• TOP
  • CARS
  • メルセデス・ベンツGクラスもついに電動化。ハイブリッドにEVも

2024.09.25

VOL.21 「電気自動車ってなんだ?」

メルセデス・ベンツGクラスもついに電動化。ハイブリッドにEVも

2024年7月、絶大な人気を誇るオフローダー、メルセデス・ベンツGクラスの新型モデルが国内発表された。新型といってもあの四角い無骨なスタイリングに大きな変更はない。エンジンの電動化、最新のインフォテインメントシステムを搭載するなどデジタル化が進んでいる。最新モデルの中身、そして国内未導入ながらついに発売されたGクラスのEVバージョンもあわせて考察してみる。

CREDIT :

文/藤野太一 写真/Mercedes-Benz AG

メルセデス・ベンツGクラスの新型モデルが2024年7月国内発表された。最新モデルの中身、そして国内未導入ながらついに発売されたGクラスのEVバージョンもあわせて考察してみる。

デビューから変わらぬスタイリングで不動の人気を誇る

ジープラングラー、ランドローバーディフェンダー、トヨタランドクルーザー、そしてメルセデス・ベンツGクラス。当代きっての人気オフローダーだが、いずれも共通するのは軍用車両を出自とし、四角い無骨なスタイリングで本格的なオフロード性能を有していること。特にジープとGクラスに関しては、デビュー当時からスタイリングがほとんど変わっていないことが人気の理由のひとつとして挙げられる。
メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ 特徴的なドアハンドル、ガチャっと金属的かつ重厚なドアクロージング音、強靭さを強調するサイドストリップライン、テールゲートに備わったスペアタイヤカバー、ユニークなウインカーレンズなど、Gクラス特有のディテールを継承し続けている。
PAGE 2
ルーツを知ってか知らずか、ユーザーはその製品がもつ本物感のようなものに惹かれるのだろう。実は2000年代にGクラスの生産中止が噂されたことがあった。しかし、メルセデスにそれを翻意させたのは日本市場での人気の高さだったと言われる。本格オフローダーをストリートで使うというスタイルが世界的に広まっていくきっかけとなった。
Gクラスのデビューは1979年。当時は“ゲレンデヴァーゲン”(ドイツ語でオフローダーの意)という車名だったが、1994年にその頭文字をとってGクラスと呼ばれるようになった。現在、中古車マーケットを含め流通しているGクラスは大きく2つに分類される。1990年から2018年まで生産されたW463型。そして2018年以降の現行型であるW463A型だ。
メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ 4本の水平なルーバーが配された顔つきが新型の特徴。バンパーの左右にエアインテークの形状も変更された。
今回の新型はこのW463A型のマイナーチェンジ版となる。エクステリアの変更点はほんのわずか。フロントグリルが4 本の水平ルーバーが走るタイプとなり、フロントバンパー左右には特徴的なデザインのエアインテークが配されている。また見た目では判断しづらいが、A ピラーの形状を最適化し、ルーフ前端にリップスポイラーを追加。そしてB/C ピラーの間やフロアに吸音材を追加するとこで空力特性、静粛性を向上しているという。
PAGE 3

Gクラスにも最新のMBUXをついに採用

メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ ルーフ前端に追加されたリップスポイラー。空力性能を改善している。
そして「ハイ、メルセデス」で起動する対話型インフォテインメントシステム「MBUX」をGクラスに初搭載。ナビの目的地入力をはじめ、電話、音楽選択、メッセージ入力・読み上げ、エアコンの温度調整、照明などなどを音声で操作できるメルセデスではお馴染みの機能だが、満を持してGクラスにも採用されたというわけだ。MBUXは年々進化を果たしており、認識精度も高まり、使い勝手が向上している。また現実の映像の上に重ねて進むべき方向を矢印で表示する AR (Augmented Reality = 拡張現実)ナビゲーションを標準装備している。
PAGE 4
メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ MBUXなどを備えた最新のインテリア。オフローダーというよりもモダンでラグジュアリィな雰囲気。
日本で発売されたのは、「G450dローンチエディション」(メーカー希望小売価格・税込み2110万円)と「AMG G63ローンチエディション」(同3080万円)の2種類。ポイントはいずれも電動化システムである「ISG」 (Integrated Starter Generator)を搭載したこと。「ISG」はエンジンとトランスミッションの間に配置された、電気モーターで、オルタネーターとスターターの機能も兼ねる。

この電気モーターと48V電気システムにより、回生ブレーキによる発電を行いリチウムイオンバッテリーに充電。エンジンが低回転時には、その電力を利用して動力補助を行うもの。電動走行はしない一般的にはマイルドハイブリッドと呼ばれるものだ。このシステムもメルセデスではすでに多くのモデルに採用されており、効率性、快適性の向上に大きく寄与する。
PAGE 5

G63のスペックはもはやスポーツカー並みに進化

メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ 「Ḡ450d」のエンジンは、メルセデス史上最もパワフルなディーゼルエンジンとなる 3リッター直列6気筒直噴ディーゼルターボエンジン(OM656M)を搭載。先代モデルの「G400d」比で+37PS/+50Nmの最高出力367PS、最大トルク750Nmを発揮。これに20PS、200Nmを発揮するISGを組み合わせる。
メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ 「Ḡ63」は、AMG謹製の4リッターV8ツインターボエンジンを搭載。最高出力585PS、最大トルク850Nm を発揮。これに20PS、200Nmを発揮するISGを組み合わせる。0-100km/h加速は 4.4秒とスポーツカーのような性能を誇る。
PAGE 6
ところで実は本国では、この新型Gクラスの導入にあわせて100%電気自動車バージョンも発表されている。日本市場へも、もう間もなく導入が開始されるとのことなので、ここで少し紹介しておく。
メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ GクラスのEVバージョンである「G580 with EQテクノロジー」。ブラックアウトされたフロントマスクがEVの特徴。
メルセデスは現在、電気自動車の車名をEQSやEQEなどEQ+モデル名としており、GクラスのEVもコンセプトカーの段階では「EQG」と名付けられていた。しかし、今後はEQブランドの見直しが図られるようで、「G580 with EQテクノロジー」と少々長い車名になった。

スタイリングは基本的にGクラスを踏襲する。エクステリアでEVとわかりやすい特徴はフロントマスクがグロスブラックになっていること。シャシーはエンジン車と同じラダーフレームを採用。切り替え可能な LOW RANGE オフロードギア減速機能を搭載するなどEVであってもオフロード性能に妥協はない。

モーターを4輪それぞれに配置した4WDで、ひとつあたり最高出力147PS/最大トルク291Nmを発揮。システム最高出力は587PS、最大トルク1164Nmに達する。4輪独立モーターを個別に制御することで、その場で車体が回転する「Gターン」という機能を備えており、転回や切り返しの難しい場面で役に立つという。

ただし、アスファルトやコンクリート路面での使用は推奨されておらず、基本的にはオフロード用の装備だ。バッテリーの総電力量は116kWh。一充電あたりの航続距離(WLTPモード)は、最大473kmとなっている。
メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
▲ Gクラスの特徴であるテールゲートのスペアタイヤを、充電ケーブル収納ケースに変更した仕様も用意されている。
PAGE 7

市場に合わせた選択肢を用意する巧みな販売戦略

最近はEVの需要が鈍化傾向にあるという報道もみられる一方で、ハイブリッドやプラグインハイブリッド(PHEV)の存在感が増している。メルセデスは電動化戦略において“市場が許せば”と但書きをつけており、すべてを一気にEVにするようなことはしないと明言している。まさにGクラスにおいてもその両方の選択肢を用意しているというわけだ。どちらを選ぶのかは、あなた次第。
メルセデス Gクラス ゲレンデ PHEV ハイブリッド
PAGE 8

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        メルセデス・ベンツGクラスもついに電動化。ハイブリッドにEVも | 自動車 | LEON レオン オフィシャルWebサイト