大人なデニムの大本命、“波乗りデニム”のこなし方

「華やかなデニムスタイル」を実践するために、もっとも使えるデニムのひとつが、カリフォルニアのサーファーたちがはいているような“波乗りデニム”。

しっかりと色落ちした、どこか潮の薫りの漂う薄いブルーの発色がこのデニムの醍醐味です。爽やかさやこなれ感もそなえた春夏シーズンのパワーアイテムですが、大人がコーデに採り入れる際はちと注意が必要でして……。

そう、この手のデニムは、あまりにユルくこなしてしまうと、子供っぽく見えてしまうおそれがあるのです。あくまで我々が目指すのは、程よく力が抜けつつも、品のよさや華やぎも兼ねそなえた大人のデニムスタイル。

今回はそんな理想のコーデをモノにする方法を指南します。

波乗りデニムに合わせるトップスといえば、スウェットやTシャツといったアメカジアイテムが定番ですが、華やぎや大人っぽさを重視するなら、“ざっくりニット”を合わせるのがおすすめ。

それも春夏シーズンらしいパステルカラーのニットがベストチョイス。トップスはちょっぴり上品なニットなのに、パンツはラフな波乗りデニム、というコントラストがこなれたムードを醸し出すのです。

無造作な雰囲気を生かすべく、小物による味つけも薄味を心がけましょう。アクセはサングラスや腕時計くらいにして、シューズは軽快なローテクスニーカー、というのがちょうどいい塩梅です。

ひと口に波乗りデニムといっても種類はさまざま。では、今回のようなざっくりとしたパステルニットにはどんなデニムがしっくりくるのでしょう？

まず、シルエットは太過ぎないスリムなストレート。股上も深すぎないちょっぴりローライズ。レングスは、シューズの上で軽くクシュっとするくらいのハーフクッションがバランスよし。

色落ちは全体的に薄めのブルー。太ももから膝にかけてしっかり縦落ちしたものが理想的です。

そんな波乗りデニムに合わせるトップスは、前述したようにパステルカラーのニットが正解。こと淡いピンクなら、波乗りデニムのハードなイメージを中和しつつ、かつコーデに華やぎと上品さをプラスすることが可能です。

ハイゲージニットだと少々上品すぎる感もあるため、編み目はミドル～ローゲージのざっくりとしたニットが好バランスです。

サイズ感はピタピタにならないよう適度にルーズなものを。ニットというよりもロンＴ感覚でサラッと着るのが、こなれ感を醸し出す秘訣です。

上品なトップスで色落ちデニムのラフさを和らげることが波乗りデニムのこなしの定石。であれば、ニットに負けないくらい重宝するアイテムがジャケットです。

ただ、いつもの紺やグレーの無地だと、おカタいイメージになりがち。そこで出番となるのが、チェック柄のジャケットです。特にちょっとだけ格子が大きめのブラウン系チェック柄を選べば、爽やかになり過ぎず、グッと落ち着いた雰囲気に。

で、そんな品のいいジャケットに、薄いブルーの波乗りデニムが絶妙なヌケ感をもたらしてくれます。インナーには、シャツではなく、ジャケットの柄と色を合わせたカットソーを合わせるのが堅苦しく見せないコツです。

ジャケットに合わせるデニムといえば、スラックスのようなスリムテーパードのデニムが思い浮かびます。もちろん、それでもＯＫですが、今回のこなしの見どころは、上品なジャケットに色落ちデニムを無造作に合わせる点。

ゆえに、股上やワタリはゆったりめで、裾にかけてゆるやかにテーパードするちょいワイドなストレートがちょうどイイのです。レングスは足元に軽さを演出するべく、短めのハーフ～ノークッションで。色落ちはどこか上品さも感じられる薄いブルーのものを。

ラフ過ぎないのが華やぎデニムのポイントゆえ、ハードなダメージ加工が施されたモデルは避けた方が無難でしょう。

ゆったりとした股上と太ももから、裾にかけてかすかにテーパードしたストレート。トレンドに左右されない王道シルエットといい、長年穿き込んだようなリアルなヒゲといい、ラルフの叡智を感じる1本。

コインポケットの織りタグがさりげないアクセントに。2WAYストレッチデニムははき心地も楽ちんです。

エージーのロングセラーモデル「プロテジェ」。ワタリから裾までストンと落ちる骨太ストレートシルエットが特徴ですが、きもち浅めに設計された股上のおかげで下半身がすっきり見えるのが人気の理由です。

リヨセルがミックスされたストレッチデニムはしなやかな肌触りと適度なハリコシも魅力です。

ナポリ東部に拠点を置くパンツ専業ブランドは、脚を細く長く見せる美脚シルエットに定評あり。デニムもしかりで、定番「リボー」は股上＆ワタリから裾にかけて徐々に細くなるテーパードシルエット。

股上、ワタリ、ヒップもジャストですが、立体パターンのおかげで不思議とピタピタに見えません。

稀代のファッショニスタ、ドメニコ・ジャンフラーテ氏が指揮をとるパンツ専業ブランドから。

「レゲエ」と名付けられた人気モデルは、大定番の「スーパー スリム フィット」よりも深めの股上とちょいゆったりめのワタリ幅を持ち、膝下から裾にかけてグッと細くなるテーパードシルエットが特徴です。