2024.01.12
西野亮廣が着る、“染まらない”オトコのスタイル PART1
時代のエッジを凝縮させたモードスタイルには、大人の色気とエレガンス、そしてファッションの楽しみがつまっています。そんなモードのポテンシャルを、著名人が華麗に披露するこの連載。第8回目のゲストは、芸人や童話作家としての活動に留まらず、新たな地平を求めて飛躍する、キングコングの西野亮廣さんです。
- CREDIT :
主演/西野亮廣 写真/前田 晃 スタイリスト/久 修一郎 ヘアメイク/Hanjee(SIGNO) 文/大塚綾子 編集/伊藤勇司(LEON.JP)
大人なモードの遊び方 第8回 主演 西野亮廣
“染まらない”オトコ PART 1
芸人、絵本作家という枠に収まらず、特大のキャンバスにまだ誰も見たことがない新しい色で未来を描いて見せる、キングコングの西野亮廣さんは、まさにそんな“染まらない”オトコ。
さすがは男前芸人のスマートな着こなしで、最新モードを軽やかに纏ってくれました。
全3回に渡ってお届けする「大人なモードの遊び方」。西野亮廣さん主演の第8回は、“染まらない”オトコをテーマにモノクロームでお届けする大人のためのファンタジーです。
DIOR
ルーツをたどる大人のプレッピーミックス
そんなバッファロースタイルを彷彿とさせるのが、メゾンが誇る高度なテーラリング技術に裏打ちされた端正なグレージャケットに、カジュアルなコットンフリース素材で仕立てた真っ白なトラックパンツを合わせたミックススタイル。グラフィカルなシグニチャーが連なる、カシミア×ウールのニットベストが、春らしいプレッピーなムードをもたらす、なんともお茶目な春の装いです。
BOTTEGA VENETA
二面性を映し出す、ギミックシャツ
やわらかなベージュトーンのフランネルシャツは、オーストリア最古の織物メーカーから仕入れた上質なフランネルと艶黒なビスコースとの二重仕立て。背中から袖口までカーブを描くストームフラップが、後ろ姿を印象的に演出します。
手にしているのは、新作バッグ『カセット ランタン』。その名の通りランタンのようなコロンとしたフォルムが魅力です。艶やかで黒い、上質なカーフスキンを使い、お家芸のイントレチャート技法で仕上げたコチラが、コーディネートをリッチに格上げします。
■ Interview
「偏愛とエゴだらけだから、LEONは圧倒的に面白いんです」
同調圧力による言われのないバッシングをはねのけ、未知の分野で果敢にチャレンジを続けるその生き方は、まさに染まらないオトコです。ユニークなビジネス哲学と先を見通す力に、多くのビジネスパーソンからも注目が集まる西野さんに、たっぷりと語っていただきました。
── 本日の撮影はいかがでしたか?
西野亮廣さん(以下、西野) めっちゃ楽しかったです! 写真を撮られるのがすごく苦手で、これまで逃げていたんですよね。でも、今日は現場でスタッフの皆さんが、こうしよう、ああしようと、どんどん意見を出していて、すごく自由度が高くて楽しかったです。
普段着ないハイブランドの服で、ヘアメイクも攻めていたのでちょっと不安もありましたが、写真になると違和感がないのも発見でしたね。プロフェッショナルが集まってつくり上げていく、ものづくりの現場はいいですよね。
── そう言っていただけて嬉しいです。さまざまなプロジェクトを手掛けられていますが、今後ファッションの分野に進出する予定は?
西野 やるならモデルですね! 今日の撮影で確信しました。今やっているプロジェクト全部やめて、モデルをやった方が絶対にモテます(笑)。
それは冗談として、撮影中ずっと考えていたんですけれど、雑誌やウェブメディアは、まだまだ可能性だらけですね。今日の撮影も使われる写真はたった数カットだけど、そのためにその何十倍も撮影するし、いいカットがいっぱいあるじゃないですか。この使われなかったカットが、世に出ないなんて嘘だ、と思って。欲しくてたまらない人がきっといるはずですよね。
アニメーションの世界も同じで、スタジオにはボツになった絵コンテやラフが溢れていて、ファンからしたらすごくもったいない。権利とか難しいことがあるからなんでしょうけれど、クリアできないのかなと。雑誌もアニメもまだまだ資産だらけだなと感じました。
西野 LEONの面白さは「俺たちの思う“カッコいい”はこれ」とズバッと言い切っているところだと思うんです。偏愛というか、エゴじゃないですか。それが圧倒的に強いですよね。スマホさえあればいくらでも情報が手に入る今、自分の好きなものを見せて、「この指とまれ」をしたい人は多いけど、なかなかうまくいかないわけで。
たくさんの人を惹きつけられているLEONはすごいです。90年代にブームになった渋谷のコギャルのガングロやルーズソックスも同じで、周りから何を言われても好きなものは好きと言い切って、結果そこに人が集まってきた。機能を売ったわけではなく、自然発生的な文化がいわば商品になるって、なかなかできることじゃないし憧れますね。
── なるほど。LEONとコギャルに共通点があるとは(笑)。
西野 前に作品と商品の違いについて考えたことがあって。その違いはマーケティングが先にあるかどうかだと思うんですよね。世間のニーズの調査があって、そこに球を投げているのが商品。対して、もうつくりたくて、つくりたくてたまらなくて生まれるのが作品。できちゃったものの、このままだと誰にも届かないから、なんとか届けようとあの手この手を考える。
どっちが偉いとかはないけれど、どっちが好きかと言われれば、やっぱり僕は作品的なアプローチをしている方が好きで、LEONは絶対にそっち側、つまり作品だと思うんです。
── ありがとうございます。西野さんの手がけた絵本『えんとつ町のプペル』も、作品的なアプローチですよね?
西野 そうですね。煙突掃除屋の少年とゴミ人間の物語なんて、どこにニーズがあるんだよって(笑)。でも、作っちゃったから、届けるためにジタバタしましたね。映画化した時にも、恋愛要素を入れたら? とか、もっと食事シーンやバトルシーンを入れた方がいいとか、めっちゃ言われたんですけれど、それは僕が本当にやりたいことではないと思って、ガン無視したんです。
製作委員会には「お金だけ出してもらって、口は出さないでください」とお願いして、好き勝手にやらせてもらって。結果的にはそんな映画だからこそ、沢山の人たちに受け入れてもらえて結果大ヒットにも繋がった。そうやってできた作品が、好きなんですよね。
● 西野亮廣(にしの・あきひろ)
1980年兵庫県生まれ。芸人·童話作家。著書は、絵本に『Dr.インクの星空キネマ』『ジップ&キャンディロボットたちのクリスマス』『オルゴールワールド』『えんとつ町のプペル』『ほんやのポンチョ』『チックタック~約束の時計台~』『みにくいマルコ』、小説に『グッド・コマーシャル』、ビジネス書に『魔法のコンパス』『革命のファンファーレ』『バカとつき合うな』(堀江貴文氏と共著)『新世界』『ゴミ人間』などがあり、全作ベストセラーとなる。2020年12月に公開された映画『えんとつ町のプペル』では脚本・制作総指揮を務め、大ヒットを記録。日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞受賞、アヌシー国際アニメーション映画祭長編映画部門ノミネートなど海外でも高く評価される。国内最大級のオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」を運営するなど、芸能活動の枠を越え、さまざまなビジネス、表現活動を展開中。
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