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2022.06.18

技アリ! プロの着こなしテク拝見【藤井尚志編】

「お洒落は季節感を演出すべし」とは言うものの、どう装うべきか分からない人も多いハズ。そこで着こなし自慢たちが、トレンドやシーズンを踏まえたコーディネートテクニックを特別に披露。長年服を着倒してきた経験から導き出されるリアルな技は、参考になること確実です。今回は雨の多いこの時期ならではの着こなし方を伺いました。

CREDIT :

写真/小澤達也(Studio Mug) 文/T.Kawata 構成/長谷川 剛(TRS)

傘よりも、レインコート代わりのストーンアイランドを選ぶ

イタリアを中心に、世界中のブランドやファクトリーとビジネスを展開し、魅力的なウエアやグッズを日本に紹介してきたアマン。藤井尚志さんはそんなインポート会社において企画や商品開発を手掛けるエグゼクティブです。

ヒットアイテムを鋭く見極める能力に加え、自らもお洒落を積極的に楽しむファッショニスタである藤井さん。ミリタリーからアメカジ、クラシックスタイルまで、男の着こなしは何でもこなしてしまう洒落者であり、そのスタイリング術はSNSを中心につとに注目を集めているのです。

今回は、着こなし達人として知られる藤井さんの、この時期気になる雨天時のスタイリングを拝見。と、同時に悪天候の日でも楽しく過ごせる、着こなしのコツを伝授してもらいました。
 
「実は傘を持つのがあまり好きではなくて、海外出張の時にも持参しません。そこでスーツケースに入れておいてレインコート代わりに着るのがこの一着です」
 
そう言って藤井さんが取り出したのは、雨の日の定番として活躍している、ストーンアイランドのアウター。この4年くらい愛用しているそうで、軽くて風の侵入もブロックしてくれるスグレモノとのこと。
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▲ 藤井さんご愛用のストーンアイランドのジャケット。細すぎないシルエットは、オーバーサイズが主流の今のトレンドにもぴったりです。
「裏地がなくて軽いところが気に入っています。冬場だと防寒目的というよりも、軽い羽織りもの感覚で着ることが多いかな。最近はインナーダウンが進化しているので、それを中に合わせることもありますね。ゆったりと包み込むシルエットゆえ、オーバーサイズが主流の今のリラックスフィットとして使いやすいし、レイヤードもしやすいんです」
▲ ストーンアイランドのジャケットを活かした雨の日の実例。ベルウィッチのパンツに、ラコステのポロシャツ、足元はクラークスのシューズをコーディネート。パンツのモデル名は「スコッチ」。ワタリに適度にゆとりを持たせることで、大人のリラックス感が見た目にも着心地にも表れているとの評価からベストセラーになっている一本です。パンツ3万1900円/ベルウィッチ(アマン)。そのほかは本人私物。
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▲ 高機能で知られるストーンアイランドと、トラッドなラコステのポロシャツ。ちょっと意外な取り合わせですが、すんなり馴染んでいるところがユニークです。

差し色があれば雨の日の着こなしが楽しくなる

雨の日の着こなしのポイントとして、藤井さんが挙げたのは少し明るい差し色。憂鬱になりがちな雨の日の気分を楽しく盛り上げるための工夫なのだとか。そんな時、便利であるのがストイックな雰囲気を和らげてくれる優しい色使いのパンツや明るい柄のカットソー。
 
「ほかには、グリーンやオレンジ、イエローなど、ビビッドな色のポロシャツも効果的です。最近、ダークカラーやモノトーンを中心にした色彩を押さえた傾向が、トレンドとして浮上していました。でも、この春あたりからもう少しハッピーに楽しんでもいいのでは?といった気持ちに変わってきているのを感じます」
 
今回の着こなしでは、パンツを明るめのレンガ色にしているのが藤井さん流です。こちらのパンツは藤井さんがシルエットから素材に至るまで、吟味しブランドにオーダーを掛けた渾身の一着。ウール×ポリエステル×ポリウレタン素材で家庭洗濯(手洗い)が可能。おまけにストレッチが効いていて、シワになりにくく、クリースラインが長持ちするなど、良いことづくめの一本です。
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雨天の装いは、まず靴から考える

さらにもうひとつ、雨の日の着こなしで気を遣うのがシューズだと指摘する藤井さん。

「(雨の日の)洋服はなんとかなるものです。そこで、まずは靴からその日のスタイリングを考えます」

といっても、藤井さん流の3か条を聞くと、これがなかなか興味深い。その1「コードバンは絶対避けたい」、その2「レザーソールも避けたい」、その3「安易にスニーカーを選びたくない」と言うもの。
 
その結果、雨対策に選ばれる靴のひとつがクラークスのデザートブーツでした。藤井さんにとっては、長らく雨の日の定番となっています。

その利点はなんと言っても滑りにくい実用的なクレープソール。一般にスエード靴は雨の日に履いてはいけないとされていますよね。でも藤井さんによれば意外と心配はないようです。
 
「ダークブラウンやブラックなら、濡れた後、陰干しして栄養スプレーとブラッシングケアすれば、問題ありません」とのこと。無論、淡い色のスエードの場合や、一日中雨の中を歩き回るなんてケースだと、そうはいかないのでご注意を。
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▲ 2年ほど履いているというクラークス。傷むと買い替えて、繰り返しリピートしているほどのお気に入りです。

軍モノジャケットも雨の日に活躍

実は、藤井さんにはもう一着、雨の日のお気に入りがあるというので拝見しました。それが、USアーミー ジャングルファティーグジャケットです。それ風ではなく、リアルな軍モノというのが藤井さんらしい。

リップストップ素材で、乾きやすいことから軍用としてもすぐれていたのだとか。そんな背景もあって、雨の日の一着としてつい選んでしまうとのこと。 
▲ 軍モノのファティーグジャケットに、オーシバルのカットソー。黒のベルウィッチ「スコッチ」をコーディネイト。パンツ3万1900円/ベルウィッチ(アマン)。そのほかは本人私物。
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「いかにもなアメカジスタイルも好きですが、50歳代なので、軍モノを着る時はキレイで上品なコーディネートを意識しています。たとえば、ボーダーのカットソーやウールパンツを合わせて、足元はなるべく革靴をチョイスします。あえて装飾で華やかさを添えるために、グッチのビットローファーもよく合わせますよ」

聞けば古着もお好きだそうで、清潔感を添えて、大人の装いに格上げするテクニックは、ぜひ参考にしたいところ。

そんな藤井さんのこの着こなしの足元は、パラブーツ。登山靴に用いられるノルヴェジェーゼ製法を採用しているとあって、「雨の日でも大丈夫!」と、藤井さんは太鼓判を押します。

「革靴はピカピカにしておきたい性格ですが、パラブーツやレッドウイングは別。これらは過度に磨き上げずに、ほど良く手入れされているくらいの普通の雰囲気が似合うと思っています」
▲ オリーブグリーンとモノトーンのバランス感が絶妙です。上下ともにほど良いゆとりを持たせたシルエットから、大人の余裕が漂います。 
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▲ 愛用するパラブーツのシャンボード。装いのアクセントになるコンビ仕様が実に通好みの一足です。
雨の日は気持ちが明るくなる差し色と、シューズがポイント。そして何より清潔感や上品さを添えて、ワンランクアップさせる着こなしテクはお見事です。梅雨だからと外出をおっくうに思わず、どうせ出かけるなら楽しくお洒落にまいりましょうよ。 
藤井尚志 (株式会社アマン 取締役本部長)

● 藤井尚志 (株式会社アマン 取締役本部長)

1968年生れ、神奈川県出身。バンタンデザイン研究所を卒業後、シューズ、メーカー、ネクタイメーカーを経て、アマンの前身であるグレーマーに入社。イタリアを中心に、パリ、ロンドンの企業・ブラントとともに商品を開発し、日本に紹介してきた。現在はマーケティングPR分野をメインに仕事をしている。

■ お問い合わせ
アマン オンライン ストア 03-6418-6056

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