2024.04.14
【第93回】
シたら、すぐ帰ってほしい!? 恋愛にクールな美女がムラムラする男性とは
美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。
- CREDIT :
取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(LEON.JP)
テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。
第93回目のゲストは前回に引き続き、翔子さん(29)です。前編では高校生時代の半同棲生活やブラックだったPR会社でのお仕事の話を伺いました。後編では、意外にも男っぽい(!?)恋愛観についてアレコレ語っていただきます。
結婚願望はない。自分のお金も時間も私だけのものにしたい
「クラブのパーティーで知り合った、一級建築士の勉強をしながらゼネコンに勤めるハイスペでした。でも彼、すっごく結婚をしたがる人だったんですよ」
── いいじゃないですか〜(笑)。しましょうよ。
「嫌ですよ(笑)! 結婚願望ないですもん。子供はいらないし、私にとって大事なのは私だけ。自分のお金も時間も私だけのものにしたいです」
── おお、はっきりした意思があるんですね。
「はい、そう伝えているのに家族や友人に会わせて周りから固めようとしてくるから……。一度は騙し打ちで実家に連れて行かれたこともあります」
「マジ?ってなりました。カジュアルな服装だったし、手土産もなく相手にも失礼じゃないですか。一番イラッとしたのが、会社の同僚のご飯に誘われた時。平日の19時に設定されていたんですが、その頃は終電で帰るのが当たり前の生活で、その時間に行けるわけがなかったんです。場所の設定もこちらからは遠いので、一度は断って。
そうしたら『途中からでもいいから来て』と言われてしまい、上司にも事情を言ってめちゃめちゃ頑張って仕事を終わらせて、現地に20時半に着いたんです。相手の面子を守るためにですよ!? 結局、会社の同僚もいい人たちで、その会自体はつつがなく終わったんですが、彼が帰りの電車でなぜか泣き出して」
「『これがすごく嫌だった』とか『こういう風に言われたのが嫌だった』とかあれこれ言われた挙句、『今日だって本当は19時からだったのに、なんで遅れて来たのか意味がわからない』と言われてしまい」
── あんなに努力して行ったのに!?
「そう、だから『それは説明したし、私の普段の働き方も知ってるよね。私の中では、今日凄く努力して向かったんだよ』と言ったら『忙しぶってんじゃねーよ!』って。それで『あ、もう別れよ〜』となりました」
── あ〜それは彼が悪い。でもあの、こういうことは男女逆ではありますが、女性が言うのは初めて聞いたかもしれないです(笑)。彼はいい人ではあったんですか?
「あ〜、いい人でしたよ。でも精神的に不安定な感じだったので」
「蝉が鳴く前に帰った方がいいよ」って言ったことがあります(笑)
「私、恋愛の感情がよくわからないんですよね。同棲してた人とも、関係が長くなるにつれだんだん友達とか家族みたいな感情になってしまい、恋人ってことにめちゃくちゃ違和感があって。別れた時は『ようやく恋人関係じゃなくなった』って嬉しく思ったくらい」
── ようやく恋人じゃなくなった……。
「ええ。新しい恋人を見つけようとも思ったけど、なんだか全然好きになれないし。例えば、酔っ払った勢いで告白されて付き合うことになった人の、セックスの最中の幸せそうな顔を見て気持ち悪く感じちゃうというか」
「そう、ムラムラはするし、一戦交えたいとは思うんですが、そのために付き合うのがねえ。酔っ払ってその気になっている時は『俺と付き合わない?』みたいなことを言われると、『いいよ』ってつい言っちゃうんですよ(笑)。で、翌日、うわ〜付き合うって言っちゃったよ、やばいやばいって」
── それ、悪い男のセリフだと思っていましたが、女性でもあるんですね(笑)。
「確かに、男っぽいねとは言われます。私、基本的に隣に人がいると寝られないので、早朝に起きちゃうんです。相手の家なら速攻帰りたいし、自分の家なら早く帰ってほしい。どうにか帰らせようと思って『蝉が鳴く前に帰った方がいいよ』って言ったことがあります(笑)」
── ワハハハ! 蝉!?
「早く帰ってほしいって言いたいけど、そうは言えないから、『今だったらまだ涼しいし、蝉がうるさくなる前に帰ったほうがいいよ』って。夏だったから」
── じゃあ逆に、事後すぐに帰ってくれる男性だったらホッとするんですか?
「最高! 素晴らしい!」
私のことを好きな人とはセックスしたくない
「う〜ん、私のことを好きな人とはセックスしたくないんですよね。気持ち悪いから」
── ええ? でも好き好きって言えば言うほどできるって、男性は信じてるじゃないですか。
「私のことを全然好きじゃなさそうな人がリップサービスとして好きって言っているなら受け流せるかもしれないですけど、私のことを好きだと思っていそうな人とはセックスしないです」
── それはなぜでしょう。どうアプローチしたら翔子さんに響きますか。
「実はこのところ、半年に2回ぐらいストーカーされるという出来事が起きていて、アプローチされるのも嫌なモードなんです。家に突然、長文の手紙が届いたり、ね」
「そうかもしれません。なんか、その手紙も『あなたのことが心配です』みたいなふりをして小賢しいんですよ。そんなのあなたの自己満足でしょとしか思わない」
── 「お前を幸せにしたい」みたいなあの感じですね。
「そう。私は私で幸せになるんで、“あなたのため”感を出さないでほしい。自分がそうしたいってことを認めなよと思います」
「つい好きにはならないけど、ムラムラする男性はいます」
「20代前半までと最近とで変わったんですけど、見た目の感じとしては、昔はシュッとした人好きだったんですよ。あんまり男の子っぽくない感じの人がセックスの時にオスっぽくなるのが好きだった。でも最近はやっぱり筋肉っていいなって思い始めて」
── そうなんですね。筋肉いいですか。
「生命力の象徴というか、健康的な意味でも元気って大事だなと思うから。あとセックスするかどうかの基準として毎回確かめるのは、運動部だったかどうか」
「動きに差があるからですね。サッカーやバスケのようにゲームの中で走る動きをする方が俊敏な気がします」
── やっぱりそれあるんですね。ここぞの時に何かができる、アクションの問題ですよね。
「そうですね、あとはホスピタリティとコミュニケーション力もつくから」
── とても参考になりました! 今日はありがとうございました。
【林さんから〆のひと言】
■ bar bossa(バール ボッサ)
ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/19:00〜24:00
定休日/日・祝
TEL/03-5458-4185
● 林 伸次(はやし・しんじ)
1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(幻冬舎)