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2023.03.09

「ハンバーグ」最古のレシピと、イマドキの作り方

“週末鮨屋”の料理研究家として知られる野本やすゆきさんが、料理初心者の男性向けに「モテる」「デキる」レシピをご指南!

CREDIT :

文・編集/秋山 都 レシピ&調理/野本やすゆき 写真/吉澤健太

ハンバーグ 野本やすゆき
▲ 合い挽き肉でデミグラスソースを使った、最も一般的なハンバーグ。

明治時代から愛された日本のハンバーグ

ハンバーグの起源がドイツのハンブルクにあることはよく知られていますが、日本に伝わったのは明治時代。当時はジャーマンステーキやミンチボールと呼ばれていたそうですが、安価なひき肉で作れること、またやわらかくて食べやすいことから人気になりました。

ちなみに日本最古のハンバーグレシピの作り方*はこんな風だったようで……。

“牛肉の筋を取り、よく叩き、胡椒と塩をよき程に加えて、更に叩き交ぜ、小判型に縦三寸位に固め、別に玉葱を極く細かに切りたるを、小判型の両面に付けて之をフライ鍋にてバターを解きたる処に入れ、両面より交る交る焼くべし。
その焼けたる肉をば揚げ置き、残りたる汁にセリー酒又は葡萄酒に小麦粉よき程に加えて、攪きまわし、その味を調え、前の肉を皿に盛りて、其にこの汁を注るなり。”


当時のメニュー名は「「ハンパクビフステーキ」。タマネギを混ぜるのではなく、表面にまぶすことだけが今と違いますが、あとはほぼ同じ。ソースにシェリーかワインを使うなんてかなりおしゃれな味だったかと思われます。

最近では精肉店やスーパーで成型されたハンバーグを売っているので、買ってきて焼くだけ、という方も多いでしょうが、イチから自分で作るハンバーグの美味しさはまた格別。最古のレシピから128年経った現在の日本で最もスタンダードなハンバーグのレシピとは? 野本やすゆきさん、教えてくださ~い!
*1895年(明治28年)に発行された「女鑑」12月号で紹介されたレシピ。日本ハンバーグ協会のHPより引用。

「ハンバーグ」を作ってみよう!

ハンバーグ 材料

材料(2人分)

合い挽き肉      250g
塩          小さじ1/2

玉ねぎ           1/2個分(みじん切り)
サラダ油       小さじ2

A生パン粉       10g
A牛乳         大さじ1
A溶き卵        1/2個分
Aナツメグ       少々
A胡椒           少々

Bデミグラスソース缶     1/2缶(145g)
B水          100ml
B中濃ソース      大さじ1
Bケチャップ       大さじ1
バター           10g

サラダ油         小さじ2
クレソン           適量

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では、イマドキのハンバーグを作っていきましょう。最古レシピでは表面にまぶしていた玉ねぎを、挽き肉の中に混ぜ込むため、最初にみじん切りし、炒めるところからスタート。
ハンバーグ 作り方 玉ねぎ
▲ 玉ねぎのみじん切り、苦手な方はミンサーやスライサーを使いましょう。

フライパンにサラダ油(分量外ですが小さじ2くらい)を熱し、玉ねぎを炒めます。
ハンバーグ レシピ 
▲ このくらい、ほのかに色づけばOK。
ほのかに茶色になるくらい色づいたら、取り出し、冷ましておきます。この後、生肉に混ぜるので、ここでしっかり温度を下げておいてください。
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ハンバーグ レシピ
▲ 今回は合い挽き肉を使いました。牛挽き肉100%でも、もちろん美味しいハンバーグが作れます。
玉ねぎを冷ましている間に、挽き肉を練りましょう。今回は一般的な合い挽き肉を使用しました。ボウルに合い挽き肉を入れて、塩を加え、しっかりと練ります。
ハンバーグ レシピ
▲ 塩を加えた合い挽き肉はこのくらい白くなるまでしっかり練ります。
この「練り」がハンバーグのなめらかな口ざわりの決め手となるので、ここはちょっと頑張りどころ。コツは“猫の手”です。
ハンバーグ レシピ
▲ 「にゃ~っ!」と猫の手で挽き肉を混ぜましょう。
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ハンバーグ レシピ
▲ しっかりと練った挽き肉にA(生パン粉、溶き卵など)を加えます。
Aの材料とタマネギを加え、さらに練り練りしたら、小判型にカタチを整えます。この際、片手から片手に軽くキャッチボールするような要領で受け渡し、中の空気を抜きましょう。「空気が残ったままだと、焼いた際に中の空気が膨張して破裂したり、型くずれにつながりやすくなるからね」と野本さん。
ハンバーグ レシピ
▲ 右手と左手でキャッチボールするようにして空気を抜きます。
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ハンバーグ レシピ 野本やすゆき
▲ しっかり練ったおかげでふんわりとやわらかそうなハンバーグ生地ができました!
なめらかなハンバーグ生地ができました。時間に余裕があればこの後、ラップをかけて30分~1時間ほど冷蔵庫で休ませます。休ませることで、水分が生地内で均等に行きわたりジューシーになることと、旨味が増す効果も期待できるのだそう。
ハンバーグ レシピ 野本やすゆき
▲ 生地は休ませすぎるとダレてしまので、要注意。最長でも3時間くらいにしましょう。
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ハンバーグ レシピ
▲ 指2本を使って生地にくぼみを作ります。
さあ、あとは焼くだけ! ハンバーグは焼けると膨らむので、真ん中にくぼみを作ってからフライパンへIN!
ハンバーグ レシピ
表面に焼き色がついたらひっくり返し、両面を焼き固めます。
ハンバーグ レシピ
▲ ソースなどの水分で煮込みます。途中、水分が足りなくなったら適宜、水を足してください。
両面が焼けたら、Bを加えてフタをし、10分ほど煮ます。長く焼くと肉が固くなってしまうので、サッと焼き色をつけて、ソースなどの水分で煮込むのがふんわりと焼きあがるコツです。
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ハンバーグ レシピ
最後にもうワンポイント! 仕上げにバターをひとかけ加えます。このバターの風味がよりハンバーグをまろやかに、リッチな味わいに格上げしてくれます。お皿にクレソンを添えて、召し上がれ!
ハンバーグ
このハンバーグはパンより断然ライスが合う! 日本人が長く親しみ、これからもずっと愛されるであろう定番の美味しさです。
野本やすゆき

● 野本やすゆき (料理研究家)

東京・谷中で昭和初期から続く老舗寿司店「谷中 松寿司」に生まれ、現在、金・土・日曜のみ3代目として店を継承。“週末鮨屋”としても活動しつつ、わかりやすいレシピがTV、雑誌で人気の、いま注目の料理研究家のひとり。プロレス好き。
最近、YouTubeにて野本やすゆきチャンネルを開設。

ハンバーグが好きなら、メンチカツもお好きでしょ⁉

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