VWグループとしての販売台数はこの5年で約140万台も減少
2024年のVW(乗用車)の世界販売台数は約480万台(前年比1.4%減)。ドイツ市場においてはシェア 19.1%を獲得し、マーケットリーダーとなっている。このうちBEV が占める割合は16.3%。2023 年と比較して2.8%の増加となっている。これだけをみれば決して悪い数字ではないようにも思える。

こうした現状を打破すべくVWの経営陣が打ち出した策は、創業以来初めてとなるドイツ国内工場の閉鎖、それ以外の工場でも人員削減や従業員の賃金カットを行うというものだった。もちろんこれに労働組合は猛反発。昨年12月には大規模なストライキが行われたことは連日、日本でも報道されていたとおりだ。

BEVを推しつつ内燃エンジンを搭載したニューモデルを続々投入
・2026年に小型BEV「ID.2all」を発売。ベース価格は2万5000ユーロ未満に
・2027年までに約2万ユーロのエントリーBEV「ID. EVERY1」を含む、9つのニューモデルを導入予定
・ウォルフスブルグの本社工場では次世代のBEV(「ゴルフ」と「T−Roc」)を生産予定
・内燃エンジンをもつ「ゴルフ」の生産拠点をメキシコへ移管





BEV推しが悪いというわけではないのだけれど、小排気量エンジンに過給機を組み合わせた「TSIエンジン」で大排気量=エライという既成概念を打ち崩してきたVWなのだから、未来計画にも実は新しい内燃機の開発も粛々と続けていますけどね、とひとこと付け加えてくれたなら世界中のVWファンももう少し心中穏やかでいられると思うのだけれど。