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2024.05.14

【Vol.03】藤澤龍一さん/プロデューサー、墨絵アーティスト

パリで活躍したデザイナーがようやく見つけた終の棲家

墨絵アーティストの藤澤龍一さんが見つけたのは、伊豆の瀟洒な一軒家。青春時代を送ったパリ、イベントプロデューサーとして活躍していた東京での暮らしとはまったく趣を異にする、穏やかな時間に心癒されているそうです。

CREDIT :

写真/平郡政宏 文・編集/秋山 都

「初めて物件を見た時に、あ、ここだと確信しました」

藤澤龍一
▲ 若き日をパリで過ごし、現在は伊豆と東京のデュアルライフを楽しむ墨絵アーティストの藤澤龍一さん。
働き盛りの30~40代から、人生の後半を見据える50~60代へ。誰しもライフステージの変遷を経験しますが、その変化に伴い住居や環境を変えていくことができたら理想的です。幼いころからファッションが大好きでデザイナーになりたかった青年はパリへ行き、憧れのデザイナーのもとでモードを学びました。帰国後、ファッションブランドのPRやマーケティング職を経て、ラグジュアリーブランドのイベントや商業空間をプロデュースする会社を設立。プロデューサーとして寝る間も惜しんで働いた壮年期は、東京・新宿のマンションで暮らしていました。
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藤澤龍一
▲ 毎朝テラスで茶を喫し、夕方にはアペロを楽しむのが日課。
そして今、会社代表としてのプロデュース業をリタイアし、一個人としてさまざまなプロジェクトのプロデュースや墨絵アーティストとして活躍する藤澤龍一さんは、相模湾を見下ろす一軒家を購入。日々、穏やかな海から昇る朝陽に心癒され、四季折々の自然を間近に感じることでますます創造意欲をかきたてられているそうです。
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築20年ほどの日本建築家屋をリノベーション

藤澤龍一
▲ 苔むして歴史を感じさせる藤澤さん宅の庭石。
会社を2014年にたたみ、これからは少しゆっくりしようと思っていた藤澤さん。都会での便利なマンション暮らしも良いけれど、もう少し自然を感じられる場所に別宅が欲しいとずっと考えていたんだそう。
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山之内淡
▲ バリのリゾートホテルのようなテイストが好き。骨董や新しいものをミックスした心地よいリビング。
「その頃は母も東京にいたので、行き来が簡単にできるアクセスのよい土地。海が見えること。それから大好きな温泉があること。そんな条件で探していたんですが、なかなかいい物件に出会えませんでした」
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山之内淡
▲ 2階の寝室から吹き抜けになっているリビングを見下ろす。
そんな折にふと出会ったのは当時築17年だった純日本家屋。「建築家だった前のオーナーさんは別荘として使っていたそうですが、あまり来ていなかったのか、ほとんどダメージがありませんでした。見た瞬間、あ、ここだなと確信して。襖やブラインドなどは自分好みにリノベーションして、東京のマンションと二拠点生活しています」
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「まず気に入ったのは、小高い山の上にあるので、海を見下ろせるロケーション。それからお茶室があったことも私としてはラッキーでしたね」

流派にこだわらない自由な茶人としても活動している藤澤さんは、四季折々の茶事をここで行うことも。亭主としてお茶をたてるだけではなく、懐石料理も自ら料理し、ふるまう、フルコースの茶事を開いています。
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藤澤龍一
▲ 小高い丘の上に建っているので、目の前を遮るものは何もなし。日々変わる海の表情を眺めているだけで飽きない。
「もともと茶道や仏教など、日本の伝統や文化が大好き。日本のものが美しいと思うようになったのは、20代のころパリで暮らしていた、その反動もあるのかもしれません。いまこうして自然の中に身を置いてみると、自分の日本人としてのアイデンティティーを日々強く感じますね」
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1階にリビングダイニングキッチンと茶室、2階に寝室、書斎、ゲストルームという一軒家には、休日ごとに海外からのゲストや友人たちが来訪。そのたびに料理上手な藤澤さんは魚市場で求めた鮮魚の刺身や、新鮮な野菜、そして大好きなシャンパーニュでもてなします。

「みなさん喜んでくれます。それと自慢は温泉を引いているお風呂ね。ウチの温泉で温まったら風邪ひかないんですから(笑)」
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藤澤龍一
▲ 高級な温泉旅館のような趣のエントランス。
「創作のインスピレーションを得るためにも年に何度か海外へ旅しますが、国内の温泉旅館には行かなくなった」と笑う藤澤さん。たしかにこんなすてきな温泉付き物件に暮らしていたら、どこへも行く必要がないかも。パリから東京へ、そして伊豆へと……ライフステージに合わせてそのスタイルも変えてきた藤澤さんの“現在”がここにあります。
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藤澤龍一

● 藤澤龍一(ふじさわ・りゅういち)

1952年北海道生まれ。桑沢デザイン研究所卒業後、渡仏。ジャン・ルイシェレルのアシスタント・デザイナーとして研鑽を積む。1980年帰国。アパレルのデザイナーとして活躍したのちに、「ランバン」のコーディネーターやPRを経て、イベントプロデューサーとして独立。1997年株式会社「RFプロデュース」を設立。2014年末に事業を整理し、現在は、墨絵アーティストや茶人として新たなクリエイティヴ活動を開始している。

ステキなお宅、もっと見たいでしょ?

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