911が「GTS」からハイブリットを採用した理由とは?
電動化における最大の懸案事項は、重量がかさむこと。一般的に同型の内燃エンジン車とPHEVを比べると+200〜300kgなんてモデルもざらにある。SUVやサルーンならまだそれも許されるが、スポーツカー、ましてや911ではそうはいかない。開発チームによると、車両重量1600kgを切ることをひとつの開発目標とし、後述するさまざまな工夫をこらしたという。その結果、従来モデルに対しての重量増は約50kg、新型「カレラGTSクーペ」のカタログ値の空車重量(DIN)は1595kgと目標値に収まっている。
そして先代はツインターボだったが、新型ではシングルターボ化することで軽量化を実現。さらにタービンの軸部分に電気モーターが組み込まれた電動ターボチャージャーを採用しており、いわゆるターボラグがなく瞬時にブースト圧を高めることが可能となっている。この電気モーターはジェネレーターとしても機能し最大11kW(15PS)のパワーを発生する。
試乗前のプレゼンテーションでは、ニュルブルクリンク北コースでのテストにおいて、先代モデルのタイムを8.7秒上回る7分16秒934をマークし、0−100km/h加速は3.4秒から3.0秒にまで短縮しているという。乗る前からいやが上にも期待が高まる。
ルックスは、よりすっきりとした顔立ちに
また新型の顔つきがすっきりした印象を受けるのは、先代にあったLEDのドライビングライトがなくなっているためだ。リアまわりでは、リアグリルにあるフィンの数を従来モデルよりも大幅に減らし、よりリアウインドウと一連のものに見えるようになった。
ハイブリッドとは気づかせないほどのシームレス感
新開発の3.6リッターエンジンは、4000回転を超えたあたりから力強い、いかにもポルシェの水平対向6気筒らしい音がする。右足に力を込めると7000回転あたりまで淀みなく吹け上がる。ハイブリッドとも、ターボとも言われなければわからないかもしれない。それくらいシームレスでスムーズだ。