2024.04.30
【Q5】薄毛は遺伝が8割。残りの2割は生活習慣で改善できる?
オヤジの皆さま、最近、髪のボリュームが気になっていませんか? 忍び寄る薄毛の影に、日々不安を抱えている方も多いかと。そこで、薄毛にまつわる疑問を掲げ、「Dクリニック東京」を訪問。小山院長に答えていただきました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
A.薄毛の予防として、生活習慣の改善に取り組む価値は十分にあります
まずは、薄毛にまつわる疑問を解消して、自分なりの対処法を見出したいところ。そこで、薄毛治療の総合クリニック「Dクリニック東京」の小山太郎院長に教えていただきました。
Q.薄毛は遺伝が8割。残りの2割は生活習慣で改善できる?
先生 そうですね。薄毛に限らず健康全般にですが、まず喫煙、極端な睡眠不足、そしてストレスが悪い影響を及ぼします。ストレスを感じると、髪の毛にダメージを与える物質が体内に分泌されることが確認されています。
飲酒については影響があるという論文も、ないという論文もあり、よくわかっていないのが現状です。厚労省からは「飲酒はほとんどの疾患のリスクを上げる」と発表されているので、リスクを避けたいのであれば、1滴も飲まないのが正解ですが、ほどほどであればいいんじゃないでしょうか。
── 美容にいいとされる頭皮マッサージですが、薄毛にも効果はありますか?
先生 「マッサージで頭皮の血行がよくなると、毛が生えてくる」と言われているようですが、医学的な根拠はないんです。だから、頭皮マッサージに毎月10万円以上かけたり、無理してローンを組んでまで施術を受けるのは、医師として推奨できません。
── シャンプーをする際の注意点はありますか?
先生 男性は爪を立ててゴシゴシ洗いがち。確かに気持ちいいかもしれませんが、頭皮も傷つくし、指にからまって抜け毛を促進する可能性も。指の腹を使って頭皮にも髪の毛にも泡を行き渡らせて優しく洗いましょう。よくすすぐのはもちろんです。
── 帽子は、頭皮が蒸れてよくないんですよね?
先生 患者さんにもよく聞かれますが、私は帽子推奨派。理由は紫外線防止効果があるからです。薄毛を引き起こす2割の要因の中には、紫外線も含まれます。1日1回頭を洗えば、頭皮の蒸れも解消されるので、心配いりませんよ。
── ヘアカラーやパーマは薄毛に悪いのですか?
── 薄毛には海藻がいいと聞きますが、本当ですか?
先生 これは都市伝説。単なるイメージだと思います。ただ海藻類には現代人に不足しがちなミネラルが豊富に含まれているので、積極的に摂るのは薄毛だけではなく、健康全般にいいことです。
── 薄毛にオススメのサプリメントはありますか?
先生 薄毛の予防に目覚ましい効果を生む特定の栄養素やサプリメントは、今のところ見つかっていません。しかし、亜鉛不足で脱毛が起こる「亜鉛欠乏性脱毛症」という症状があるので、亜鉛はオススメできます。ただし摂りすぎはミネラルの吸収率を下げ、髪に必要な栄養素が行き渡りにくくなるので注意が必要です。
● 小山太郎(こやま・たろう)
Dクリニック東京 院長。医学博士/日本臨床毛髪学会評議委員/日本メンズヘルス医学会幹事/NPO法人フューチャー・メディカル・ラボラトリー理事。慶應義塾大学の大学院で骨格筋の再生医療の研究、Brigham and Women's Hospital(Harvard Medical School)で創傷治癒の遺伝子治療の研究に従事。2010年にDクリニック東京(旧城西クリニック)に入職してからは、10年以上に渡ってAGA治療の実績を積み上げている。現在は診療の傍ら毛髪の研究に取り組んでおり、最新の知見に基づいた診療を心がけている。
■ Dクリニック東京
住所/東京都千代田区丸の内1-11-1 パシフィックセンチュリープレイス丸の内10F
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