世界で最も「サステイナブル(持続可能)」な自動車メーカー
1973年には、自動車メーカーとしては初めて社内にサステイナビリティ&環境保護部門を設立。1999年に設立されたダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックス(DJSI)では、長年にわたって世界で最も「サステイナブル(持続可能)」な自動車メーカーとして、選定を受けている。
日本で発表したFCEVの未来図
したがってBMWは現在、ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車、プラグインハイブリッド車、48Vマイルドハイブリッド車、電気自動車とさまざまなラインアップを用意する。そして7月25日には、日本においてFCEV(燃料電池車)「BMW iX5 Hydrogen」の公道走行を開始すると発表した。
メリットとしては、走行時に発生するのは水蒸気のみで、排出ガスを一切出さない。そして長時間の充電が必要なBEVと違ってわずか3~4分で水素タンクの充填が完了する。それでいてBMW iX5 Hydrogenの航続可能距離は最大504kmを達成。要は従来の内燃エンジン車と同様の使い勝手ながら、排出ガスゼロを実現しているのだ。
ちなみに現在市販されている燃料電池車はトヨタMIRAI、ヒョンデネッソのみ。ホンダのクラリティはすでに生産終了している(開発は継続しているという)。
BMW iX5 Hydrogenの発表会のために来日していたBMWグループ 水素燃料電池テクノロジー・プロジェクト本部長 ユルゲン・グルドナー氏はその点についてこのように振り返る。
ちなみにトヨタは電動化において「マルチパスウェイ」という方針を打ち出しており、BEV、PHEV、FCEV、HEVのすべてに取り組んでいる。そして、FCEVは「商用車を軸に量産化」を目論んでいるという。このあたりはBMWの見立てとも共通しており、乗用車、小型商用車あたりはBEVで、中型トラックをさかいに大型トラックなどをFCEVでカバーするのが現実的なラインと想定しているという。
水素社会を実現するための課題とは?
ちなみに商用車を軸に量産化した場合、気になるのは乗用車のFCEVはどうなるのかだが、その点について水素の利活用推進に関するシンポジウムに登壇したトヨタ自動車 水素ファクトリー プレジデント 山形光正氏は次のように述べた。
◆ 「BMW iX5 Hydrogen」(G05 FCEV)の主要諸元
・最高出力:295kw〔401PS〕
・2本の水素タンク(気体)のトータル容量:6㎏
・0-100 km/h加速性能:6秒未満
・最高速度:180km/h以上
・一充填走行距離(WLTPモード):504km
・水素燃料消費率(複合、 WLTPモード) :119 km/kg
・車両重量はX5のPHEVモデルと同等、X5のBEVより軽いという
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