暑く熱い夏も過ぎ、さわやかな秋風に心地よさを感じながらも、変わりゆく季節にちょっぴりセンチな気分になっている方も多いのではないでしょうか? 秋といえば、スポーツの秋、読書の秋、行楽の秋などさまざまありますが、やはりグルメなオヤジにとっては“食欲の秋”。秋の夜長、なんていわれるように日照時間がだんだんと短くなり、夜の時間が長くなるため夜遊び好きなオヤジにとっては、夏以上に気分がアガる季節かもしれません。
「夜遊びは好きだけど、時勢柄ちょっと……」
「深夜にごはんを食べると胃もたれが……」
な~んて、つれないことを言って、おうちで配信ドラマを見ている場合ではございません。アグレッシブなオヤジたるもの「書を捨てよ、街へ出よ」とばかりに、ぜひとも秋の夜長を謳歌していただきたいのです(よけいなお節介)。ということで、グルメで肉好きなオヤジ様に今回ご紹介をさせていただきたいのが、赤坂に新しくオープンした「焼肉ホルモン金樹」です
【第5肉】昭和焼肉のノスタルジー
◆ 「焼肉ホルモン金樹」(東京・赤坂)
10年プロとして活躍したのちに引退し、ふたたび焼肉修業をスタート。そこで培った技と持ち前のガッツを生かして大塚に自身の店を作ったのでした。そんな“チャンピオン”*が本気で取り組む焼肉店は、昨今ブームの「お洒落焼肉」とは真逆を行く硬派な店。気取ったメニューはありませんが、これぞ焼肉! と本能が歓喜する“焼肉の原風景”のようなお店です。
この店でまず注文すべきは、大人も子どももみんな大好きな「特選生タン塩」。“生”というからには、一切冷凍をせず、その日仕入れたぶんをその日のうちに売り切ります。タンは大きくタン元、タン中、タン先、タン下にわけられますが、もっとも脂ノリがよく柔らかいタン元のなかでもわずかしか取れないタン芯を提供。エッジがきゅっと立ったタンの美しさに思わず感タンのため息がもれます。シンプルにレモンだれで食べるのももちろんおすすめですが、自家製の梅ダレにつけて食べるとこれが初体験の美味しさ。「梅とタンってこんなに合うのね」と彼女も驚タンするに違いありません。
焼肉ホルモン金樹
住所/東京都港区赤坂2-13-17
電話/ ︎03-6277-8829
営業時間/17:00~翌3:00
定休日/なし
*要予約
小寺慶子(こでら・けいこ)
肉を糧に生きる肉食系ライターとして、雑誌やWebに執筆。趣味はひとり焼肉と食べ物回文を考えること。