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2024.01.14

【第87回】

「元カレが選んだのは私の友達だった」失恋を乗り越えてスパダリを掴んだ美女

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)

「ワイングラスの向こう側」(KADOKAWA)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林 伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。

第87回のゲストは、前回に続いて優実さん(27)です。前編では、男まさりだったけど徐々に自分の可愛さを自覚した小中学校時代のこと、ただ、付き合うと気持ちが冷めて長続きしなかったことなどを話していただきました。でも、大学ではやさしい彼氏とお付き合いできたとのことで、後編では気になるその後の恋愛についてお聞きしていきましょう。
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絶対に東京で幸せになってやる!とマッチングアプリを始めて

── 大学で付き合った彼以降は、普通に男性とお付き合いできるようになりましたか?

「はい。その後は問題なくお付き合いできるようになり、大学4年から4年間付き合った人がいました。彼は東京のイベント系の会社に就職が決まっていて、私も東京の会社に就職することになっていたので、一緒に頑張ろうねと。あ、だけど大学を卒業する頃に一回別れたんだ。彼に好きな人ができたって言われて。しかもその相手は私の友達だったんですよ! ひどくないですか」

── ええ〜、それはない! ひどいですね。

「もう本当になおさら悔しくて、絶対に東京で幸せになってやると意気込んでマッチングアプリを始めました。わりとすぐにいい人が見つかり、その人のことを好きになりかけたところで別れた彼から連絡が来て」

── はいはいはい、そういうタイミングで元彼から連絡が来ますよね〜。

「そうそう、出たこれ〜と思って一度断ったんですが、まあご飯ぐらいいいかと思って行ったんです。そうしたら『寄りを戻したい』と言われて、まぁまた別の人と一から関係築くのもな〜と思い、戻ることに(笑)」

── そういった理由で寄りを戻したりすることもあるんですね。新しく関係を築くのも面白いんじゃないですか?

「いや〜、その時は慣れてる方がいいのではと思ってしまいましたね。そこから3年半付き合い同棲もしていましたが、彼の仕事が忙しすぎてすれ違いが多かったです」
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いつも家にいない男性とは、結婚してもつまらない

── それではつまらないというか、寂しいというか。

「そうなんですよ。それもあって、彼と寄りを戻す直前にマッチングアプリで出会った人と連絡は取ってました。半年に1回くらいご飯に行ったり、飲みに行ったり、ホテルに行ったりと……(笑)」

── あははは! えっと、浮気はするんですね。やっぱり楽しいんですか?

「彼は平日家に帰ってくるのは朝方、仮眠したらすぐ仕事に行くすれ違いの日々なのに、休日も友達を優先しちゃうんです。その寂しさと、それなら私は私で好きにやらせてもらいますよ、『言っとくけど、私モテるんだからね!』みたいな気持ちでした」

── 放っておいたら言い寄ってくる男なんかいっぱいいますよね。いやー勉強になります。浮気はバレないんですか?

「バレませんでした。彼は仕事が忙しすぎて私にまで気が回らなかったんだと思いますけど。別れた理由は結婚観の違いでしたが、今はそれで良かったと思います。毎日朝帰ってきて、貴重な休みも寝てるか友達と遊びに行ってしまう人と結婚しても、いいことなかったんじゃないかな」
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今の彼氏は、私の職業を考慮して自粛明けまで会うのを待ってくれた

── それはそれで良かったのかもしれません。フリーになってからはどうでした?

「その後すぐコロナ禍になってしまい、対面で人と会うことができなかったんです。コロナの初期ってフロアでひとりでも罹患者が出たら封鎖、自分が罹患したら村八分になるみたいな感じで大変だったじゃないですか。私は医療関係の仕事をしているので、余計に絶対に罹ったらいけないと思ってめちゃくちゃ自粛してたんです」

── なるほど、対面で飲み会なんてとんでもないという時期がありましたよね。でもオンラインで話す機会は増えましたね。

「はい、オンラインのみでやりとりしていました。今の彼とはその頃に出会ったんですが、私の状況とか環境を考えて、ちゃんと『自粛期間が明けたら会おうね』って言ってくれた唯一の人なんです」

── 誠実さが伝わりますね。自分の欲望を優先せずに、社会的なことや相手の状況を考えられる男性はとても良いと思います。彼と付き合ってからは浮気もせず?

「全くそういう気持ちはないですね。全然寂しいって思わないんですよ。仕事が忙しくてもちゃんと連絡をくれるし」

── そうか、特に寂しくなければ他の男性に走ることはないんですね。それから、結婚を考えた時に何を重視するかを伺いたいんですが、例えば会話や性格、お金、外見、セックスなどの優先順位はいかがですか。

「やっぱり会話が合うかどうかは重要ですね。お金は、ふたり合わせてどれくらい年収があれば良いんだろう。1200万円くらいになれば良いでしょうか」

── そこはふたりで、という考えなんですね。

「そうですね、男性もそれなりに稼いで頑張りたいと思っているでしょうが、女性もやりたいことは絶対やった方がいいし、自分のお金で自分の幸せを買った方が良いと思うんです。たとえ結婚したとしても。人生何があるかわからないじゃないですか。何かあった時にお金がないと守りたいものも守れなくなってしまうから」
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男性が女性を褒めるのって良いことしかない

── 凄く良い考え方だと思います。結婚した後、彼が浮気をしたとしたら、それは許せますか。

「質問の答えにはならないと思うんですけど、私が選んだ男は浮気しません。付き合えば付き合うほど好きにさせるという気持ちでいます。それは今の彼と付き合う中で自分に自信がついてきたからこその感覚です」

── 凄いですね! 彼が褒めてくれるんでしょうか。

「そう、毎日褒めてくれます。人って褒められて伸びるじゃないですか。男性が女性を褒めるのって良いことしかないんですよ。女性は自分に自信がつくと安心して自分を磨くことに集中できるので、男性を束縛することもなくなると思いますよ(笑)」

── 男性陣! これです! 恋人を褒めたら良いことがたくさんある! だからこそ男は女性を褒めるべきです。

「可愛いって言われた分だけ本当に可愛くなりますので、皆様もどんどんパートナーを褒めてください」

── 今日は本当に勉強になりました! 優実さんはお話も上手ですね。ありがとうございました。

【林さんから〆のひと言】

僕、この連載ずっと続けていて、男性に求める収入をいつも質問しているのですが、「二人で合わせて」という収入を言ってくれた人はほとんどいません。素敵だなと思いました。お幸せにです!

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(‎幻冬舎)

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