2023.07.02
【第79回】
バリキャリ美女が「絶対に落としたい」と思ったオトコって?
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関して執筆もする林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第79回目のゲストは、前回に続いて麻衣さん(28)です。前編では、モテた中学生時代のこと、そして留学先で出会った現地の男性との恋愛について伺いました。後編では、大人になってからの仕事と恋愛について聞かせてもらいます。
いま、五人家族を養えるくらいは稼いでいます
「ITのコンサルティング会社で、テクノロジーを専門とした仕事をしています。具体的には、金融系企業の経営をシステムで解決するような仕事です」
── 専門がテクノロジー! そういう仕事は入社したら学べるものなんですか。
「新卒で入ったのでバックグラウンドもない状態ですから、毎日学びの連続でしたよ。土日も勉強に充てていました。今でも日々学んでいます」
── 前回では将来の夢はホテル経営だとお話ししていましたが、今はそのお仕事に専念している感じですか。
「はい、今はお金を稼いで、自分の市場価値をどこまで上げられるかという戦いをしています」
── 仕事の内容的にもお金は稼げそうですね。
「そうですね。昨年末に昇進したので年収が上がり、印象で言うと5人家族を養えるくらいは稼いでいると思います」
── 20代で!? それは実家のお父さんくらいの年収ってことですか。
「そう、私は5人家族なんですが、今は父親と同じくらい稼げていると思っています」
── おお~凄い~!! その仕事は今後どうしていくつもりですか。
「続けられるなら続けたいですけど、とても忙しい業界ではあるので、そろそろ休憩してもいいかなという気持ちもあります」
とにかく顔が好きで自分からアタックしました
「そうですね、転職したり、結婚したりしてもいいかなって。今、ちょっと私が恋愛モードに入っていまして(笑)」
── おお~いいですね~(笑)。どこで知り合った人と恋愛関係になっているんですか。
「同じ大学の同期です。でも在学時代は知らない人でした。昨年共通の友人が開いた同期会の集まりで初めて会ったんですが、『えっ、こんなに素敵な人、どこにいた!?』と思うくらいめちゃくちゃ好きな顔だったので、私の方から声をかけました」
── 麻衣さんの方からアクションを起こしたんですか。
「はい、『顔カッコいいね』って(笑)」
── ワハハハ、そのまんま言ったんですね。彼は有名人で言うと誰に似ていて、何をしている男性なんですか。
「昭和の俳優みたいなダンディな雰囲気。背が高くてクールなんだけど、素朴な感じがします。ちょっと松山ケンイチに似てるかな。仕事については、だいたい海洋に出ている、としておきますね(笑)。今は地方にいるので遠距離恋愛です」
── あ、遠距離恋愛なんですね。するとどうやってデートを始めたんですか?
「その日は連絡先を交換しなかったんですが、共通の友人がつないでくれて、連絡をした時にはまだ彼は東京にいたので、ふたりで食事をしたんです。でもその日に夜行バスで帰ってしまいました」
ツレない彼を絶対落としたいと思った
「はい。でも彼は『遠くに住んでるからあまり会えないし、付き合っても意味がないよ』って言うんです。冷たいなとは思ったんですが、そこになんか燃えちゃったというか、絶対に落としたいと思って(笑)」
── ワハハ、積極的だ。
「それから2カ月くらいは、電話で内面の話などもしつつ仲良くなっていって、その後、私の方から彼の住む土地まで会いに行きました。ドライブしながらいろんな話をしているうちに、彼の方から告白をしてくれて」
── わあ、よかった!
「ただやっぱり遠いし、多くても月一でしか会えないということで、急に冷静になって返事を保留にしたんです」
── そうか、遠距離恋愛は続けるのが難しいって言いますもんね。多くて月一回ですか。
「そうですね、出港しちゃうと電話もつながらないので、運が良ければ月一で会えるけど、悪かったら月一電話ができるくらい。そういった具体的な話を聞いたら、東京でもっと良い人がいるかもなとか、将来見据えた時に本当にこの人でいいのかなって思ってしまって」
── 気持ちはわかりますよ。その後どうなったんですか?
「その日なんだか辛くなってしまって、彼の前で号泣しちゃったんです。そしたら翌週に東京まで来てくれて……。落ち着いて話を重ねたうえで、私の方から付き合ってくださいって言いました」
── そこから今に至るわけですね。その時ってもう結ばれていた? その後ですか。
「その段階ではしてないです。その付き合うってなった日ですね。へへへ♡」
ダメ男を「私がなんとかしてあげたい」と思っちゃう
「長く付き合っている彼がいました。でも、いわゆるダメ男タイプと言いますか。向上心がなくて、土日も家から出たくない、おまけに借金まであったんです」
── え? なんか本当にダメな人じゃないですか。
「借金をしている人って案外世の中に多いのかなって思っていました。そうでもないんですかね?」
── いや、家を買うとか事業のための借金をする人は多いですけど……。その彼は何の借金だったんでしょう。
「きっとギャンブルでしょうね。本当に良くない。彼は結婚願望もなかったので、このままずるずる付き合っても無駄かなと思い、私から別れたいと言いました」
── でも、良い人ではあったんですか?
「良い人ではありました。仕事がめちゃくちゃできて頭も良い、けどプライベートがだらしない。それを私がなんとかしてあげたいと思っちゃってたんです。ただ、ギャンブルの借金は繰り返しますからねえ。今思い返すと、彼じゃなくてよかったなと思っています」
「絶対に許せないですね。私もしたことはないです」
── それはなぜですか。
「私は、自分がやった行動はいつか自分に返ってくると思っています。恋人は自分の鏡だと思ってるので、自分がしたら彼も絶対すると思う。だから、彼のことを嫌だと思うことがあったとしたら、自分にも悪いところがあるだろうと考えるようにしています」
── 素晴らしいと思います。今の彼とは結婚も考えていますか。
「はい、そうできたらいいなと思っています」
── 遠距離のリスクを克服するには、入籍が一番らしいです。僕調べではそうなっています(笑)。それで通い婚になると、ずっとデートしてるみたいでちょうどいいんだそうです。
「それは凄くわかります。滅多に会えないので、会えた時の喜びが半端じゃないんですよ!」
── 彼との幸せを願っています。今日はありがとうございました。
【林さんから〆のひと言】
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『結局、人の悩みは人間関係』(産業編集センター)。