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2024.07.13

VOL.19 「電気自動車ってなんだ?」

ランボルギーニ初のプラグインハイブリッドSUV「ウルスSE」が日本に上陸!

ランボルギーニの新車販売台数の半数以上を占めるのが、ブランドの大黒柱であるスーパーSUVの「ウルス」。日本市場でもこれまでのガソリンエンジン仕様に替えて、新たにPHEV(プラグインハイブリット)の「ウルスSE」の導入を開始する。スーパーカーブランドの電動化戦略とは、どのようなものなのか。

CREDIT :

文/藤野太一 写真/アウトモビリ・ランボルギーニ・ジャパン

BEVとPHEV、日本はまだまだ伸びしろありな国?

カーボンニュートラルの実現に向けて、世界中の自動車メーカーは電動化へと取り組んでいる。それはスーパーカーブランドであっても例外ではない。2020年以降、欧州(EU)では電気自動車の販売が急速に伸びてきた。2023年の新車登録台数において、BEV(バッテリー式電気自動車)の割合が14.6%、PHEV(プラグインハイブリット)の割合が7.7%と足すと2割を超えている。ちなみに日本はBEVが約2%、PHEVが約1%と足しても3%ほど。ポジティブにとらえれば日本にはまだまだ伸びしろがあるともいえる。
ウルスSE ランボルギーニ PHEV
ところが最近、欧州市場においてEV販売の勢いが減速しているという報道がよくみられる。それはEU全体の約4割を占める最大市場のドイツで購入補助金制度が終了したことによるところが大きい。またフランスでも補助金制度の変更があり、今後どのような影響があるのか注目されている。
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ウルスSE ランボルギーニ PHEV
▲ ランボルギーニ独自のデザインDNAに則った、特徴的な六角形のウィンドウライン。スポーティさを際立たせるためボディに対してウインドウの面積比率を半分以下に抑えている。
ランボルギーニは、脱炭素の実現に向けて電動化を進めていく「コル・タウリ(Cor Tauri)」という戦略を打ち出している。2024年末までにハイブリッドへと移行しラインアップのすべてを電動化。2025年初頭からCO2排出量50%削減を目指す。「ウルス」のPHEVの導入はまさにその戦略に則ったものだ。
ウルスSE ランボルギーニ PHEV
▲ フロントまわりではバンパーとフロントグリルを刷新。新たにフローティング・ボンネットやマトリックスLEDヘッドライトを採用。
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「ウルス」は2017年に発表されたランボルギーニ初のSUV。スーパーカーブランドが手掛けるモデルらしく、エンジンは4リッターV8ツインターボ、最高出力650PS、最大トルク850Nm、最高速度は300km/hオーバーと、まさしくスーパーSUVだ。

その後、2022年にマイナーチェンジが実施され、エクステリアデザインを変更。「ウルスペルフォルマンテ」と「ウルスS」の2モデルが設定され、最高出力は666PSにまで引き上げられた。

最高速度はウルスSより7km/h速い、312km/hへ!

そして2024年5月、日本に新たに上陸した「ウルスSE」は、4リッターV8ツインターボエンジンに1基の電動モーターを組み合わせるPHEV。エンジンは最高出力620PS、最大トルク800Nmを発揮。これに192PS/483Nmを発揮する電動モーターを組み合わせることで、システム最大出力は800PS、最大トルクは950Nmを発生する。0-100km/h加速はウルスSを0.1秒しのぐ3.4秒で、最高速度はウルスSより7km/h速い312km/hに到達する。
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駆動用のリチウムイオンバッテリーの容量は25.9kWh。ラゲッジルームの床と電子制御リアデファレンシャルでサンドイッチするように配置。駆動用のモーターを8速AT内に収め、EVモードでの航続距離は60km以上、最高速は130km/hに到達する。

4種類のモード(EVドライブ、ハイブリッド、パフォーマンス、リチャージ)を用意。ハイブリッドモードではエンジンとモーターを併用しエネルギー効率を最大化。パフォーマンスモードはエンジンを主にモーターがサポートし走行性能を最大限に高める。リチャージモードではエンジンを使って発電し、バッテリーを最大80%まで充電できる。
ウルスSE ランボルギーニ PHEV
▲ リアまわりでは「Y」字型のテールランプを採用。リア・ディフューザーも刷新しガヤルドなどのスーパースポーツカーから影響されたデザイン要素が盛り込まれている。
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このディフューザーは、新型のスポイラーと相まって、高速走行時にはウルスSよりもリアのダウンフオースが35%増し、車両の安定性に寄与する。さらに、ボディ底部にエア・ベントを新たに備えることで、改良されたエアダクトなどにより空気の流れを改善。エンジンの冷却性能も向上した。加えて、フロント部分のアンダーフロアも新しくなり、ブレーキ・システム専用のエアフローの改善により、空気冷却性能が従来のシステムと比べて30%向上している。

エクステリアは、空力性能を高めるためバンパーとフロントグリルを刷新。新しいフローティングボンネット、リアディフューザーなどを採用。マトリックスLEDテクノロジーを採用したヘッドライトにはランボルギーニブランドの雄牛の尾にインスピレーションを得た新しいライトシグネチャーを導入している。またテールライトグリルなどガヤルドをはじめとするスーパースポーツカーにインスパイアされた要素を取り入れている。
ウルスSE ランボルギーニ PHEV
▲ インテリアデザインは、「Feel Like a Pilot」というランボルギーニの哲学を体現したもの。ダッシュボード中央に配される大型ディスプレイとメーターディスプレイはともに12.3インチ。直感的に操作できる新しいバージョンのヒューマン マシンインターフェイス(HMI) を採用する。
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ウルスSE ランボルギーニ PHEV
▲ 「Feel Like a Pilot」とあるように戦闘機の操縦桿をイメージさせるスタート/ストップボタンや、“ANIMA(アニマ)”と呼ばれる、ドライビングモード選択システムが大きな特徴。

CO2排出を削減しつつ、史上最高のトルクと出力を発揮!

「ウルスSE」がすごいのは、内燃エンジンと電気モータ−を組み合わせることによって従来モデルよりCO2 排出量を80%削減しながら、史上最高のトルクと出力を発揮している点だ。電動化を排気ガス規制をクリアすることだけでなく、高出力化につなげていることがまさにスーパーカーブランドの面目躍如といえるだろう。
ウルスSE ランボルギーニ PHEV
▲ ランボルギーニ初のPHEVスーパーカー「レヴェルト」。6.5リッターV12エンジンと3つのモーターを組み合わせシステム合計出力は1015PS!
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ちなみにランボルギーニは、2023年にはブランド初のPHEVとなるV12エンジン搭載のスーパーカー「レヴェルト」を発表済み。2028年には初のBEV「ランザドール」を発売するとアナウンスしている。虎視眈々と電動化を進めている。
深夜や早朝の住宅街では電気自動車として走行し、高速道路では猛牛のパワーを解き放つ。そんな2刀流の使い方が、いまどきのスマートなオヤジさんのクルマ選びには最適かと。

「ウルスSE」の国内販売価格は約3150万円から。デリバリーは2025年開始予定となっている。
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