2025.03.04
【Q2】筋トレは、週2回だけでいいの?
たるんだ体を目にしては、筋トレの必要性を感じているオヤジさんは多いかと。そこで服を着こなせる引き締まった体になるために、筋トレに関する疑問について、フィジカルトレーナーの坂詰真二さんにうかがいました。
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イラスト/STOMACHACHE. 文/大塚綾子 編集/菊地奈緒(Web LEON)
A.筋肉は48〜72時間で「超回復」。トレーニングをしたら2〜3日休むのが理想です

とはいえ、お洒落オヤジとしては、やみくもに鍛えるのはなんか違う。効率よく筋肉を付けるには筋トレこと筋力トレーニングを理解しなくては! ということで、日本におけるパーソナルトレーナーの草分け的存在・坂詰真二さんに疑問をぶつけてみました。
Q.筋トレは、週2回だけでいいの?
坂詰真二さん(以下坂詰) トレーニングで負荷をかけた筋肉は一度損傷して、そこから回復する過程で元のレベルを超えて成長します。これが「超回復」という現象です。48〜72時間かけて超回復がピークを迎えるので、トレーニングをしたら2〜3日は休むのが理想的。週に3回だと休養が充分にとれなくなってしまうので、週2回をオススメしています。
── 逆に、毎日やらないほうがいいんですね。
坂詰 持久力を高めるためにウォーキングやランニングのような負荷の低い有酸素運動を行う場合、週4~5回の高頻度でもよいのですが、筋トレは毎日軽めにやっても意味がない。高い負荷をかけないと超回復は起こらないから、毎日できるようなトレーニングだと負荷としては弱いんです。
── 1回の筋トレ時間の目安はありますか?
坂詰 1種目を「1で上げて、2、3で下ろす」と3秒カウントしながら10回行うのが基本。つまり1種目30秒で、終わったら30秒休む。セット数は筋肉内の線維を満遍なく使える3セットが効果的なので、3セット繰り返して3分弱です。最初は3種目くらいからスタートするのがいいので、10分以内で1回のトレーニングが終わる計算になります。
坂詰 そうなんですよ。筋トレは有酸素運動と違って短時間でいいし、それでちゃんと効果も出るから、実は続けやすいんです!
── オヤジ世代は忙しい人も多いのですが、筋トレを始めるならジムに通ったほうがいいですか?
坂詰 ケガをせず、トレーニングの効果を上げるために、最初は独学ではなくトレーナーのお手本とフィードバックがあるといいですね。トレーニングは質か量かで言うと、やはり質が大事。そして質を上げるために重要なのが、正しいフォームです。
効かせたい筋肉だけを使って、関節や骨に余計な負担をかけないこと。例えば腕立て伏せも手首の負担を減らすために両手のスタンスは肩幅の1.5倍、指先は外へ45度開くなど、正しいフォームのポイントがいくつかありますから。特に関節は消耗品で、一度ダメージを受けると100%の状態には戻らないので、注意が必要なんです。
例えばサッカーは上手い人と下手な人には大きな隔たりがあるので、コーチもフィードバックするのはすごく難しいんです。でも筋トレの場合は同じ動作の反復なので、抑えるべきポイントは多くても5つくらい。ジムに通えないなら、本や動画をお手本にしてもOKです。最初の1〜2週間は回数や負荷は二の次にして、ポイントを1回ずつ確認しながら正しいフォームを覚えることに注力しましょう。

● 坂詰真二(さかづめ・しんじ)
スポーツ&サイエンス代表。NSCA認定ストレングス&コンディショニング・スペシャリスト。同協会認定パーソナルトレーナー。横浜市立大学文理学部を卒業後、株式会社ピープル(現コナミスポーツ)で、ディレクターや教育担当を歴任。その後、株式会社スポーツプログラムスにて、実業団等のチーム、個人選手へのコンディショニング指導を担当。独立後はアスリートへの指導、スポーツ・医療系専門学校講師などを務める。トレーナー歴は30年を超え、育成したトレーナーは3000人以上。著書も多数で、最新刊は『眠れなくなるほど面白い 図解 筋肉の話』(日本文芸社)。YouTubeは「坂詰真二の『真・トレーニングちゃんねる』」。