話題のカウンター中華で極上チャーシューをいただきます！

みなさん、お肉は好きですか？　
長引くコロナで海外旅行はもとより、外食もままならない日々が続いています。イタリアのビステッカにフランスのタルタル、アルゼンチンのアサード、NYのＴボーンステーキ、韓国の焼肉……。できることならいますぐ現地に飛んでいって、思う存分、肉を食べ尽くしたい！ 行けないとわかっていても旅情（と肉欲）は増すばかりですが、そんな時は「食で旅の気分を味わう」のが得策。イタリアンでもフレンチでも、辺境エスニックでも、東京にはパスポートいらずで“本場の味”を堪能できるレストランがたくさんあります。

なかでも中華でトリップ気分を味わいたいという時にぜひおすすめしたいのが、2月に三田から八丁堀に移転したばかりの「中国菜 漢」。ここ数年、東京の中華の勢いは目を見張るものがあり、広東、四川、上海、北京に限らず、さまざまな地域の料理を味わえる店が急増しています。若手の活躍も目覚ましく、名店で修業を積んだ料理人の独立ラッシュも続き、中華は、まさにいまが“華ざかり”。地域によって、さまざまな食文化が根付く中国料理ですが、肉好きであれば広東料理の花形と言われる「焼き物」に目がないという方も多いのではないでしょうか？

中国料理における焼き物とは、仔豚の丸焼きや北京ダックなどのハレの日のご馳走から、叉焼（チャーシュー）など日々の惣菜に至るまでいろいろ。とくに広東料理では名物として知られており、店先にブランと鴨やダックが下がっていることが多いですよね、アレです。

今回、ご紹介する「中国菜 漢」のオーナーシェフ、藤井寛さんは東京ステーションホテルの「カントニーズ 燕 タカセ」で中華料理人としてのキャリアをスタート。マンダリン オリエンタル東京の「センス」の焼き物部門で7年間修業を積んだのち、田町に自身の店をオープンさせた若き実力派です。今年2月に八丁堀に移転する前から「広東式の焼き物が抜群に美味しい店がある」と食好きのあいだで評判を呼んでいましたが、今回、別天地でリスタートを切るにあたり「カントニーズ 燕 タカセ」で調理長を務めた松木真吾さんを新たに迎え、さらなる飛躍を目指します。

「広東料理では炒め物と焼き物は二大柱」と言われますが、松木さんの炒めの技には圧倒的センスがあります。コースやアラカルトで、焼きと炒めの料理をたっぷり楽しんでいただきたい」と藤井さん。香港から取り寄せた釜を新たに導入し、焼き物にかける思いもますます熱くなっていると聞けば、俄然、期待がふくらみます。

店内はカウンターとテーブル席、２名用の個室がありますが“本場さながらの躍動感”を楽しむなら、やはりカウンターがおすすめ。デートで訪れる場合でも「このライブ感こそ中華の醍醐味！ 」と感じられる熱気が、ふたりの仲もアツ～くしてくれそうです。

焼き物は一人前でも注文可能で、さまざまな種類を用意しているのも香港トリップ気分を味わえるポイントのひとつ。悩んだ時は、まず「漢」の名刺がわりのひと皿とも言える本場の 「窯焼き叉焼」からオーダーを。最高温度で焦げ目をつけないように最短時間で火を入れる“高温と低温の使いわけ”によって、ジューシーで脂の甘みがふんわりと口に広がる仕上がりに。

コチラ、紹興酒を合わせるのももちろんアリですが、ワイン好きの彼女には「樽香がしっかりしたジンファンデルが合うよ」とおすすめしてみて。豊かな果実感と叉焼のスパイス香がしっとり絡み合うマリアージュに感動必至。紹興酒だけではなく、世界各地のワインを取り揃えているのでふたりであれこれ試してみるのもまた一興です。

ほかにも代表的な広東式焼き物の「皮付き豚バラ肉のクリスピー焼き」、「香り鶏」 、「焦がし葱香る鶏の醤油煮」、「豚トロ 黒コショウ焼き」などが４切れずつオーダーできるので“焼き物コース”よろしく、ひととおり堪能するのもおすすめ。リクエストにフレキシブルに応えてくれるのもカウンターの魅力です。

そして、香港気分を味わい尽くすのに、忘れてはいけないのが新名物の「焼き鴨 蝦味噌風味」。皮目はパリッと香ばしく、しっとりとした身からじゅわじゅわと旨味があふれるローストダックを、梅と一味唐辛子のピリ辛ソースや玉藻塩で味変を楽しめば、その味わい深さに虜になるはずです。

募る旅情を抑えきれず、焼きもき（笑）していたことも忘れさせてくれる極上の焼き物。口福な気分にどっぷりとひたれる肉宴を彼女とふたり堪能すれば「いつか、香港で……ね♡」なんて約束もさりげなく取り付けられるかもしれません。

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