2021.09.04
Vol.10
よりファッショナブルな実用時計として進化を続けるブライトリング「クロノマット」の魅力
数多の時計の中でも「名作」と呼ばれるモデルを、時計のプロが語ります。第10回目は「ブライトリング」の『クロノマット』。パイロットウォッチの名作からマルチパーパスな実用時計に生まれ変わるまでの歴史に迫ります。
- CREDIT :
文/鈴木裕之
進化を続けるパイロットウォッチの名作
さらに、2020年に生まれ変わった最新バリエーションでは、デザイン的な原点回帰を果たしながらも、マルチパーパスなスポーティウォッチとして、より馴染みやすい存在へと変貌を遂げています。時代性に合わせてキャラクターを変化させてきたクロノマットとは、いったい何がスゴイのでしょうか?
〜クロノマットの3つのポイント〜
(1)クロノマットは2度生まれた
(2)パイロット向けに考案された新しいディテール
(3)腕に付ける計器から、マルチパーパスな実用時計に
(1)クロノマットは2度生まれた
同社が腕時計クロノグラフを最初に手掛けたのは100年以上も前のこと。航空機のコックピットに搭載するダッシュボードクロックも手掛けていたことで、航空産業との繋がりも深かった「ブライトリング」は、秀逸なパイロットウォッチを多く生み出しています。
しかし、よほどの時計好きでない限り、初代クロノマットといえば、思い浮かぶモデルが異なるようです。なぜなら、現代のクロノマットの源流となるモデルは、1984年に発表されたファッショナブルスポーツウォッチだから。実は、クロノマットは2度生まれたのです。
(2)パイロット向けに考案された新しいディテール
その最終版はイタリア空軍のアクロバットチーム「フレッチェ・トリコローリ」に供給され、パイロットウォッチとしてさらに磨きがかけられていきます。フライトジャケットの袖に引っかからないショートラグや、グローブをしたまま操作しやすいライダータブなどのディテールは、実戦の中で鍛え上げられたものでした。
プロフェッショナル向けでありながら、ファッショナブルでもあるクロノマット。その人気はイタリアから火が付き、30年以上にわたって機械式クロノグラフのアイコン的な地位を確立させていったのです。
(3)腕に付ける計器から、マルチパーパスな実用時計に
1980年代のデザインに回帰を果たしたのみならず、ケース径が42mmに改められ、より腕への収まりが良くなっています。現代の工作技術でリメイクされたルーローブレスレットも秀逸で、まさにスポーティウォッチの万能選手に生まれ変わったのです。
マルチパーパスに生まれ変わりながら、マッチョな魅力も健在のクロノマットは、大人のスポーティウォッチとして揺るぎない存在感を放ち続けます。
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ブライトリング・ジャパン 0120-105-707