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2022.05.09

技アリ! プロの着こなしテク拝見【坂戸典之編】

毎シーズン現われるニューアイテム。ですが、どのように取り入れるべきか分からない人も多いハズ。そこで着こなし自慢たちが、トレンドを踏まえたコーディネートテクニックを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。

CREDIT :

写真/多田 悟(Rooster) 構成・文/長谷川 剛(TRS)

コットンスーツの奥深いポテンシャルとは!?

クラシコ系のイタリアン・ブランドと長年事業を続けてきた、大ベテランのファッショニスタである坂戸典之さん。現在は自身の会社にてドルモアやギ・ローバー、エルネストなど、著名セレクトショップからも支持を得る人気ブランド服のインポートを手掛けています。

自らが率先してそれらアイテムを身に着け納得したモノだけを取り扱うというのが坂戸さんの流儀。そんなこだわりマイスターに今回は、今最も注目しているウエアについて伺ってみました。
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まさに万能無敵なエルネストのオーダースーツ

▲ エルネストはイタリアはパルマのファクトリーであるジャン フランコ ボメザドリが手掛けるコレクション。熟練のサルト仕立てに加え、色や柄など高感度なデザインを加えたアイテムで、ファッション業界人などを中心に人気を得ています。
大人の一張羅と言えばスーツが筆頭です。しかし数年前とは打って変わってドレススタイル自体のニーズにも大きな変化が生じています。

大手銀行などでも夏期などはTシャツでの出勤が許されている職場もあると言います。ではあるものの、ココぞのシーンではやはりネクタイをしっかり締めて臨みたいし、休日のシーンも大人っぽく着飾りたい気分の時があるものです。そんな今の時代にベテラン・ファッショニスタが選んだ一着とは……。

「私は毎シーズン、スーツをオーダーするのですが、今季のお気に入りはこのエルネスト。ただスーツとは言ってもコットン・スーツであり、非常に着心地が軽く寛いだ雰囲気が大きなポイントです。薄手の綿製スーツと言うとチープで簡素な作りと思われがちですが、テーラードの技術に長けたブランドのソレは次元が異なります。

しっかりクラシックな立体製法を貫いているので、ドレッシーな着こなしにハマるし、コットンゆえのシワ感を生かしてアンタイドなスタイルも軽妙にキマるのです。つまり一着持っていれば、本当に幅広い意味でオンオフ自由自在。しかも高感度ブランドのコットンスーツは、遊んだ色使いもポイントです。ウールスーツにはない軽妙なカラーを豊富にリリースしており、さり気なく個性のアピールができるのです」
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▲ ブラウン×ブラックの着こなしが非常にスタイリッシュ。大人っぽさと開放感のバランスが絶妙です。スーツ16万5000円(既製品価格)/エルネスト、シャツ2万6400円/ギ・ローバー(ともにエル.アイ.エス.) 他のアイテムは私物
坂戸さんが今季愛用しているエルネストのコットンスーツ。明るいブラウンがこれからの季節に映えるだけでなく、かしこまりすぎないトーンゆえに、確かにカジュアルにも着回せそうな一着です。

実際にお手本を見せていただきたく、まずはタイドアップスタイルを披露していただきました。
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僅かな違いこそ成熟した男のお洒落

▲ 一見何気ないVゾーンですが、坂戸流のセンスが込められています。淡いベージュのシャツはタブカラー仕様、タイもアクセントカラーであるブラックを拾ったストライプ柄。小さめのノットがイイ感じです。
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「この着こなしは、いわゆるオンスタイルのもの。開放的なブラウンスーツの装いを引き締める意味でカーディガンなどブラックアイテムを随所に入れて、シックな印象を添えています。個人的なポイントはベージュのドレスシャツ。イタリア語ではブッロ(バター)とも呼ばれるカラーですが、寛いだスーツにはこういった遊び感覚のあるカラーシャツを合わせるのが今の気分。非常に分かりづらいポイントかも知れませんが、気付いてもらえると実にうれしくなるんです(笑)」

坂戸さん流のこなし技はソレだけではありません。シルバーアクセを腕元や腰部分に付けて自分らしさを隙なく主張。細かな細工のアクセサリーがアーティスティックなエッジをスタイルに薫らせます。
▲ バングルやウォレットチェーンはダミーコのもの。クラシカルなスーツスタイルをドレスアップするのにシルバーアクセは見逃せないアイテム。渋味ある質感のシルバーアクセサリーなら派手すぎずシックに決まります。
こうなると断然オフのスタイルも見たくなるのが人情と言うもの。そこで坂戸さんにお願いして、このエルネストのスーツを使って、休日をイメージした着回しテクニックを見せていただきました。
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アメカジ要素を取り入れ男らしく爽やかに

▲ イタロ・アメリカンな着こなしがサマになっている坂戸さん。確かに要素はカジュアルですが、色味を絞っているので落ち着きを感じさせるルックスです。スーツは上と同じ。シャツ3万5200円/ギ・ローバー×フォルテラ(エル.アイ.エス.) 他のアイテムは私物
「茶色のスーツにブルー系アイテムを合わせるのは“アズーロ・エ・マローネ”(イタリア語で青×茶の意)でも知られるように、定番のこなし技。コットンスーツのリラックス感に合わせてデニムシャツを取り入れるのが私流です。しかもこの一着はウエスタン・デザイン。一般的なドレスシャツとは異なるワイルドな雰囲気が特に気に入っています」

実に巧みなオフスタイルへの着回し術を見せてくれた坂戸さん。細部のこなしにも熟練のテクニックがちりばめられています。
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衿の出し方に加えヒゲまでパーフェクト

▲ シャツのトップボタンを2つ開けて開放感を積極的にアピール。さらに衿をジャケットの上に出したスタイルにてタフ・ガイな雰囲気も感じさせます。ヒゲとの相性も抜群と言わざるを得ません!
▲ ウエスタンなシャツに合わせたネイティブ・アメリカンスタイルのアクセサリーが実にマッチしています。ブランドはすべてイタリアのダミーコとのこと。シャツ袖口の捲り方もベテランです!
このアメリカンな着こなしに合わせて、オンスタイルにも取り入れたウォレットチェーンに加え、ネイティブアメリカン・スタイルの小物をプラスしています。

「昨今は大人の装いにアメカジ要素をプラスするこなしがひとつのトレンド。個人的にはこういったスタイルにはターコイズを効かせたアクセサリーを合わせたいところ。ですが、今回の装いはちょっと控えめ。実は数年にわたり愛用してきたターコイズアクセが壊れてしまっているんです。本国のイタリアに直しに行くべきですが、この状況下でソレがまだ叶っておりません。早く従来のように行き来したいと願っています」
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▲ カジュアルスタイル=スニーカー、ではないところが坂戸さんのセンスです。締めるところは締めることで大人のお洒落は完成するのです。とはいえ生真面目な内羽根式ではなく、外羽根式シューズというのがポイント。靴はコードバンのオールデン。
そして気になる足下ですがオンスタイルでは軽快なスエードスリッポンを合わせた坂戸さん。ですが、このコーディネートではかっちり本格ドレスシューズを合わせています。

「男の着こなしはバランスが肝心。先ほどのドレススタイルの場合は盛りすぎぬよう、サッパリさせるためスリッポンを選びました。そしてこのカジュアルスタイルでは、あまり崩れすぎぬようドレスタイプの革靴をあえて差し込んで。ソックスも紳士らしくロングホーズです(笑)」

● 坂戸典之 (株式会社L.I.S 代表取締役)

著名クラシコ系ショップからも支持を得る、ドルモアやギ・ローバー、エルネストにイルモカシーノなどのイタリアンブランドを扱うインポート会社率いるエグゼクティブ。トレンドを加味しつつ自分が本当に着たいものだけを追求するのが坂戸スタイル。現在の趣味は息子に付き添っての少年野球。インスタグラムでも服飾情報を発信中。

■ お問い合わせ
エル.アイ.エス. 03-5728-7462


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