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2019.08.24

宴会幹事必読! ワイン会の開催までにやっておくべきTo Doリスト

5000本以上のコレクションを持つ日本随一のワインコレクターで、多いときは月に3桁の金額をワインに費やす超愛好家だからこそわかる、真にスマートで男女問わずモテるワイン道ってどんなもの? ちょっとイタいワインおたくや面倒くさい半可通など、周囲の反面教師からも学ぶ、ワインのたしなみ方入門です。

CREDIT :

文/吉川慎二 イラスト/Isaku Goto, オキモトシュウ(吉川慎二氏)

今年の夏は雨が多いですね。こう湿気が高くてムシムシすると、ワインセラーの中で涼みたくなりませんか?
あっ、失礼!
セラー自慢のマウンティングワイピになってしまいました(笑)。今回はワイン会の掟の総仕上げ、幹事編後半です。これさえ習得しておけば友人の結婚式の二次会幹事もお茶の子さいさい、幹事マスター間違いなしです。
なお、前回同様、参加者各自がワインをお店に持ち込んで食事とともに楽しむワイン会を基本パターンとして話を進めます。

ワイン会の掟 ~ その4幹事編(2)

前回は会場の選定・打合せについて述べました。今回は参加者の募集・案内について考えてみましょう。
その方法は、なんと言ってもSNSのイベントページを利用するのが便利です、会の詳細やお店の位置情報、参加者とのやりとりも全員でシェアできます。スマホのカレンダーとの連動しており、スケジュール管理の点からも抜かりはありません。

難点はSNSをやってない人への案内ができないことでしょうか? 必要な情報としては、

(1) 日時
(2) 場所:お店の住所・電話番号など
(3) 会の条件/参加費、ワインリスト、持ち寄りワインのガイドラインなど
(4) 人数(定員)
(5) その他/食材のアレルギー・苦手の問合せ

(ある場合には)会の趣旨・趣向(テーマやブラインド)
(決まっている場合は)料理の説明などです。
この際にいくつかの注意点がありますので挙げておきます。
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✔ 会の募集人数(定員)はぜひお知らせするようにしましょう。特に幹事がすべてのワインを準備する会の場合、それを何人でシェアするかを明らかにして、招待された人が会費の割高・割安(*1)を判断しやすくするのが親切というものです。

✔ メンバーの構成には幹事として気を遣いましょう。長くワイン会に参加しているとどうしても相性の悪い組合せが出てくるものです。また、マウンティングワイピ2名が相見えての自慢合戦になってしまうのも考えもの。そのあたりを上手く気遣うのが名幹事です。

✔ 会の趣旨・趣向にもよりますが、ワインピランクは極力合わせた方が無難です。ガチなテーマのワイン会で初級ワイピが上級ワイピの中に一人混ざるのは、麻雀のプロ級3名のテーブルにルールを覚えたての初心者が1名入るようなもの。お互いに楽しくないかもしれません。逆に和気藹々としたワイン会であればこういう組合せは却って新鮮で盛り上がるかも。

✔ メンバーが定員に達しない場合、幹事としては熱心に勧誘してしまいがちです。しかし、不参加の人にはそれなりの事情があるもの。お財布の状況とか、苦手な人が参加者にいるとか、表面上の不参加理由が隠れているケースも考えられます。お誘いはほどほどに。

✔ 地方からの参加者が見込まれるようなワイン会(*2)の場合、1ヶ月くらい前には募集・案内するのが親切です。直前だと新幹線・航空券、ホテルなどの早割が利用できずに割高になってしまいます。
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参加メンバーが確定した場合の再度の案内や、直前のリマインダーを出すかどうかはケース・バイ・ケースです。上級ワイピが幹事のマニアックなワイン会の場合、ワイン会の掟~マナー編でも書きましたが自前グラスの持込の可否を知らせることもあります。カジュアルな服装が多い筆者にとってはドレスコード情報もありがたいです(時々気になって自分でお店に電話して問い合わせます)。

最後にレジェント級ワイピの主催するワイン会に参加したときの例を。会場がたいへん判りにくいお店での開催だったのですが、案内には駅から会場までの写真が順を追って説明付きで添付されておりました。ここまでいくと脱帽で、さすがとしか言いようがありませんね。

(*1) 会費の割高・割安は、当然個人の価値観にもよりますが、多くのワイピは、提供されるワインの合計価格 ÷ 人数 + 料理の値段 を基準値として判断しているようです。

(*2) ワイピは東京だけではく地方都市にもたくさんいらっしゃいます。かつて筆者の主催していたワイン会では、新幹線・飛行機を乗り継いで地方都市から日帰りという猛者も数名いました。

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● 吉川慎二 / Shinji Yoshikawa

1962年三重県生まれ。
東京大学法学部卒業後、三井住友銀行、メリルリンチ自己勘定投資部門のアジア太平洋地域統括本部長を経て、現在は投資家・経営コンサルタント。
2007年、日本ソムリエ協会のワインエキスパート資格を取得。12年にシニアワインエキスパートへ昇格し、同年に開催された第5回全日本ワインエキスパートコンクールで優勝。14年にはエキスパート資格者で初の日本ソムリエ協会理事に就任、2018年まで2期4年務めた。漫画「神の雫」に登場する吉岡慎一郎のモデルともいわれ、プロフィールイラストは「神の雫」作画のオキモトシュウ氏によるもの。

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