2025.01.31
及川尚輔(57)「135歳まで生きることに生涯を賭けて挑んでいます」
女子ウケ抜群の清潔感が失われていくオヤジ世代こそ、美容や健康に取り組むことで、同世代を出し抜けるはず! そこで美容オヤジたちの魅力に迫る特集を決行。最後に登場するのは、「135歳まで生きる」と公言するビューティプロデューサーの及川尚輔さん(57歳)です。
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写真/トヨダリョウ 文/島田恵美 編集/菊地奈緒(Web LEON)
ギネス記録では122歳が世界最高齢。だからそれを超える135歳を目標に設定
● 及川尚輔(おいかわ・なおすけ)
“及川王子”の愛称で知られるビューティプロデューサー、パーソナルメイクアップアーティスト。世界最先端の成分に精通し、「ホワイトディアマンテ」など数々の化粧品やサプリメントをプロデュース。老いない!老けない!という不可能に生涯を賭けて挑んでいる。
及川 50代初め頃に家族や友人に健康のトラブルがあって、老いと健康について深く考えるようになったなかで、老化は単なる自然なプロセスではなく、管理や努力でコントロールできると学んだのがきっかけです。「自己幹細胞培養療法」を体験し、幹細胞を減らさなければ老化を食い止めることができるのでは? という仮説を信じるようになりました。
── とはいえ、135歳というのは思い切った目標設定かと。
及川 ギネス記録では、フランスのカルマンさんという女性の122歳が世界最高齢ですし、不老長寿を目指している人は世界にいますが、皆さん失敗していますからね。ただ、もともと自分には「限界を設定せずに挑戦する」という信念があって、やってみようと思ったんです。
── 「自己幹細胞培養療法」とは、どういったものですか?
── 老化を食い止められそうだという体感があったんですか?
及川 いや、体感ではなくデータですね。自己幹細胞培養と併せて、臍帯血の幹細胞上清液の点滴もやっていて、毎月、成長ホルモンの分泌量を測っているんです。成長ホルモンは加齢で分泌量が減るのが当然で、減ると老化している、減らなければ老化していないとなるのですが、2年間測り続けた結果、数値が大きく下がらず、ほぼ平行を保てていたんです。
── つまり、老化が食い止められたと?
及川 維持できているレベルですね。残念ながら若返りまではしていないです。
及川 53歳からこの治療を始めて4年ほど経ちますが、見た目も筋肉量もそんなに衰えてないと思いますね。
── ほかに135歳まで生きるためにどんなことを?
及川 最初に始めたのはサプリメントの超大量摂取なんです、ビタミン・ミネラル類を大量に摂るという。今も常にオーバードーズです(笑)。もちろん分子栄養療法をきちんと学び、正しい情報を押さえながらですが。
タンパク質が不足すると老化一直線! 食事ごとに計算して1日の必要量を摂取する
及川 タンパク質が不足すると老化一直線なので、常に計算して摂るのがこだわりです。
及川 タンパク質の必要摂取量は体重1kgあたり1.2gで、僕は今74.5kgなので1日100gほど必要です。たとえば、今日の朝食はうなぎだったんですが、うなぎ1匹でタンパク質が35g摂れる、ご飯の分を足して40gだな、今日は残り60g摂ればいいんだなという感じですね。
── なるほど。ほかにはどんな栄養を?
及川 脂肪も重要です。足りないとホルモンもつくれませんし、細胞の合成もできないし、脳の働きもストップしてしまう。脂肪がある人ほど老化しにくいと言われているので、年をとったら男性の体脂肪率は18~20%くらいで十分だと思います。
── サプリの大量摂取以外にはどんなことを?
及川 温冷却療法、メタボリック・ケトシス、感情のリセット法、水素水サーバーなどもあります。その時々の新しい情報を仕入れるたびにこれを追加しようとなるので、どんどん増えていっている状態です(笑)。
── そうした投資の1カ月のトータルは?
及川 おそらく100万くらいじゃないでしょうか、あくまで今のところですが。
及川 まず、長寿には7時間睡眠がいいとされているんです。ただ、なかなか難しいので6時間半を目標に、24時に寝て6時半に起きるスケジュールで基本的に動いています。
── 目覚めたらまず何を?
及川 お風呂です。まず39℃で入り、43℃の発汗するレベルまで上げてさっと出る。その間だいたい5分くらい。入浴剤は白濁する保湿系のもの100gと重炭酸タブレットを3つ入れ、お湯をトロットロに美容液化して浸かります。
及川 育毛剤2種類をつけ、全身にボディローションやオイルを数種類塗って、顔には美容液を4~5種類……。
── だから、そんなに肌がトゥルトゥルなんですね(笑)。保湿が終わったあとは?
及川 サプリタイムに入ります。ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンD、マルチビタミン、スペルミチン、NMN、PQQ、強力わかもと。あと、男性ホルモン抑制のフィナステリド、毛細血管拡張のミノキシジル、腸内環境改善のビオスリーなど、薬も含め摂っています。
── サプリや薬など、どのくらいの量を飲むんですか?
及川 50錠は超えますね。それを200ccの野菜ジュースで一気に流し込み、その後、プロテインを摂ります。お気に入りは卵3個を使った具だくさんのオムレツ。パンは食べず、オムレツだけを食べます。ほかに魚と豚汁だったり、うなぎも好きで、冷凍うなぎは常備しています。うなぎは人間が必要な栄養素はビタミンC以外すべて摂れるんですよ。
及川 ゴルフのトレーニングに週3で行き、その後に会社に行くのがお決まりです。
── 昼食はどのように?
及川 朝しっかり食べた時は、お昼はスルーする場合が多いですね。そもそも人間が3食食べられるようになったのはここ数百年で、大量の糖を摂取する必要性はないんです。ただ、タンパク質は体の維持に必要なのでプロテインバーなどで補ったりしています。
鏡を見て「老けた」と思うと老化が進む。見た目が若々しいと脳が騙されるという仮説がある
及川 いつも仕事に忙殺されている感じですね。夕食はほぼ毎日会食で、フレンチや和食のフルコースでなかなか調整が難しいんです。ただ、上質で多様な食材を摂れるのはメリットなので、タンパク質を中心にハーブや野菜類などを積極的に選んで摂るようにしています。
── お酒はいかがですか?
及川 ワインエキスパートの資格を持っていて、ワインは月に20本以上飲んでますね。
── 20本!? それはポリフェノール摂取のため?
及川 (笑)。確かに赤ワインのポリフェノール効果というのもありますが、ワイン100ccで75〜80kcalなので、なんとも言えないところですね。ただ、ワインは生活のルーティンになっているので減らすのはなかなか……。
及川 夜は消化剤的なものや腸内環境を整えるサプリをプラスして、食べたものの分解を助けてあげる感じです。
── 夜のお風呂は?
及川 入浴時間は朝の倍、10分間です。43~44℃の熱めの温度で、追い炊きじゃなく、水流をダーッと体にぶつけるようにして浸かるんです。水流の圧を加えつつ、入浴剤で炭酸もプラスして一気に血流を促進させていきます。
── リラクゼーション目的ではなく、なんか活性化するための入浴という感じですね。
及川 ある意味、苦行みたいなもんです(笑)。
── その後、寝つけないなんてことはないんですか?
及川 ベッドに入って5秒で眠れます。お風呂で温まった体が冷えていく時に眠りにつきやすくなるので、そのあたりも計算に入れ、寝る40分くらい前に入浴するんです。寝室は完全遮光で、就寝1時間前からデジタルデバイスに触らないようにもしています。
及川 もちろんです。ちょっと話がズレますが、人間って見た目や感情からも老化するんですよ。鏡を見て「老けたな」と思った段階で老化が促進される、逆に老化してないと思えば、脳が勘違いして、成長ホルモンをドバドバ出してくれるという仮説があるんです。
及川 ええ。だから僕から言わせれば、もし見た目に衰えを感じるなら、顔を整形してくださいと。整形が嫌なら、ハイフとか糸を入れるとかでもいいので、無理矢理にでも顔を引き上げて見た目を若々しくしたほうが、内側からも老化を遅らせられる可能性があります。
── なるほど。そんなところからも老ける、老けないに差がつくわけですね。
68歳で受験勉強、70歳で医学部入学、78歳で卒業したら、遺伝子研究に没頭したい
及川 常識に縛られないためには、まず自分の信念をもつことが重要かと。そのうえで時代の変化に応じた最新情報を取り入れ、実験的に試しつつ、自分に合った方法を見つけていく。そういう姿勢が大切だと思います。
── でも、その時代の変化に応じてアップデイトしていくところが、オヤジ世代はなかなか難しいのかなと……。
及川 おそらく、60歳、70歳、80歳、90歳、100歳という各ステージでの自分の理想ややりたいことを見据えた“超長期目標”を立てられていないからだと思います。僕の場合、68歳で受験勉強して、70歳で医学部に入って、78歳で卒業して、その後は遺伝子研究に没頭するぞみたいな目標を立てているので。
── えっ、受験勉強を68歳から始めるんですか?
── 今これだけのことをしつつ、さらに研究者になって自ら遺伝子研究に携わりたいと?
及川 人間はお金があって老化しなければ、いろいろチャレンジができますからね。
── そんな及川さんにとって憧れの人とは?
及川 尊敬しているのは、ブライアン・ジョンソンです。彼は起業家として立ち上げたテック企業を売却し、その資産を投じて、世界で今一番アンチエイジングを実践しているトップランナーといえる存在。3年ほど前に彼を知ってインスタをフォローしていますが、朝起きてから寝るまでの食事、サプリ、運動、使っている機器などすべてを公開しているんですよ。
── 今調べてみたら、その若返りのプロジェクトに年間で約200万ドル、日本円で3億円以上も費やしているとか……。
── 135歳まで生きるという目標を、奥さまは応援してくれているんですか?
及川 お互い生き方や考え方が違いますから、そこは干渉しすぎず、セパレートという感じです(笑)。長く生きるというのは、それだけのエネルギーが必要なので。
── 確かに、及川さんほどエネルギッシュでい続けることはかなり大変な気がします。
及川 そうなんです。年をとるとむしろ、もう早く死にたいというくらいの人が多い。そういう方々には、人間は老化して、死んで、次の人にバトンタッチするというのが当たり前なんでしょう。でも、僕はバトンタッチすることができないタイプなので(笑)。
── いやでも、本当にこれは壮大な体を張っての実験ですよ。最先端のことでお金も必要で、みんながやってないことを先陣を切ってやっている。結果、どこに行き着くのかもわからないわけで……。
── なんかもういろいろなプレッシャーを背負って……。
及川 うかうか死ねないし、老化できないし、大変なんです(笑)。
撮影場所は……
「HASUMI免疫クリニック」
住所/東京都千代田区紀尾井町4-1 ニューオータニガーデンコート1F
HP/https://www.hasumi-cl.com