時計を通じて、環境保護を身近に感じましょう。

海洋生物を危険にさらすマイクロプラスチックや廃棄漁網、さらには温暖化やサンゴ礁の石化など、地球を取り巻く環境問題は、人類総出で解決しなければいけないくらい広範囲に広がっています。

しかし現代の消費文化に慣れてしまった我々が、いきなり便利さを捨てることはできないでしょう。では何から始めるべきか？ 愛し抜ける製品を選び、それを長く使い続けるのも、ひとつの方法です。

その観点から高級時計はもともとサステナブルな製品ですが、最近はさらに一歩踏み込み、ケースの素材や機構でも環境に配慮しているモデルが増えつつあります。しかもデザインや色で特別感を出さず、あくまでも自然なこととして考えているのもうれしいのです。当たり前を当たり前にやる。これって大切なことですよね。

定番タンクのローマ数字インデックスをカットアウトし、その下にあるソーラーセルに光を当てて発電し、時計を動かす。廃棄電池が生じないので環境に優しく、ストラップはリンゴの廃棄材等から製作するなど、徹底的にエコに配慮。

パネライが昨年から推進するeスティール™は、リサイクルスチールのことで、ダイバーズウォッチにも問題なく使用できるだけの品質を誇ります。しかもパネライではこの素材の製造工程や協力企業もオープンソース化しており、ほかの時計ブランドも使えるようにしています。

海に流れ込むプラスチックゴミの問題を啓発するために、ラグジュアリーウォッチとしては初めて、100％海洋プラスチックのアップサイクル素材でケースを製作したのです。さらにスイスでの時計製造の際も、太陽エネルギーのみを使用する徹底ぶり。

船舶用のマリンクロノメーターの名門であり、ブランドロゴに錨マークを掲げるユリス・ナルダンでは、廃棄漁網をアップサイクルした素材のナイロ®などをケースに使用。スチール部分には、自動車業界のリサイクル素材を使っています。