その「モボ・モガ」のあった場所に面白い居酒屋さんが出来たんだって、と聞き、さっそく行ってみることにしました。看板はないので、ほんとにここかしら、と少々不安に思いながらドアを開けてみますと・・・・・。


◆「ゑす次郎」って、つまりSG LOW⁉
「ゑすじ郎」って不思議な店名だと思っていましたが、つまり「SG LOW」(*)ってことなんですね⁉ 地理的にも「The SG Club」の前の坂道を下っていけば着く、つまりSGの下(LOW)ですしね(笑)と、後閑さんのお話を聞いているところへ、お通しが運ばれてきました。
(*)
SG=The SG ClubのSG
Low =The SG Clubが運営するバー「Speak Low」(中国・上海)より。アメリカ禁酒法時代の隠れ酒場の呼称「Speak Low」に由来している。

しかもこれは「The SG Club」がオリジナルで作っているマティーニ・グラスです。このステム(脚)が短いグラスは、上の後閑さんの写真のように持つのですね。
「グラスの長い脚の部分を持つと少しフェミニンな印象ですよね。ボウルの部分を抱きかかえるように持っていただけるとかっこいいと思って」
なるほど。
ちょっと日本酒を飲む盃のようでもあり、洒落ています。
ではこの「お通し」をキュっと飲んで、何をオーダーするか検討するといたしましょう。
・普通のレモンサワー
・自然派レモンサワー
はなんとなく想像がつくとして、
・サウナーズレモンサワー
・四川檸檬沙瓦
・ゲイシャでレモンサワー
・ペルー風レモンサワー
とはなんでしょう? ゲイシャってことはゲイシャコーヒーなのか⁉
何から飲めばよいのかわからないので、まずはおすすめのドリンクをおつまみと共に選んでいただきました。

チャーシューにメンマ、海苔……とトッピングはまるっきりラーメンのようなのですが、麺の代わりにポテトサラダが配されている「ラーメンポテトサラダ」。食べるとしっかりラーメン味で、「映え」だけではなく、クオリティの追及にも余念がありません。お供は「The SG Shochu」の米焼酎をベースに、自家製レモンコーディアルを使用した「本気のレモンサワー」。後閑さんいわく、世界でいちばん手間がかかっているレモンサワーです。

居酒屋で揚げ物は欠かせないよね~と、お次は揚げ物。ブルーチーズをさっくりと軽く揚げ、都内高級レストランにも卸しているOme Farmのオーガニックハチミツを添えています。お供は「カルピスサワー、カルピス抜き」。え、どういうこと? と思いますよね。
実際に飲んでみますと、ものすごくおいしくて後味のよいカルピスサワー。でもカルピスは本当に入っていないんです。じゃあ何? と思うでしょ? ここではネタバレしませんので、ぜひご自分で確かめてみてください。

箸休め的なひと皿は「イベリコ納豆餅」。3年熟成のハモンイベリコで餅を巻き、上には納豆バターをたっぷりと。これ、納豆がお好きであればやみつきになる味です。かつて、SG AIRWAYS(The SG Clubで不定期開催されているカクテルと料理のペアリングイベント)でいただいた味が、ここ「ゑすじ郎」でも味わえるのはうれしい。

〆は麺。ただし、ボーンマロー(骨髄)がドドンと付いてくるユニークなメニューです。


ニコラシカとは、砂糖を山盛りにしたレモンスライスをひと口でほおばり、口の中が甘味と酸味で一杯になったところにブランデーを一気に流し込んで、口中でカクテルを完成させるというカクテル。お酒の弱い方は飲まないほうがいいタイプのものですね。
でも、これは普通のニコラシカではなく「波動拳ニコラシカ」。
なんと、オレオとキムチをほおばって、ひと噛み、ふた噛み……頭の中が「ムムム??」となったときにすかさず「The SG Shochu」の芋焼酎を流し込むという、離れ技なのでした。「ストリートファイター」はやったことないけど、たしかに今までのカクテルの概念といったものは一気に吹き飛ぶような、まさに「波動拳」な一杯でした。
さて、この「ゑすじ郎」。2月10日にオープンしたばかりですが、「モボ・モガ」の時代から渋谷で遊んでいたような大人はもちろん、ファッショナブルなミレニアル世代まで幅広い人たちに支持されています。このコロナ禍にあっても、渋谷に新しい遊び場ができたことがうれしい。応援したいお店です。

ゑすじ郎
住所/東京都渋谷区神南1-9-4 NCビル2階
予約・問い合わせ/03₋6416₋0608 https://yoyaku.toreta.in/sglow/#/
営業時間/16時~20時
定休/無休
*緊急事態宣言解除後の営業時間についてはお問合せください。