究極のハイパフォーマンス時計を目指す「ノルケイン」
100%スイスメイドを謳いながら、若い世代にもアクセスしやすい戦略的なプライシングも人気の秘密。しかも、2022年には時計界のゴッドファーザーとして著名なジャン・クロード・ビバーさんが顧問に就任するなど、単にフレッシャーズだけではないポテンシャルへの期待が高まっています。
そんな超大物参画の今季に、“まったく今までに見たことがない”モデルがついにリリースされ、さらに注目度を高めているのです。そこで、来日したカッファーさんに、噂のモデルの見どころから、ノルケインの哲学、そしてビバーさんとの関係性に至るまで、熱く語っていただきました。
ベン・カッファーさん(以下、ベン) このワイルド ワンは、ジャン・クロード・ビバーさんが顧問としてノルケインメンバーとなり、彼とのセッションから生まれた第1号モデルです。どんな時計を作ろうかという会議の時に、どうせ作るなら今までに存在しなかった、圧倒的なハイパフォーマンスを持ったモデルにしようという方向になり、スーパータフなスポーツウォッチを目指すこととなりました。
── つまり、これまで見たことない凄い機能やデザインが盛り込まれているということですね?
ベン そのとおりです。まず素材からしてユニークであるべきと考え、スイスの開発企業とコラボレーションし、「ノルテック」という独自素材を作り出しました。これはチタンの1/6の軽さでありながら、非常に硬く傷つきにくい素材。成分的にはカーボンとハイポリマー・コンポジットの複合素材です。カーボン素材は色を出しにくいですが、このノルテックは色付けできるところもポイント。
構造も他とはまったく異なります。ムーブメントをチタン製のコンテナに入れ、特殊ラバー製のショックアブソーバーで包み込み、それらをノルテック製のケージで挟み込んでいます。複雑な構造に思われるかもしれませんが、重量はたったの84g。極めて軽快な装着感もこのワイルド ワンの特徴です。
なんと5000Gもの衝撃にも耐える特殊構造
ベン はい。全方位からの衝撃を理想的に吸収する構造です。数値的には、5000Gの衝撃にも耐えられる設計。ゴルフのインパクト時に腕元に掛かる衝撃が約800Gと言われていますので、テニスでもマウンテンバイクでも、およそどんなタフなスポーツにも対応できるスペックです。もちろん防水性も200mと万全! 日常生活全ての時間、身に付けられる時計となっているんです。
── まさに“wild one(タフなヤツ)”というわけですね。ルックスも非常にモダンでユニークです。
── 目を凝らして見ると実に繊細な凹凸で、“ハイテク・ギョーシェ”といった風情です。これらすべてがスイス国内の関連ファクトリーにて生産されていると伺いました。
ベン そうです。ノルケインは100%スイスメイドをひとつのコンセプトとし、すべてタバンヌやラ・ショー ド フォンなど、ノルケイン本社から60㎞内に位置するスイスの会社とともに製造しています。
100%スイスメイドだからこそ叶う品質と挑戦
ベン 僕は祖父の代から時計産業に関わってきた生粋のスイス人家系の人間です。世界のどこへ行っても“スイスから来た”と伝えると“ああ、時計の国ね”と言われます。そんな風に、機械式時計はスイスの文化であり歴史でありアイデンティティです。それが昨今、海外の大手資本が入り込むことで、このアイデンティティに異変が起きていると思っています。
というのも、出資を受けるとどうしてもリターンの義務が発生します。それも、一年サイクルで結果を出すことが求められます。しかし、時計開発は、長期的視点で開発しないと達成できないものも少なくありません。
私はスイスの時計人として、自国の時計文化や技術、伝統を次世代に残していきたいと常々願っています。そう考えた時に、ある程度の独立性が必要となるのです。このハイスペックにしてオリジナリティまで十分に備えた新作を70万円台という価格でリリースできるのも、独立企業だからこそなのです。
ベン もちろん、かなりのビッグニュースでした。時計業界のレジェンドが僕らのような若いチャレンジャーと組んで事業を行うのは非常にレアケース。スイスの一般紙でも大きく取り上げられたほどですから。そして、僕自身にとっても衝撃の連続でした。とにかくビバーさんはすべてにおいて革新的なんです。
とても70歳オーバーとは思えないほどにアクティブで、まるでチャレンジ精神の塊(笑)。また、あれだけの成功を収めた人物にも関わらず、尊大ぶるところがまったくないのも驚きました。
製品開発のみならずマーケティングやチーム作りに関しても、何かしらチャレンジ要素を入れてくるんです。今回、新作時計となったワイルド ワンは、“wild one(タフなヤツ)”という意味で、ビバーさんと一緒に考えたネーミングです。しかし僕は、ひそかに彼自身のことだと思っているんですよ。
● ベン・カッファー
ノルケインSA創業者 兼 CEO。スイスにて三代続く時計界に携わる家系に生まれる。時計業界にて11年の経験を積み、ブライトリング社ではブランドマネージャーとしてアジア全土を担当。2018年にノルケインを創業。小売業界における時計産業に関する知識向上を目的とする団体、AMSの理事も務める。
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ノルケインジャパン 03-6864-3876