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2025.03.26

【注目】キャデラック初の電気自動車が右ハンドル、ワンプライスで日本上陸!

キャデラック初のBEV(電気自動車)「リリック(LYRIQ)」は従来のアメリカ車への固定観念を覆す斬新なデザインと欧州プレミアムブランドに匹敵するハンドリング性能が自慢だ。この新時代のキャデラックは日本でも受け入れられるのか。

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文/藤野太一

GMジャパン キャデラック リリック LEON BEV
▲ リリックの日本導入モデルは、全車両が右ハンドル仕様。価格はワンプライスで1100万円(税込)、デリバリー開始は2025年5月以降を予定。
3月8日、GMジャパンはキャデラック初のBEV(電気自動車)「リリック(LYRIQ)」を発表した。従来のアメリカ車への固定観念を覆す斬新なデザイン、欧州プレミアムブランドに匹敵するハンドリング性能など、新時代のキャデラックは日本でも受け入れられるのか。日本上陸110年目の新たな挑戦のはじまりだ。
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日本上陸110年という長い歴史のあるブランド

キャデラックはアメリカを代表する、世界的なラグジュアリーカーブランドのひとつ。アメリカ大統領専用車にも採用されており、現在のトランプ大統領が使用する専用車もキャデラックの特別装甲車だ。

日本にとっても馴染みの深いブランドで1915年に梁瀬商会(現ヤナセ)が輸入販売を開始しており、日本上陸110年という長い歴史をもつ。しかし、近年のモデルラインアップは左ハンドル仕様のみの設定ということもあり国内販売は低迷していた。
GMジャパン キャデラック リリック LEON BEV
▲ リアデザインには、1967年型「エルドラド」のオマージュとしてデザインされたテールランプを採用。クラストップレベルの広さを誇る電動サンシェード付きガラスルーフを標準装備する。
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一方、本国での業績は好調。北米市場では2024年に約16万台のセールスを達成しており、これは対前年比+8.8%、2016年以来の最高記録となっている。またキャデラックブランドとしてはBEVの販売も好調で、約27%をBEVが占めており全米29の州で第1位を獲得している。近年は、ルマン24時間レースへの参戦、2026年からはF1へも参戦を予定しており、スポーティかつプレミアムなブランドへとイメージチェンジを図っている。
現に日本に先駆けてリリックを発売した欧州市場ではアメリカ車として初めてドイツで「ラグジュアリー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞するなど、世界的に高い評価を得ている。そして満を持しての国内導入開始というわけだ。
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GMジャパン キャデラック リリック LEON BEV
▲ 「アルティウム」と呼ばれる新世代プラットフォームを採用。バッテリーをフロア下の前後アクスル間に収め、低重心かつ前後重量配分50:50を実現。前後2つの駆動用モーターはシステムトータルで最高出力384kW、最大トルク610Nmを発生。バッテリー容量は95.7kWhで一充電航続距離は510km (WLTPモード)となっている。

ワンプライス制を導入、来年以降には新型モデルも追加

そしてリリックの国内販売に関しては、“エージェントモデル”と呼ばれる新たなセールス方法を導入する。これはGMジャパンで在庫の集中管理を行い、ワンプライスで販売するというものだ。各ディーラーは在庫をもつ必要はなく、また価格も一律のため値引き交渉をする必要もない。日本の自動車販売は車庫証明にはじまる独自の登録業務や保険やローン、下取りなどディーラーによるサポート業務が必要なシーンも多くあるためすべてをオンライン販売に移行することは難しいが、テスラに似た販売方式になるようだ。

さらに来年以降は日本市場においても新型BEVを順次発売予定という。リリックを皮切りに「VISTIQ(ビスティック)」や「OPTIQ(オプティック)」、そしてリリックのハイパフォーマンスバージョンである「LYRIQ-V」といったニューモデルの導入が予定されている。
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GMジャパン キャデラック ビステック LEON BEV
▲ VISTIQ(ビスティック)は、リリックよりもひとまわり大きな3列シート仕様のラージSUV。最高出力615PS、最大トルク880Nmを発揮。102kWhのバッテリーを搭載、本国仕様の一充電走行距離は300マイル(約480km)。価格は$7万7395(北米仕様)。
GMジャパン キャデラック オプティック LEON BEV
▲ OPTIQ(オプティック)は、リリックよりもひとまわり小さなコンパクトSUV。前後に2つのモーターを搭載し300PSを発揮、駆動方式は4WD。本国仕様のバッテリー容量は85kWhで一充電航続距離は302マイル(約483km) 。価格は$5万2895(北米仕様)。
GMジャパン キャデラック リリック LEON BEV
▲ キャデラックのハイパフォーマンスモデルV-Series初のBEVとなる「LYRIQ-V」。最高出力615PS、最大トルク880Nmを発揮。102kWhのバッテリーを搭載、本国仕様の一充電走行距離は285マイル(約456km)。価格は$7万8595(北米仕様)。
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ちなみにすべての車名に共通するのは、インテリジェントドライビングを意味する“IQ”というワードを取り入れていること。過去の車名を踏襲しながらBEVへとスムースに移行しようというブランド戦略が多くみられる中で、あえて新しい車名を創出しポートフォリオの拡大にチャレンジしていくようだ。

またキャデラックではいまアジアパシフィック部門の強化に取り組んでおり、日本のみならずオーストラリアやニュージランドなどへも右ハンドルモデルを積極的に用意する。GMジャパンは数年前に、シボレーブランドのスポーツカー「コルベット」の導入時に右ハンドル仕様のみの設定にした経緯がある。長年のコルベットファンは左ハンドルじゃなければ購入してくれないのではないかという懸念もあったが、あえての挑戦だったとGMジャパン代表取締役社長の若松格氏が話してくれた。結果、わずか数カ月で2年分の生産枠が完売したという。
日本において創業110年ということは、実は自国のメーカーであるトヨタより日産より長い歴史をもっているということになる。そのキャデラックにとって電気自動車、右ハンドル、ワンプライスといった試みは、まさに第二の創業ともいうべきチャレンジとなるだろう。キャデラックのこれからに注目したい。
GMジャパン キャデラック リリック LEON BEV
▲ リリックは3mを超える長いホイールベースによって広い室内空間と優美なスタイリングを実現している。
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