2025.04.12
懐かしいのに新しい! 時計通も唸るロンジンの「ウルトラクロン カーボン」
腕時計のプロたちが魅了された一本をリコメンドする本企画。今回はライター/エディターの長谷川 剛さんが「ロンジン」の『ウルトラクロン カーボン』を選びました! 60年代風のクッションケースをカーボン素材で成形し、しかも10振動のハイビートまで搭載した、温故知新な名作です。
BY :
- 文/長谷川 剛
- CREDIT :
文/長谷川 剛(TRS) 編集/岸澤美希(Web LEON)
選者:ライター/エディター 長谷川 剛
ロンジンが誇る10振動キャリバーをハイテクケースに搭載!


精度を追求するひとつの手段として知られているのが、テンプの高振動化。機械式時計は大きくロービート(低振動)とハイビート(高振動)の2モデルに分けられます。
世界の時計メーカーはどの時代でも何かしらの精度を競い合っていますが、1960年代は特に高振動化競争が著しい時代でした。なかでもロンジンは、古くから高振動ムーブメントを作り続けてきた先駆者です。
▲ 1914年に発表された「スプリットセコンド針付き 高周波ストップウォッチ(5Hz)」。
▲ 精密コンペティションのために1959年に作られた「天文台クロノメーター」。1日の誤差が1/10秒以下という極めて高い精度で、1961年のヌーシャテル天文台(スイス)の計時コンクールでは1位と2位を獲得した。
▲ 1968年発表の「ウルトラ-クロン ダイバー」(ref.7970)。200m防水も備えた、初の高周波ダイバーズウォッチ。
▲ 1914年に発表された「スプリットセコンド針付き 高周波ストップウォッチ(5Hz)」。
▲ 精密コンペティションのために1959年に作られた「天文台クロノメーター」。1日の誤差が1/10秒以下という極めて高い精度で、1961年のヌーシャテル天文台(スイス)の計時コンクールでは1位と2位を獲得した。
▲ 1968年発表の「ウルトラ-クロン ダイバー」(ref.7970)。200m防水も備えた、初の高周波ダイバーズウォッチ。
そして満を持して1968年にはブランド初となる10振動ムーブメントを搭載したダイバーズウォッチをリリースし、200m防水かつ日差2秒というハイスペックにて世界をアッと言わせたのです。
「懐かしさと新しさと快適性まで手に入れた!」(長谷川)

直径43mmという堂々としたケースは、一方行性に整えたカーボンファイバーとエポキシ樹脂を専用型に入れ、高熱を加えたあとの高圧縮によって成型されています。その後、緻密なコールドカットを経て60年代を彷彿させる有機的なクッションフォルムが完成します。このケースは優れた耐久性や軽量性を備えるだけでなく、カーボン繊維のランダムな配置によりユニークな表情を放つところも大きな魅力。
▲ チタン製のベゼルは固定式かつ10刻みの目盛りが刻印されたアルミニウムインサートを擁し、スポーティな雰囲気を高めている。
▲ ケースバックにはウルトラクロンマークが刻まれている。また、ねじ込み式により30気圧防水を備える。
▲ 立体造形のアプライドインデックスと時分針にはそれぞれスーパールミノバ ブルーの夜光添えられ、暗所での視認性もしっかり考慮された仕立て。
▲ チタン製のベゼルは固定式かつ10刻みの目盛りが刻印されたアルミニウムインサートを擁し、スポーティな雰囲気を高めている。
▲ ケースバックにはウルトラクロンマークが刻まれている。また、ねじ込み式により30気圧防水を備える。
▲ 立体造形のアプライドインデックスと時分針にはそれぞれスーパールミノバ ブルーの夜光添えられ、暗所での視認性もしっかり考慮された仕立て。
文字盤の6時位置に配されたウルトラクロンマークをはじめ、Cライン風のクッションケースが60年代的なヴィンテージ感をひしひしと訴えかけながら、ケース素材をハイテクカーボンとすることで、先進的なタフネスと軽さを纏った新鮮なパッケージを実現しているのです。
ヴィンテージが好きだけど、日常的にガンガン着用して水遊びも積極的に楽しみたい。そしてどうせなら使い勝手に優れた高機能な一本が欲しい……。そんな超ワガママなゼンマイ玄人も納得のウルトラクロン カーボン。コレはまさに一本とられました!


● 長谷川 剛(はせがわ・つよし)
各種ファッションメディアを中心に、男性の服装や時計についてのページを手掛けるライター、時々エディター。バイクと古い服と時計好き。老近眼。
■ お問い合わせ
ロンジン 03-6254-7350