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2025.04.16

新世代アウディA5シリーズに試乗! 電気もいいが、やっぱりエンジンもいい‼

2025年2月、新型アウディA5シリーズが発売された。ベストセラーモデルA4シリーズの後継であり、新世代の内燃エンジン用プラットフォームを採用するアウディにとって待望のニューモデルだ。今回はS5アバントに試乗して、その出来栄えを確認してみた。

BY :

文/藤村 岳(男性美容研究家)
CREDIT :

写真/アウディジャパン

ベストセラーモデルである、A4シリーズの後継車

アウディ ステーションワゴンの「アバント」。車両価格はA5が599万円〜、S5は1035万円〜。
アウディはVWグループにおいて電動化の急先鋒を担うブランドである。2021年には電動化戦略「Vorsprung 2030」を打ち出し、2026年以降に登場するすべてのモデルを電気自動車に、内燃エンジンの製造は2033年をもって終了すると発表していた。

しかし、いま世界的に100%電動化へのスピードは鈍化している。例えばメルセデス・ベンツもボルボも戦略変更を余儀なくされている。それはアウディとて同じことだ

アウディによると新型A5シリーズは、ベストセラーモデルである、A4シリーズの後継車にあたるものという。これまでA4といえば、「セダン」とステーションワゴンの「アバント」があり、その派生車種である「クーペ」、「カブリオレ」、5ドアハッチバックの「スポーツバック」にA5の名が使用されてきた。
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リアにハッチゲートを備えたファストバックの「セダン」(左)と、ステーションワゴンの「アバント」。車両価格はA5が599万円〜、S5は1035万円〜。
▲ リアにハッチゲートを備えたファストバックの「セダン」(左)と、ステーションワゴンの「アバント」。車両価格はA5が599万円〜、S5は1035万円〜。
新型では車名をA5に統合し、リアにハッチゲートを備えたファストバックの「セダン」と「アバント」の2モデルの設定となっている。なぜ長年使用してきたA4をA5へと変更したのか。

実はこれ、電動化に向けて車名の再編成を進めてきたことによる影響だ。アウディは2024年から電気自動車には偶数の、内燃エンジン車には奇数の数字を割り当てると発表していた。したがって4は電気自動車に、5は内燃エンジン車にという法則にのっとっている。
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ところが少々ややこしいのが、今後はこの法則もやめて従来どおりセダン・ハッチバックを「A」、SUVを「Q」として、それにボディサイズにあわせて1〜8の数字を組み合わせるカタチに戻す予定という。そして電気自動車には「e-tron」という名称を付加する。すでに日本でも発表された電気自動車のミッドサイズSUVは「Q6 e-tron」に、今後日本へも導入予定の内燃エンジンのステーションワゴンは従来モデルと同様に「A6」の名称が使われるなど、偶数に電気自動車とエンジン車が混在することになっている。
日本でも発表された電気自動車のミッドサイズSUV「Q6 e-tron」。車両価格は839万円〜。
▲ 日本でも発表された電気自動車のミッドサイズSUV「Q6 e-tron」。車両価格は839万円〜。
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新世代プラットフォームによる数多のメリット

そんなこんなでとりあえず新型A5である。注目のポイントは、プラットフォームが刷新されたこと。これまでのMLBプラットフォームの後継となる「プレミアム・プラットフォーム・コンバスション(PPC)」と呼ばれる、縦置きの内燃エンジン車用のものだ。

プラットフォームを新しくしたことにより、性能向上はもちろん、電動化、環境規制への対応、安全性の向上、最新の電子アーキテクチャの採用によりインフォテインメントシステムの進化など、さまざまなメリットが生まれる。今後はこのPPCをもとにした新型Q5やQ7、A6なども導入される予定だ。
運転席から助手席まで広がった一連のディスプレイが先進性を感じさせる。
▲ 運転席から助手席まで広がった一連のディスプレイが先進性を感じさせる。
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オプションで装着可能な天井全体に広がるスマートパノラマガラスルーフは、PDLC技術 (ポリマー分散液晶)によって透明度の切り替えが可能となっている。
▲ オプションで装着可能な天井全体に広がるスマートパノラマガラスルーフは、PDLC技術 (ポリマー分散液晶)によって透明度の切り替えが可能となっている。
ちなみ先日、日本でも発表された新型Q6 e-tronと姉妹車となる電気自動車のポルシェマカンが採用している電気自動車用のプラットフォームが「プレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)」という名称のもの。PPCとは対となるもので、電気自動車用のPPE、内燃エンジン車用のPPCと棲み分けがなされている。

オールニューになった新型A5シリーズのラインアップは、2ℓ4気筒ターボで前輪駆動の「A5 TFSI」(最高出力110kW/150PS)とその高出力版(150kW/204PS)の「TFSIクワトロ」、2ℓディーゼルターボの「TDIクワトロ」、そして3ℓV6ターボを搭載する「S5」からなり、それぞれにセダンとアバントが用意されている。
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S5アバントのリアスタイリング。スポーティな4本出しのマフラーがSモデルの証。
▲ S5アバントのリアスタイリング。スポーティな4本出しのマフラーがSモデルの証。
今回試乗したモデルは、スポーツグレードのS5アバントだった。ボディサイズは全長4835mm×全幅1860mm×全高1450mm、ホイールベース2895mmで従来型と比べてホイールベースは70mm延長されている。そのおかげで室内空間は旧型A6と同等のサイズにまで拡大している。

エクステリア以上に新しさを感じさせるのが新世代のインフォテインメントシステム。11.9インチのAudi バーチャルコックピットプラス(デジタルメーター)と、14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成されており、助手席用にも10.9インチMMIパッセンジャーディスプレイをオプションで用意する。
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さらにアウディが得意とするデジタルライトも新しくなった。デイタイムランニングライトは8種類のパターンから好みに応じて選択が可能。S5には標準装備のOLED リヤライトも8パターンから選択が可能となっている。また、停車時に後続車が近づくとOLEDセグメントを強く点灯させることで車間距離の確保を促す機能や、ハザードランプに連動して警告シンボルを表示する機能も搭載している。
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新世代マイルドハイブリッドは電動走行も可能に

S5が搭載する3ℓV6ターボエンジンは最高出力270kW(367 PS)、最大トルク550Nmを発揮。48ボルトMHEV plusシステムにより、最大18kW(24 PS)の電力を追加し減速時には最大25kWのエネルギーを回生する。走行時にこのマイルドハイブリッドシステムがどのようなアシストをしているのかはメーターに表示されず、あくまで黒子の存在に徹しているようだ。しかし、駐車場内での徐行時など気づけば電動走行しているし、市街地などを走行している際にも積極的にエネルギー回生を行っていることがわかる。

その電動アシストの恩恵もあり、とにかく動き出しが軽快。そしてSモデルのため、硬い乗り味を予想していたがしなやかで洗練されていた。もしスポーティな乗り味がお好みなら走行モードを「ダイナミック」に変更すれば、ダンピングコントロールスポーツサスペンションを備えているので引き締まった足回りになる。
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そして静粛性にも優れている。ドアの閉まる音から密閉度の高さが伝わってくる。静かで滑らかというと電気自動車の専売特許だが、それでいてV6エンジンの回転数の上昇に伴う高揚感というのは、また別の楽しみが感じられる。新型S5は内燃エンジン車もまだまだ捨てたもんじゃないとあらためて感じさせてくれる仕上がりだった。
かつての“スポーツバックのようにリアにハッチゲートを備えた”S5セダン。
▲ かつての“スポーツバックのようにリアにハッチゲートを備えた”S5セダン。
藤野太一
大学卒業後、自動車情報誌「カーセンサー」、「カーセンサーエッジ」の編集デスクを経てフリーの編集者兼ライターに。最新の電気自動車からクラシックカーまで幅広い解説をはじめ、自動車関連のビジネスマンを取材する機会も多くビジネス誌やライフスタイル誌にも寄稿する。またマーケティングの観点からレース取材なども積極的に行う。JMS(日本モータースポーツ記者会)所属。写真/安井宏充

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