傘よりも、レインコート代わりのストーンアイランドを選ぶ
ヒットアイテムを鋭く見極める能力に加え、自らもお洒落を積極的に楽しむファッショニスタである藤井さん。ミリタリーからアメカジ、クラシックスタイルまで、男の着こなしは何でもこなしてしまう洒落者であり、そのスタイリング術はSNSを中心につとに注目を集めているのです。
今回は、着こなし達人として知られる藤井さんの、この時期気になる雨天時のスタイリングを拝見。と、同時に悪天候の日でも楽しく過ごせる、着こなしのコツを伝授してもらいました。
「実は傘を持つのがあまり好きではなくて、海外出張の時にも持参しません。そこでスーツケースに入れておいてレインコート代わりに着るのがこの一着です」
そう言って藤井さんが取り出したのは、雨の日の定番として活躍している、ストーンアイランドのアウター。この4年くらい愛用しているそうで、軽くて風の侵入もブロックしてくれるスグレモノとのこと。
差し色があれば雨の日の着こなしが楽しくなる
「ほかには、グリーンやオレンジ、イエローなど、ビビッドな色のポロシャツも効果的です。最近、ダークカラーやモノトーンを中心にした色彩を押さえた傾向が、トレンドとして浮上していました。でも、この春あたりからもう少しハッピーに楽しんでもいいのでは?といった気持ちに変わってきているのを感じます」
今回の着こなしでは、パンツを明るめのレンガ色にしているのが藤井さん流です。こちらのパンツは藤井さんがシルエットから素材に至るまで、吟味しブランドにオーダーを掛けた渾身の一着。ウール×ポリエステル×ポリウレタン素材で家庭洗濯(手洗い)が可能。おまけにストレッチが効いていて、シワになりにくく、クリースラインが長持ちするなど、良いことづくめの一本です。
雨天の装いは、まず靴から考える
「(雨の日の)洋服はなんとかなるものです。そこで、まずは靴からその日のスタイリングを考えます」
といっても、藤井さん流の3か条を聞くと、これがなかなか興味深い。その1「コードバンは絶対避けたい」、その2「レザーソールも避けたい」、その3「安易にスニーカーを選びたくない」と言うもの。
その結果、雨対策に選ばれる靴のひとつがクラークスのデザートブーツでした。藤井さんにとっては、長らく雨の日の定番となっています。
その利点はなんと言っても滑りにくい実用的なクレープソール。一般にスエード靴は雨の日に履いてはいけないとされていますよね。でも藤井さんによれば意外と心配はないようです。
「ダークブラウンやブラックなら、濡れた後、陰干しして栄養スプレーとブラッシングケアすれば、問題ありません」とのこと。無論、淡い色のスエードの場合や、一日中雨の中を歩き回るなんてケースだと、そうはいかないのでご注意を。
軍モノジャケットも雨の日に活躍
リップストップ素材で、乾きやすいことから軍用としてもすぐれていたのだとか。そんな背景もあって、雨の日の一着としてつい選んでしまうとのこと。
聞けば古着もお好きだそうで、清潔感を添えて、大人の装いに格上げするテクニックは、ぜひ参考にしたいところ。
そんな藤井さんのこの着こなしの足元は、パラブーツ。登山靴に用いられるノルヴェジェーゼ製法を採用しているとあって、「雨の日でも大丈夫!」と、藤井さんは太鼓判を押します。
「革靴はピカピカにしておきたい性格ですが、パラブーツやレッドウイングは別。これらは過度に磨き上げずに、ほど良く手入れされているくらいの普通の雰囲気が似合うと思っています」
● 藤井尚志 (株式会社アマン 取締役本部長)
1968年生れ、神奈川県出身。バンタンデザイン研究所を卒業後、シューズ、メーカー、ネクタイメーカーを経て、アマンの前身であるグレーマーに入社。イタリアを中心に、パリ、ロンドンの企業・ブラントとともに商品を開発し、日本に紹介してきた。現在はマーケティングPR分野をメインに仕事をしている。
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