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2025.01.05

【第101回】

「芝居を円滑にするために共演者と恋愛したこともあります」舞台女優の恋愛談

美人とは「美」という高スペックを備えたスーパーカーのような存在。その“スーパーぶり”に男は憧れるわけですが、果たしてそのスペックは彼女に何をもたらすのか? バーのマスターであり、大人の恋愛に関する著書を執筆する林 伸次さんが、世の美人たちの隠された恋愛事情に迫ってみる連載です。

CREDIT :

取材/林 伸次 写真/田中駿伍(MAETTICO) 文/木村千鶴 編集/岸澤美希(Web LEON)

「ワイングラスの向こう側」(KADOKAWA)でおなじみ、奥渋谷のバー「BAR BOSSA」(バール・ボッサ)のマスターにして作家の林伸次さんが、バーテン仕込みの絶妙な話術でさまざまな美人さんの本音を聞き出す連載です。

テーマは今どきの美女たちの”悩める恋愛事情”。美人が出会った最低男を裏テーマに、彼女たちの恋愛体験(主に失敗)談と本音の恋愛観に迫ります。第101回のゲストは、前回に続き春奈さん(30歳)です。

前編では、中高は校則の厳しい女子校で過ごしたこと。最初の彼には初めての時にAVを見せられたことや、ちょっと派手な先輩に強いお酒を盛られてしまったことなどをお話しいただきました。ハードな恋愛経験をされてきたようですが、後編では良い意味で心に残っているエピソードや最近の恋愛談を伺います。
美人はスーパーカーである 恋愛 大人 エロ 美女
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彼のためを思って別れを切り出して……

── 前編ではなかなかにイヤな男性経験を語っていただきましたが、逆に、今でも心に残る良い思い出になっているような男性はいますか。

「長く付き合ったけど、お互いのためを思って別れた人かな」

── どんな人でした?

「俳優でした。同じ作品に出演していた時に、なんか凄く好き好き好きって言ってくれて(笑)。家も近かったのでいつも行き帰り一緒だし、稽古中も一緒じゃないですか。それで公演が終わったら会えなくなっちゃう、寂しいみたいな感じになって、その頃はクリスマスが近かったし、もう付き合っちゃおうか!ってなって」

── やっぱり共演者のことを好きになることってあるんですね。なんだか甘酸っぱくていいなあ〜。彼はもちろんカッコいいんですよね。
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「うん、カッコよかったです」

── ちなみに、この人は将来有名になるとか、この人はダメだなとか、そういうのってわかるんですか?

「あー、どうだろう。女の子だったら『この人はとても売れそう』って感じはちょっとわかったりしますけど、男性は『え? この人がこんなに売れるんだ』みたいなことが起きるから。でもそれこそ、彼がブレイク寸前みたいになった時があって」

── あ、すごい。売れっ子になる兆しが見えた時期だったんですね。

「そうするとファンサっていうのかな、もっとファンになってもらうためのことをしないといけないんだけど、彼が『春奈がいるのにそういうことをするのに抵抗がある』って言いはじめて」

── あ、彼の方が言い始めたんですか。えらいな彼。
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美人はスーパーカーである 恋愛 大人 エロ 美女
「そう。めちゃくちゃえらいとは思いますけど、『じゃあやめる?』とは言えないじゃないですか、絶対に売れそうだったから。

だからここは『ファンサも一生懸命にやった方がいいよ』と後押ししたんですが、一作品終わったところで『やっぱり無理かも』と言い出して。なので、『じゃあ仕事を辞めるんじゃなくて、私と別れる道を一度選択した方がいい』と言って別れたんです」

── えええ〜切ない〜。

「でも彼は結局、芸能界を辞めました。別れてからもたまに連絡を取り合っていて、よりを戻そうって話もありましたけど、やめておきました」

── そうですか。彼は芸能界の裏表みたいなことに向いていない、優しい人だったんですね。その彼以外にも共演者のことを好きになったことはあったんですか。
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芝居を円滑にするために、恋愛関係になったこともあります

「恋人役で共演している人を好きになったことがありました。私も彼も人との関係を深めるのが得意じゃなく、手っ取り早いのは飲みに行くことなので、その作品の期間によくふたりで飲みに行ったんですよ。最初は芝居を円滑にするために行ってたんだけど、だんだんリアルか芝居かが曖昧になっちゃって(笑)」

── 芝居ではなく、本当の関係に。

「なりましたね(笑)。で、そういうことを数回繰り返したけど、やっぱりそういう関係って芝居が終わったら終わりなんですよ」

── ガッキーと星野 源みたいな例もある一方で、刹那の関係で終わる人もいるんですね。やっぱりあれですか、そんな関係じゃないのに恋愛のシーンって、うまくできないとか恥ずかしいって気持ちになるんですか。

「恥ずかしいというか、気まずい? 好きになった方が自分が楽なんですよね」

── ああ、本当に好きな方が楽に芝居ができるんですね。他にもお付き合いした人はいますか。
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「別れたんだよね」って男の人に話す女の人には、多少は狙ってほしい気持ちもあるんじゃないかな

美人はスーパーカーである 恋愛 大人 エロ 美女
「そういえば、長く付き合った彼と別れた頃にタイミングよく連絡してきた元彼がいて、ちょっとだけ復縁したことがありました」

── 鼻の利く男性だったんですね(笑)。彼氏と別れたばかりの時って女性は弱くなってるものですか?

「そうだと思いますよ。つい行ってしまいやすいですよね」
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── じゃあ例えば女性が「彼と別れちゃった、話を聞いて」って男性に相談するとして、その時相手の男性に「でも俺は君のこと好きだけどな」なんて口説かれたら、悪い気はしないものですか? というか、口説きにいってOKですか?

「別れたんだよねって男の人に話す女の人には、多少は狙ってほしい気持ちもあるんじゃないかなって、私的には思っちゃいます。

だって、別れましたよ〜ってお知らせしてるんだもん。隣空きましたよって。もちろん男性の方から『どうしたの? 話聞こうか?』ってグイグイくるのはNGですけど」

── やっぱりそうなんだ。男性読者の皆さんは参考にしてほしいですね(笑)。
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中途半端にやるくらいだったら全部やめちまえ

── 話は変わりますが、例えば俳優さんの場合、稼ぎが全然ない人もいますよね。カッコいいし良い奴だけどお金は全然ない、そういう人だったらどうですか。

「う〜ん、努力を怠らないでいてくれればいい。『俺、お金ないから』って開き直ってしまわずに、努力をしていたら応援したいです」

── じゃあ、努力もして芸能界で頑張っているけど上にはなかなか行けないという男性はどうですか?

「う〜ん。でも私もそうで、もう長いことやっていてもしばらく停滞気味だから、そういう人達の気持ちって凄くわかる。だからこそ、とっても努力してる人のことは応援したい。お金がなくても諦めないでやった方がいいよって気持ちになるんです。でもたまに全部が中途半端な人がいます。バイトも中途半端、俺は芝居がやりたいからそのためだけに稼いでるって、そういう人間はちょっと疲れたからってすぐ休むんですよ。そんな人はないなと思う。だったら全部辞めちまえって思います」

── そうか、確かにそれはそうだ。

「私は夢を追いかけている人にたぶん弱いんだと思います」
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すごくイイ男だけど「付き合ってない」という彼にモヤモヤ

美人はスーパーカーである 恋愛 大人 エロ 美女
── 今、お付き合いしている人はいるんですか。

「う〜ん、付き合ってはいないけど、ずっと恋人のような関係が続いている人はいます」

── 恋人みたいなのに付き合っていない?

「付き合ってません。でもイイ男なんですよね。夢もあるし自分の考えをもって目標に向かってる。気前もいいし、連絡もマメで雑に扱われたことがないから、モヤモヤしていても『これってどういう関係?』とはなかなか聞けなくて」
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── ええ? そんな風に大切にされているんだったら、付き合っているんじゃないですか?

「でも先日友人に『あれ〜ふたりって付き合ってるの?』って聞かれた時、『付き合ってない』って否定してたから、じゃあセフレってことか……と。だけど、それ以外に嫌なことがひとつもないんですよ。一緒にいて本当に楽しいし、旅行しても私にお財布を出させないんです。同業者なのに」

── そんな人だったらできれば結婚したいですよね。でも同業者だと大変かな。

「それが今制作の方にシフトチェンジしているところで、それもあって忙しいようですが、そうなると経済状況は一変します。その忙しさをわかっているから、はっきりしなくても黙っている、という部分もあります」

── あ〜、それですね。男って『これが上手くいったら付き合おう、結婚しよう』みたいに考えがちなんです。おふたりに幸せな未来があることを願っています。今日はありがとうございました!
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【林さんから〆のひと言】

芸能界っていろんなことが起きている世界なんですね。でも今回は自分の恋愛をちゃんと見つめていますね。これからも良い恋愛を!
bar bossa(バール ボッサ)

■ bar bossa(バール ボッサ)

ワインを中心に手料理のおいしいおつまみや季節のチーズなどを取り揃えたバー。 BGMは静かなボサノヴァ。
住所/東京都渋谷区宇田川町 41-23 第2大久保ビル1F
営業時間/月〜土 19:00〜24:00
定休日/日・祝
問い合わせ/TEL 03-5458-4185

● 林 伸次(はやし・しんじ)

1969年徳島県生まれ。早稲田大学中退。レコード屋、ブラジル料理屋、バー勤務を経て、1997年渋谷に「bar bossa」をオープン。2001年、ネット上でBOSSA RECORDSを開業。選曲CD、CDライナー執筆等多数。cakesで連載中のエッセイ「ワイングラスのむこう側」が大人気となりバーのマスターと作家の二足のわらじ生活に。小説『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる』(幻冬舎)、『なぜ、あの飲食店にお客が集まるのか』(旭屋出版)、『大人の条件』(産業編集センター)。最新刊は『世界はひとりの、一度きりの人生の集まりにすぎない。』(‎幻冬舎)

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