明るくセクシーなラテンダンスに大人の女性がハマるのはなぜ?
近年、そんなラテンダンスにハマる30〜40代女性が多いのだとか。
大人の女性たちを魅了する“ラテンダンスにおける美”とはなんなのでしょう? その理由を探るべく、今回はサルサダンス教室に潜入! 世界選手権の元ファイナリストでありサルサダンス教室「H&T DANCE COMPANY」を主宰するHIROさん&TAKUさんに魅力を伺いました。
“女性の美しさ”を引き立てるのが男性の役目
TAKUさん(以下、TAKU) サルサではステップやターンへのきっかけなどは、必ず男性がリードして踊っていきます。今では珍しい亭主関白的な感じかも(笑)。ただ、あくまでも男性は女性を美しく見せるための黒子。自分をカッコよく見せるのではなく、女性を楽しませ輝かせることが男性の役目なんです。
── 一見すると、男女ともにキメキメで踊っているように感じますが、主役は女性なんですね。男性にエスコートしてもらいながら踊るという感じなのでしょうか。ちょっとした非日常体験と言えそうです。
HIROさん(以下、HIRO) 男性と女性が手を取って踊るのが基本ですが、適度に距離をとって踊れるペアダンスですので、スキンシップに慣れていない日本人でも入りやすいと思います。
TAKU 女性が来てくれたら今度は男性がリードするんですが、基本的には女性が自由に美しく踊れるようにします。だから無理やり動いたり、相手のことを考えず自分勝手に踊ったりしてはダメなんです。
例えば、自分がやりたい技ばかり練習する男性もたまにいるんですが、女性にとっては“実験台”にされるのは嫌ですよね。「私とは本番の気持ちで。練習はよその女とやってきて」って言われちゃいますよ(笑)。
TAKU 近年では同性同士でペアを組む人も少しずつ増えてきました。
HIRO うちでは男女ともに異性のパートも踊ります。相手のパートを理解することで、より思い遣って踊れるようになるんですよ。
── それっていわゆる社会生活における円滑な男女関係のコツなのでは!? そんなオトコとオンナの機微が凝縮されているところに、サルサのおもしろさがあるのかもしれません。
踊りながら自然にヒップアップや姿勢改善が叶う
HIRO 女性はヒールがあるので踊り続けるうちに自然とヒップアップするんです。体幹も鍛えられ姿勢もよくなるので、スタイルが変わるのを実感するはずです。
TAKU 男性も胸を張った姿勢で踊るので、普段の佇まいから変わります。「背が伸びた!」なんて言う人もいるほどなんです。
── 確かに、踊っている様子を拝見すると、皆さん姿勢が良く堂々とされています。踊るなかでスタイルが良くなっていくことも、サルサを踊る人の美しさの理由なのかもしれませんね。
サルサダンスを通じて50組以上(!)のカップルが結婚
TAKU コンテストでもタイミングやコネクションの良さ、いわゆるふたりの息が合っているかどうかは評価の基準になっています。
HIRO 踊ってみると相性は絶対にあるんです。なので、まずはいろんな人と踊ってみること。踊らないとわからないですから。サルサでは基本的に、ソーシャルといって1曲ごとにどんどんいろんな人と踊るので、そうやって経験を積んでいろんなタイプを知ることも上達の秘訣です。
TAKU 僕らは25年以上続けて、ものすごくたくさんの人と踊ってきたので、今では初めての相手でも最初に手を乗せた瞬間に相性や技量もわかりますよ。
TAKU たくさん踊ることで、最初は人と目もあわせずシャイだったのに積極的な性格に変わった生徒さんもいます。
── 1曲ごとにいろんな人との出会いがあり、さらに踊る相手とのコミュニケーションを深めることがサルサの真髄ゆえ、それが人生の出会いとなることもあるそうです。
TAKU 踊れるとモテるということは、否定しません(笑)。あと、踊りを通して人柄もわかるので、生徒同士でパートナーを見つける人も多いです。生徒の結婚式には50回以上出席しています。恋を生む魔法のダンスと言えるかもしれませんね。
ダンスを通じて世界中どこでも誰とでも仲良くなれる
── 生徒さんの中には、海外赴任や出張の際にパーティーで踊れなかったのがきっかけで、帰国後にレッスンに通い始める男性も多いそう。
TAKU 生徒さんのバックグラウンドは警察官から学生まで多彩ですが、男性は特に商社や金融系、あるいは経営者なども多いです。「仕事は完璧なのに、できないのはダンスだけ」と、自分の唯一の弱みを克服すべくサルサを始め、いまや完全にハマっている方もいらっしゃいます。
国籍も肩書もさまざまな人がハマっている
「バレエなど他のダンスも経験しましたが、サルサで人とコミュニケーションをとりながら一緒に踊る楽しさを知りました。自分の身を任せられるパートナーに出会えると本当に楽しい!」(女性・レッスン歴3年)
「アメリカから日本に来て活気あふれるサルサに出会い、完璧にハマりました。運動嫌いですがサルサだけは楽しいので続けられます」(女性・レッスン歴1年)
── サルサを始めたきっかけはさまざまでも、皆さん「人と踊るのが楽しい!」とのこと。確かに、基本的なステップのおさらいからスタートし、ペアになって踊り始めると、生徒さんの顔から笑顔が絶えることがありません。
女性を輝かせられることもモテる男の条件の一つです。オヤジの皆さまもぜひ、サルサの世界に足を踏み入れてみては?
HIRO & TAKU
HIRO(左) サルサダンサー、インストラクター、コレオグラファー。 98年ロンドン留学中にサルサを始める。帰国後、第二回日本サルサペアコンペティション入賞。全国各地、海外でもパフォーマンス、ワークショップを依頼され、北京で開催された 『China Salsa Congress』ではコンペティションの審査委員も務める。 ロサンゼルスで行われるアメリカ大会『LAC』では毎年ハイライトで出演。 2010年シルバーディスクを授与される。 ラテングラミー受賞バンドとのライブコンサートにも多数出演。
TAKU(右) 自身が振付け・監督しているサルサチーム『ENVY』『ADDICT』を、 アメリカのサルサ世界選手権『WSC』日本代表チームに選出させ、2009年『ENVY』を 日本人初ワールドファイナリストに入賞させるなど、振付け指導、監督力も高く評価される。 ダンスの理論を生かした美しい姿勢や立ち方を活かし、CMモデルなどのポージング指導も行う。 各種ファッション雑誌、『Cartier』などのファッションブランドのイメージダンサーとしても出演。 『マツケンサンバ』のサルサバージョンである『マツケンサルサ』の振付を手掛け、松平健、氷川きよし、ベッキー、グッチ裕三らと共演。TV、ラジオ番組などでも度々紹介される。
H&T DANCE COMPANYの詳細はコチラから