2018.10.25
「世界初の男性用腕時計」カルティエのサントスはなにが画期的だったのか?
現在の腕時計の祖となったのが「カルティエ」のサントス。いま見てもモダンなそのデザインはそのままに、ラインナップがより拡充されました。本物を知る大人にこそ似合う1本です。
- CREDIT :
文/福田 豊
世界的な飛行家のアルベルト・サントス=デュモンのために誕生
「腕に着ける」という機能を体現した、世界で最初の「腕時計のかたち」
サントスのつくられた20世紀初頭は、時計が懐中時計から腕時計へと進化していった、腕時計の草創期。そのため腕時計のほとんどは、懐中時計のケースにベルトを通す金具を付けただけの、懐中時計とほとんど変わらないものばかりでした。
ちなみに、時計の歴史書には、「ジラール・ペルゴ」が1880年にドイツ皇帝のウィルヘルム1世の注文によりドイツ海軍将校のための腕時計を2000本製造したという、サントス以前の腕時計の史実が残されており、それを「世界初」とする説もあります。ですが、その腕時計も丸いケースに金具を付けた、懐中時計とほとんど変わらないもの。ほかと大きく変わるところはありませんでした。
「男性用」というのも、世界で最初の革新的な長所
というのは、当時の腕時計の主流は女性用であったため。腕時計の最古の始まりは中世のころ、時計が宝石にも勝る価値をもっていた時代に、貴婦人が懐中時計を腕に巻いて飾ったことでした。そのため、以来、腕時計は豪奢なブレスレットであり、もっぱら女性のものというのが、世の常識となっていました。男性用の腕時計といえば、前述した懐中時計のケースにベルトを通す金具を付けただけの、実用的だが木訥としたものだけだったのです。
ところがサントスは、貴婦人のブレスレットのような優美さと、懐中時計と同じ実用性という、その双方を兼ね備えていました。世界的富豪のアルベルト・サントス=デュモンが満足し、「サントス」という名前を使うことを許したのが、その証左のひとつ。また、実際に飛行時に着用され、飛行時間の世界記録の達成など、まさに実用に適ったのが、もうひとつ。そしてなにより、サントスが市販化されると世界的な人気となり、いまなお世界中の男性に愛され続けているのが、いちばんの証左でしょう。
ますます魅力的になったサントスの新コレクション
わけてもアルベルト・サントス=デュモンのためにつくられた時計と同じ、ステンレススティールのケースに、イエローゴールドのベゼル、ブラウンのカーフストラップ、サイズもほぼ同じ、というモデルは時計好き、カルティエ好きには、一見の価値があります。
というように、100年以上を経てなお男性の心を魅了するサントス。サントスの伝説はこれからもきっと語り継がれていくのでしょう。
■ お問い合わせ
カルティエ カスタマーサー ビスセンター 0120-301-757
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