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2025.01.05

VOL.23 「電気自動車ってなんだ?」

テスラの新型スポーツカー「ロードスター」の国内受注が始まっていた

イーロン・マスクはテスラの2024年第2四半期決算報告会で、次世代ロードスターの生産を2025年に開始すると表明した。そして、大々的にはうたっていないが、日本の公式サイトでも「ロードスター」の新型モデルの予約が始まっているのだ。果たしてその内容とは?

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文/藤野太一

ホンダと日産の経営統合に向けた協議がはじまるなど、かつては想像すらしなかったようなことが起きている激震の自動車産業界。2008年に電気自動車(BEV)界の黒船としてあらわれたテスラはいまや販売台数が200万台にも迫る世界ナンバー1のBEVメーカーにまで成長を遂げた。そして次なる一手は世界最速のBEVスポーツカーだ。
テスラの新型スポーツカー「ロードスター」
テスラ初の量産BEVは、2008年に発売された2シーターオープンスポーツカー「ロードスター」だった。シャシーはロータスエリーゼのものを流用、最高出力215kWのモーターをミッドシップに搭載し、0-100km/h加速は4秒以下。駆動用バッテリーは、パナソニックのPC用リチウムイオンバッテリーを大量に敷き詰め総容量約53kWhを確保。満充電時の走行可能距離は約390kmだった。
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テスラの原点といえる「ロードスター」の次期型。イーロン・マスクCEOはテスラのもてる最新技術を結集して2025年に生産を開始すると表明した。
▲ テスラの原点といえる「ロードスター」の次期型。イーロン・マスクCEOはテスラのもてる最新技術を結集して2025年に生産を開始すると表明した。
当時、それまでトヨタのプリウスをレッドカーペットに乗り付けて環境意識の高さをアピールしていたアメリカのハリウッドスターなどのセレブリティがこのロードスターに乗り換えるといった現象が起き、大きな話題を呼んだ。実は日本人でテスラにいち早く目をつけていたのが、トヨタ自動車の豊田章男社長(当時)。2010年にはトヨタがテスラの株を3.15%取得し、資本・業務提携を開始。その際、イーロン・マスクCEOが、右ハンドル仕様のロードスターを章男社長にプレゼントしている。
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トヨタとテスラの共同開発による「RAV4 EV」。2012年夏以降にカリフォルニア州で発売し、3年間で約2600台を販売する計画を打ち出したが、ヒット作とはならなかった。
▲ トヨタとテスラの共同開発による「RAV4 EV」。2012年夏以降にカリフォルニア州で発売し、3年間で約2600台を販売する計画を打ち出したが、ヒット作とはならなかった。
2010年のLAオートショーでトヨタはテスラとの共同開発によるコンセプトモデル「RAV4 EV」を発表。2012年には市販モデルが発表されたが、ビジネスとして成功するには至らなかった。2014年にはトヨタがテスラの株式の一部を売却。その後、トヨタが所有するテスラ株はすべて売却され提携は解消された。
2012年に登場し、ヒット作となった「モデルS」。マイナーチェンジを繰り返し、現在も現行型として販売されている。
▲ 2012年に登場し、ヒット作となった「モデルS」。マイナーチェンジを繰り返し、現在も現行型として販売されている。
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ときを同じくして、2012年にはテスラはロードスターに続く第2弾として、4ドアセダンの「モデルS」を発売する。これが世界的なヒット作となり、現在のテスラの躍進につながった。その後は、ガルウイングドアのSUV「モデルX」、日本でももっとも売れているコンパクトハッチバックの「モデル3」、モデル3をベースとしたクロスオーバーSUVの「モデルY」をラインアップする。アメリカではピックアップトラックの「サイバートラック」も販売されているが、日本ではいまのところ発売の予定はなさそうだ。
▲ とても市販車とは思えないデザインの、EVのピックアップトラック「サイバートラック」。全長5682.9mm×全幅2413.3mm×全高1790.8mmというサイズは日本の道ではもてあましてしまいそう。歩行者保護をはじめ、衝突安全基準をクリアするのは難しそうで、日本での発売予定はいまのところない。
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2017年には次期型「ロードスター」のプロトタイプを公開。2020年には発売するとアナウンスしていたが、コロナ禍の影響などもあってたびたび延期となってきた。それがアメリカ大統領選の報道が過熱するなか、あまり大きな話題となっていないようだが、イーロン・マスクCEOは2024年第2四半期決算報告会で、次世代ロードスターの生産を2025年に開始すると表明した。
新型「ロードスター」の公称スペックは0-100km/h加速2.1秒、最高時速400km/h以上、航続可能距離1000km。これを本当に実現できればスポーツEVの革命児になるはず。
▲ 新型「ロードスター」の公称スペックは0-100km/h加速2.1秒、最高時速400km/h以上、航続可能距離1000km。これを本当に実現できればスポーツEVの革命児になるはず。
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そして、大々的にはうたっていないが、日本の公式サイトでも「ロードスター」の新型モデルの予約が始まっている。サイトの予約するというボタンを押すと「Roadsterのご予約には、頭金としてクレジットカードで57万円、銀行振込で511万4000円を10日以内にお支払いいただくようお願いします。銀行振込でのご入金が確認できた時点で予約確定となります」とある。

新型ロードスターは2シーターではなく、4シーターのスポーツカーになるようだ。駆動方式はAWD。トランクに収納できる取り外し可能なガラスルーフを採用。0-100km/h加速はわずか2.1秒、最高速は400km/hオーバー、一充電あたりの航続可能距離は1000kmと驚異的な性能が公表されている。

実はまだコンパクトなEVスポーツカーというのはほとんど例がない。ポルシェが次期型718ボクスター&ケイマンをBEVとして開発を進行中で2025年の発表を予定しているが、世界的なEV需要の減速などもあって電動化戦略の再考も噂されるようになった。ハッチバックであればヒョンデのアイオニック5Nがもっともスポーティなモデルといえるだろう。ツインモーターは合計650PSを発揮、0-100km/h加速はわずか3.4秒だ。
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ヒョンデの「アイオニック5N」。コンパクトハッチバック「アイオニック5」をベースとしたスポーツモデル。ヒョンデの高性能ブランド「N」を冠した初のEV。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、10ベストカーに選ばれた。
▲ ヒョンデの「アイオニック5N」。コンパクトハッチバック「アイオニック5」をベースとしたスポーツモデル。ヒョンデの高性能ブランド「N」を冠した初のEV。2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤーにおいて、10ベストカーに選ばれた。
果たして新型ロードスターは新たなスポーツEVというカテゴリーの覇者となれるのか。またイーロン・マスクCEOは、第2期トランプ政権において官僚主義や過度な規制を廃し、無駄な支出を減らし、連邦政府機関を再構築する「政府効率化省」を率いる要職につくという。EVの税控除を廃止し、補助金などの見直しを検討しているというトランプ新政権とどのように折り合いをつけるのか、大いに注目だ。
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テスラの新型スポーツカー「ロードスター」

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