2024.08.18
【モテるオヤジ緊急Q&A】「おじさん臭い」と言われてショック。加齢臭って何?
夏になると、俄然気になる体のニオイ。いつの間にか“スメハラ男”になっていたなんて、さわやかオヤジの風上にも置けません。そこで、ニオイ問題を解決してもらおうと、「銀座ケイスキンクリニック」の慶田朋子院長を頼りました!
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
【Q1】汗っかきの人は臭いってホント?
慶田先生 汗は皮膚にある汗腺という器官から分泌されるのですが、汗腺にはエクリン腺とアポクリン腺の2種類があります。全身のほとんどにあるエクリン腺から出るのは、運動後や暑い時などに体温を調節するための汗で、サラッとしていてほぼ無臭です。
ところが、そこに皮脂や古い角層、つまり垢が混じり、皮膚にある常在菌に分解されるとニオイ物質に変わってくる。汗自体が臭いのではなく、汗に含まれる脂質、タンパク質、アミノ酸などの成分が酸化・変性して、ニオイの原因になるガス(揮発性成分)を発生するんです。
【Q2】脇の汗は“フェロモン汗”!? ワキガは治療するべき?
慶田先生 前回お話したように、脇の下はアポクリン腺からネバッとした汗が分泌されます。汗に含まれるタンパク質や脂質、アンモニアなどが常在菌に分解されて皮脂と混じり合うと、ニオイを発します。
体質的にアポクリン腺が大きく、数が多いとアポクリン汗も多いため、脇の下のニオイが強くなるのですが、これがいわゆるワキガ。かなり高い確率で、遺伝で引き継がれる症状です。またよく言われているように、耳垢がねっとりしている人はワキガである可能性が高いです。
【Q3】彼女から「足が臭い」と言われます……
慶田先生 人間の体の中で面積あたりの汗腺が一番多いのが手のひらと足の裏で、そもそもすごく汗をかきやすいんです。手のひらは常にオープンでこまめに洗うと思いますが、靴や靴下を履いている足はどうしても蒸れますよね。そこで、大量の汗が皮脂や古い角質を分解する過程で、イソ吉草酸や酢酸という成分を発生させ、独特のツーンとしたニオイになるんです。
── うわぁ、素足にローファーとかすごく臭そうです。
【Q4】フケっぽい人は頭が臭いってホント?
慶田先生 頭皮は手のひら、足の裏に続いて、汗腺の数が多い場所。そもそも汗の量が多く皮脂分泌量も高いのですが、一番の原因は髪です。毛が密集しているので、汗が蒸発しにくくニオイが発生しやすいんです。
── フケは頭のニオイと関係がありますか?
慶田先生 フケで悩まれている男性の患者さんには、奥さまやパートナーのシャンプーを使っている方が結構いるんですよね。女性用は「カラーのキープ」や「ツヤのアップ」など効果別になっていて、洗浄力が弱めなものも多い。そういったいわゆる“嫁シャン”をよさそうだからと安易に共有していると、皮脂を取り残して頭皮が臭くなったり、フケやかゆみが出たりします。
【Q5】「おじさん臭い」と言われてショック。加齢臭って何?
慶田先生 一般的に知られているのが、ニオイの原因物質「ノネナール」が引き起こす「加齢臭」。背中や胸などの体幹や頭皮から発生します。男性特有と思われがちですが、実は性別に関係なく男女ともにあるもの。30代半ばくらいから徐々にニオイが強くなり、60代にピークを迎えます。原因は加齢とともに皮脂成分の変化が生じ、過酸化脂質が増えること。枯れ草のようなニオイが特徴です。
一方、2013年にマンダムの研究結果として発表されたのが、加齢臭よりも早い40代でピークを迎える「ミドル脂臭」。汗に含まれる乳酸が分解される過程で発生する「ジアセチル」が原因物質です。汗をかきやすい後頭部や首の後ろ、耳の裏あたりから発生して、古い油や熟成したビールのようなニオイがします。