• TOP
  • GOURMET
  • 記念日だからって、ホテルでディナーするのやめませんか?

2024.09.22

記念日だからって、ホテルでディナーするのやめませんか?

「ザ・リッツ・カールトン東京」45階に、2024年1月にオープンした「Héritage by Kei Kobayashi(エリタージュ バイ ケイ コバヤシ)」。東京の夜景を楽しみながら味わう、クラシックなフランス料理を現代風にアップデイトしたコース……となると、ついつい記念日に行きたくなるけれど?

CREDIT :

文・写真・編集/秋山 都 (Web LEON) 

のっけからちょっとショッキングなタイトルをつけてしまったけれど、記念日にホテルで食事をとることをやめようと言っているわけではありません。ホテルでディナーといえば、まず雰囲気やサービスが一定の基準以上であることが約束されていることから、記念日や家族の行事で店を探す際につい頼りがち。でも、ホテルだからとかしこまらずに、もっと気軽においしいものを食べに行く気分で出かけたら……もっと豊かな気分になれるんじゃないかな。
もちろん、街場のレストランよりホテルは少し割高。だから、懐に余裕がある時じゃないと行けません。それでも、本当においしい食事を楽しみたいという気分の日に行きたいフランス料理店を発見したのです。ホテルでフランス料理といえば、今、私が思う東京の最高峰は「SÉZANNE(セザン)」*ですが、お値段もそこまでは張りませんから。
註:「フォーシーズンズホテル 丸の内東京」内のレストラン。

東京・六本木

「Héritage by Kei Kobayashi(エリタージュ バイ ケイ コバヤシ)」

Héritage by Kei Kobayashi エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)
▲ 「Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)」には、特別な日じゃなくても出かけたい。
ここは、「ザ・リッツ・カールトン東京」の45階。パリで活躍するミシュラン3つ星シェフ、小林 圭氏が手がけるフレンチレストランです。KEIシェフと言えば、和菓子の老舗「とらや」とタッグを組んだ「ESPRIT C. KEI GINZA」、さらに虎ノ門ヒルズの「KEI Collection PARIS」とニューオープンが続き、まさに破竹の勢いですが、こちら「Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)」(以下「エリタージュ」)も料理はもちろん、使用する食材や器、またシェフ自身が好む紫色をアクセントに効かせたインテリアまで、すべてを小林シェフがディレクションしています。
PAGE 2
Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)
▲ 小林シェフが好きなパープルを随所に効かせたインテリアとテーブルコーディネートがシック!

そして特筆すべきは、「エリタ―ジュ」では日頃腕を振るう料理長として村島輝樹氏を迎えていること。村島氏はかつて恵比寿「モナリザ」や台湾「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション 台北」のスーシェフ、そしてミシュラン2つ星の銀座「ESqUISSE(エスキス)」、「ARGILE(アジル)」(現在閉業)でシェフ・ド・キュイジーヌとして腕を振るった実力派。東京のフレンチシーンを牽引する料理人のひとりです。開業にあたっては、パリの3つ星「Restaurant KEI 」で3カ月研修。小林シェフとまさに肘がぶつかるほどの距離で過ごし、KEI流の料理や厨房のマネジメントなど多くを学んできました。
Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)
▲ 小林 圭シェフ(右)と、村島輝樹シェフ(左)。
PAGE 3

エリタ―ジュ=継承に込めた想い

小林シェフと村島シェフ、ふたりがタッグを組んだ「エリタ―ジュ」。“Héritage”とは仏語で遺産、継承という意味ですが、このネーミングには単にレシピや技術を継承するだけでなく、フランス料理のレールから外れることなく、時代の変化に合わせて後世へと繋ぎ、さらに育てていけるよう挑戦していく、というふたりの想いが込められているのだそう。
Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)
▲ 「フランス料理の歴史や伝統を現代にアップデイトし、時代に即した料理を作りたい」と村島シェフ。
村島シェフは、「昔と同じものをやるのはコピーに過ぎません。今は食材もレベルアップし、また食べ手もいろんなジャンルや世界の料理を知っている人が増えてきて、意識が変化してきています。そんな時代に求められる伝統的なフランス料理とはどんな姿であるべきか。常に模索しながら、自分の最先端をカタチにしていきたいと思います」と語ります。
PAGE 4

生きているだけで毎日が記念日なんだから

Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)
▲ 黒鮑のフリットに小林シェフがお気に入りのクリスタルキャビアをのせた一品。
そんな村島シェフの言葉を聞きながら、この日はランチコースをいただきました。マグナムボトルを含む4種のシャンパーニュから選べる1杯からスタート。メインは仔羊が村島シェフとのスペシャリテとのことでしたが、ごめんなさい、私は前夜もラムを食べていたので、この日は黒毛和牛をセレクト。
Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)
▲ ランチ1万1800円~、ディナー2万4800円~(ともに税サ込み)。
PAGE 5
この和牛のグリルに添えられていた赤ワインソースが素晴らしい出来栄えでした。まず濃すぎず、薄すぎず、甘すぎず、酸っぱすぎない、和牛の脂をふんわり包み込んで、旨味を補う絶妙のバランスです。ひと言でいえば実直。イノベーティブやモダンと言った言葉で飾られたお料理に食傷気味の私は、「そうそう、こういうお料理が食べたかったのよ」と膝を打つような想いでした。
デザートには小林シェフのアイコンとも言える「ヴァシュラン」が大輪のバラとなって登場。伝統的なデザート「ヴァシュラン」を、パティシェの小堀真弓氏がメレンゲで1枚1枚花びらをつくってアレンジしています。この「ヴァシュラン」は小林シェフによる各店舗でアレンジが異なるので、それを楽しみに出かけてもよろしいかと。
Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)
▲ 130年余の歴史を持つ伝統的なデザート「ヴァシュラン」を現代的な仕立てでアレンジ。
PAGE 6
私がランチを楽しんだこの日も、隣のテーブルには食前から花束が置かれ、若いカップルが記念日(もしかしてプロポーズ?)に利用しているようでした。とても微笑ましい風景です。でも、ホテルのフランス料理店を“記念日にぴったり”と持ち上げるのは、結局いたずらにハードルを上げているのではないか、と自戒を込めて感じたのです。「最近頑張っているから」「友人とおいしいものが食べたいから」「デートしたいから」「ちょっといやなことがあったから厄払いに」……など理由はなんでもよいのです、生きているだけで毎日が記念日なんですから。ふと思い立った時に、また村島シェフの実直なお料理に出会いたいと思います。
Héritage by Kei Kobayashi エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)

■ Héritage by Kei Kobayashi(エリタ―ジュ バイ ケイ コバヤシ)

住所/東京都港区赤坂9-7-1 東京ミッドタウン ザ・リッツ・カールトン東京45F
予約・問い合わせ/03-6434-8711(レストラン予約)
営業時間/ランチ12:00~16:00(13:30LO)、ディナー18:00~22:30(20:00LO)
定休日/火・水曜

話題のレストラン、もうチェックしました?

PAGE 7

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

登録無料! 買えるLEONの最新ニュースとイベント情報がメールで届く! 公式メルマガ

この記事が気に入ったら「いいね!」しよう

Web LEONの最新ニュースをお届けします。

SPECIAL

    おすすめの記事

      SERIES:連載

      READ MORE

      買えるLEON

        記念日だからって、ホテルでディナーするのやめませんか? | グルメ | LEON レオン オフィシャルWebサイト