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2023.08.01

第26回

腕時計の文字盤選びはココを見よ! 【定番のラッカー文字盤編】

腕時計選びでこだわるべきは、最も目につく「文字盤」。まさしく“時計の顔”だけあって、時計の印象を左右します。今回は、近年目覚ましい進化を見せる「ラッカー文字盤」を紹介します。

CREDIT :

文/渋谷康人

“モテる顔”な文字盤を選びましょう!

▲ ポリッシュラッカー文字盤の中でも、飛び抜けた美しさで時計のプロから絶賛されているのが、ブルガリの「オクト フィニッシモ」。サンレイ加工を施した上に、20層を超える塗装を重ねて仕上げられている。数字とバーを使い分けたインデックスは金属パーツをはめ込んだ植字タイプ。
▲ ポリッシュラッカー文字盤の中でも、飛び抜けた美しさで時計のプロから絶賛されているのが、ブルガリの「オクト フィニッシモ」。サンバースト加工を施した上に、20層を超える塗装を重ねて仕上げられている。数字とバーを使い分けたインデックスは金属パーツをはめ込んだ植字タイプ。
文字盤は、“時計の顔”。だから、オトコの時計選びは何よりも文字盤にこだわるべし。とはいえ、文字盤の種類は多種多様。そこで文字盤選びに欠かせない基礎知識と、色気のある“モテる顔”な文字盤選びのコツをお伝えします。

今回は、ベーシックな「ラッカー文字盤」についてです。

なぜ文字盤の仕上がりが重要なのか?

文字盤は、時計でいちばん大切なものかもしれません。それはまさしく、“時計の顔”だから。

筆者が過去に、超絶メカニズムの開発で有名な独立時計師にインタビューをした際に「顔が魅力的でなければ時計自体に興味を持ってもらえない。だからムーブメントと同じくらい大切だ」と言われたことがあります。

見た目が重要なのは、ファッションアイテムも同様。スーツやシャツや革小物も、良いものはひと目でわかりますよね? そして、本当に良い素材を使ったものは、使い込むほどにその良さを実感できます。

だから時計選びも、最も目につく文字盤選びにとことんこだわるべきなのです。

ベーシックでも奥が深い「ラッカー文字盤」

時計で最もスタンダードな文字盤が、ラッカー文字盤です。ラッカーは、アセトンやトルエンのような揮発性の高い溶媒にアクリル樹脂やニトロセルロースなどを溶かした塗料のこと。

色も鮮やかで、そのバリエーションも豊富。しかも、すぐに乾いて表面が固くなり、その表面を磨けばツヤが出ます。また、金属との相性が良い。時計の文字盤は真鍮製が多いことも、ラッカー塗装が使われる大きな理由です。
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近年、ラッカー文字盤は美しく進化している!

さて、ラッカー文字盤と聞くと、チープな印象をお持ちの人もいるかもしれません。確かに、古いミリタリーウォッチによく使われていた昔のラッカー文字盤は、とてもラフに作られていました。塗装面は厚く、塗料の質も悪かったので、時間が経つと変色やひび割れが起きることも珍しくありませんでした。

しかし、現在のラッカー文字盤は、昔とは別モノです。塗料の質も塗装技術も格段に向上しているので、変色やひび割れも起こらず、そして美しい。
▲ 「オクト フィニッシモ」自動巻き、SSケース(40mm)&ブレスレット。100m防水。181万5000円/ブルガリ(ブルガリ ジャパン)
▲ 「オクト フィニッシモ」自動巻き、SSケース(40mm)&ブレスレット。100m防水。181万5000円/ブルガリ(ブルガリ ジャパン)
特に、高級時計の「ポリッシュラッカー文字盤」は、多くのコストと手間と時間をかけて作られています。

金属板にラッカー塗料を塗っては乾かし、乾いたら磨く。また塗って乾かし、さらに磨く……という工程を何回も繰り返して作られます。このプロセスは、多いものでは十数回〜二十数回もなります。塗るラッカーの色や濃さを微妙に変えることで、味わい深いツヤをもった文字盤となるのです。

さらに、塗料の濃さや色味を部分的に変える、たとえば中央部に塗る塗料の色味を薄くして外側に行くほど濃くなるようにグラデーションを付けることができるのも、ポリッシュラッカー文字盤ならでは。

近年では、文字盤にもこれまでにない魅力的な色・美しさが求められるようになっています。ポリッシュラッカー文字盤はそのニーズに最も対応できるため、高級時計で今後さらに採用されていくことは確実でしょう。
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加工した文字盤に塗ると、さらに魅力的に

また、塗装前に文字盤に仕上げ加工を施すと、ラッカー文字盤の魅力はさらに高まります。その仕上げ加工のひとつが「サンレイ(別名ソレイユ、サンバースト)」仕上げ。文字盤に光が当たると、まるで太陽の光のように中央から同心円状に均等に拡散するので、こう呼ばれています。

サンレイ仕上げでは研磨用のバフ(※)を使って、文字盤表面に中心から同心円状に細かな筋目を付けていきます。その上から半透明のラッカー塗装を施すと、文字盤に当たった光がいっそう美しく拡散されるのです。
※研磨する道具の名称
塗装前の文字盤にこうした仕上げ加工を施すことで、ラッカー文字盤はさらに美しく魅力的になります。バフによる研磨加工以外にも、プレス加工やエッチング加工などによって豊かな表情が生み出されるので、文字盤を見る時は、どんな仕上げ加工が施されているか、確認してみてはいかがでしょう。

ここで紹介したブルガリのオクト フィニッシモやグランドセイコーのように、サンレイ仕上げのラッカー文字盤に煌めきのある立体的なインデックスを組み合わせると、相乗効果で文字盤はさらに魅力的になります。これは現在の高級時計では、絶対定番ともいえる文字盤の造りのひとつです。
※掲載商品はすべて税込み価格です

■ お問い合わせ 

セイコーウオッチお客様相談室(グランドセイコー) 0120-302-617
ブルガリ ジャパン  03-6362-0100

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