オトナの世界を楽しく刺激する艶語の世界
艶のある言葉=艶語(えんご)に注目する本連載。昨今、スマホやPCに頼りすぎているため漢字の読み方などついおざなりにしがちですが、艶語を知ることでアナタの艶もちょっぴり刺激され、乾いた日々にも少し潤いがもたらされたらいいな、なんて。いくつになっても艶を忘れず、色っぽく参りましょう~!
ということで、第3回のお題はこちら。
この漢字、何と読む?
さて、「気をやる」の艶語としての意味ですが、これは主に江戸時代の遊郭で使われていた表現で、性的な絶頂に達するということ。現代語で言い換えるなら「イク」になるでしょう。この「遣る」には一方から他方へ移動させるという意味もある(“木遣り”がその好例ですね)ので、まさに「気を遣る」はどこかへ飛んでいってしまいそうな強烈なセンセーションを表しています。
余談ですが、この性的な「イク」は英語だと「coming」となります。Come=来る、なのにイクなんておかしいな、と当時中学生だった筆者は不思議に思っていたのですが、遠くにいた友人に呼ばれた時など「今行くよ~」という感じで「I am coming!」と言いますね。フランス語でもイタリア語でも「イク」はそれぞれの言語で「come」的な動詞を使うようですが、「気を遣る」的な表現をする国もあるのかなぁ。ご存知の方、いらしたら教えてください。
「気を遣る」の用法と例文
(江戸時代の遊郭では気を遣ると妊娠すると信じられていたそうです)
2.「俺のってどう? 気を遣ったかい?」
(男はいつも自分のテクと持ち物を過信しがちです)
3.「御前さま、もう、おやり遊ばすか。今度は長命丸なしにいたしましょう。あまり、わたしが痛みます」
(江戸時代の春本『回談情の山入』より。長命丸は有名な媚薬だそうです)